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第一章 発端
変化
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首に回した片腕と、腰を支えた格好で、ピタリと寄り添いながら歩み始めた。
(こうして、2人切りになるの、最後は何時だったんだ?)
気まずさは益々高まり、互いに無言で歩を進める。
その時、翔子が小石に躓いた。
「あっ・・」「うわっ・・」
重なり合う様に倒れ込む、体を入れ替えて、下敷きになり、翔子を庇う俺。
「うっ・・」
強かに体を打ち呻く。
「だ、大丈夫っ?」
「あぁ、俺より・・シ、ショコはっ?」
久し振りに口にした・・ショコ・・
一瞬、ハッとした表情で固まる翔子。
「ごめんネ・・テ・・・・テツ・・」
(えっ、えっ? 翔子、俺のコトを、今?)
耳を疑う俺、心臓がバクバクと鳴る。
先に立ち上がる俺、黙って片手を差し向けた。
翔子の瞳が俺を凝縮し、おずおずと、やがて、しっかりと手を握り締めた。
「テツっ、あ、有難う・・」
ホントに久し振り、いや、1年振りに観る翔子の笑顔。
清楚で愛くるしい、俺の翔子の笑顔が戻って来た・・
何かが変わる、いや、戻る予感に、興奮する俺。
再び病院へ向かう俺達。
俺の肩に頭を乗せ、安心した様に身体を預ける翔子。
(ずっと、このままでいたいっ・・)
しかし、直ぐに渡辺医院が近付いた。
その時、生唾を呑み翔子が語り始めた。
「テツ・・私、テツに迷惑と心配ばかりかけて・・」
「何だよっ、改って? ショコは俺の、お嫁さんになるんだろ? ショコは、俺の物なんだろ? 護るの当たり前だっ」
「だから、どうしても、聴いて欲しいコトがあるのっ・・また、前みたく仲良くなりたいし・・私、テツのお嫁さんに、して欲しいから・・」
俺の心に、微かな暗雲が広まった。
(こうして、2人切りになるの、最後は何時だったんだ?)
気まずさは益々高まり、互いに無言で歩を進める。
その時、翔子が小石に躓いた。
「あっ・・」「うわっ・・」
重なり合う様に倒れ込む、体を入れ替えて、下敷きになり、翔子を庇う俺。
「うっ・・」
強かに体を打ち呻く。
「だ、大丈夫っ?」
「あぁ、俺より・・シ、ショコはっ?」
久し振りに口にした・・ショコ・・
一瞬、ハッとした表情で固まる翔子。
「ごめんネ・・テ・・・・テツ・・」
(えっ、えっ? 翔子、俺のコトを、今?)
耳を疑う俺、心臓がバクバクと鳴る。
先に立ち上がる俺、黙って片手を差し向けた。
翔子の瞳が俺を凝縮し、おずおずと、やがて、しっかりと手を握り締めた。
「テツっ、あ、有難う・・」
ホントに久し振り、いや、1年振りに観る翔子の笑顔。
清楚で愛くるしい、俺の翔子の笑顔が戻って来た・・
何かが変わる、いや、戻る予感に、興奮する俺。
再び病院へ向かう俺達。
俺の肩に頭を乗せ、安心した様に身体を預ける翔子。
(ずっと、このままでいたいっ・・)
しかし、直ぐに渡辺医院が近付いた。
その時、生唾を呑み翔子が語り始めた。
「テツ・・私、テツに迷惑と心配ばかりかけて・・」
「何だよっ、改って? ショコは俺の、お嫁さんになるんだろ? ショコは、俺の物なんだろ? 護るの当たり前だっ」
「だから、どうしても、聴いて欲しいコトがあるのっ・・また、前みたく仲良くなりたいし・・私、テツのお嫁さんに、して欲しいから・・」
俺の心に、微かな暗雲が広まった。
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