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第2章 学園入学編
第19話 万物創造はチートでした(今更)
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「とりあえず言わせてもらえば、突っ込みどころが多すぎて、処理しきれないわ・・・」
説明が長くなりそうだったので、立ち話も何なので座りましょうと、出したままだった寝具をしまって昨日のイスとテーブルを取り出して座るように促したところ、そんな事を言われた。解せぬ。
「飲み物はホットミルクでいいですか? 材料を持ってないので他は水くらいしか・・・ん?」
そこまで言いながら気づいた。【万物創造】スキルを使えば炭酸水くらいなら簡単に作れるのでは!?
思い立ったが吉日。さっそく【収納】の中で試してみたけど・・・。できた。できてしまった。
このスキルってこの世界の飲食業界に革命を起こせるんじゃないだろうか!?
「すみません、師匠。甘くて冷たい炭酸水も出せます」
「突っ込む前に、突っ込みどころを増やすのやめてくれるかな・・・」
「それで、どうします?」
ガラスのコップを【万物創造】で作りながら聞くと、
「もう考えるのも疲れたわ・・・。炭酸水で!」
師匠は考える事を放棄したようだ。
「ぷっはー! このシュワシュワ懐かしいわね。まさかこっちで飲めるとは思っていなかったわ」
「何それなの! ミルクも飲みたいの!」
あ、ミルクの存在をすっかり忘れてた。すぐにミルク用の炭酸水も用意する。
「あわわわわ。シュワーってなるの! 不思議な感じなの!」
どうやらミルクも気に入ってくれたようだ。良かった。
「それでは、飲みながらで良いので話をしましょうか?」
「ああ、そうね。炭酸水にテンション上がりすぎて忘れるところだったわ。
とりあえず、そのかわいい子を紹介してもらえる?」
「そうでしたね。この子は・・・」
「ミルクはミルクなの! 妖精なの! よろしくなの!」
紹介しようと思ったら、先に自己紹介を始めてじまった。
「かわいい妖精さんね。私はリーナよ。リーナって呼んで頂戴? よろしくねミルクちゃん」
「リーナ! よろしくなの! ミルクもミルクでいいの!」
「自分で自己紹介しちゃったけど、この子は妖精のミルク。僕の従魔です」
「・・・いやいや、またサラっとぶっこんで来たわね。妖精が従魔なんて聞いたことないわよ!
リョーマと居ると自分の常識がガラガラと音を立てて崩れ去っていくわ・・・」
そんなまた俺が非常識の塊みたいな。俺は普通ですよーっと。
「詳しい話は後にして、先に次の疑問いいかしら? さっきのベッドとか、この机とか炭酸水は何?」
「スキルで作りました」
「あ、うん。まあ、そうよね? そうだけど・・・。
前世の物をバンバン作るとか、どんなスキルなのよ!」
さすがに簡単に説明しすぎた。俺は【万物創造】というスキルで何でも作れる事を説明して、試しでまた昨日のクッキーを作ってみせる。
「わー! クッキーなの! 食べるの!」
「はいはい、慌てなくても無くならないよ」
と言いつつ皿に出したら、師匠がパクパクと食べていた。
「な、無くなりそうなのー!」
「何、このクッキー! 王都のお茶会で食べてたクッキーは何だったのっていう美味しさね!」
「むむ、この美味しさを理解できるなんて、リーナは話が合いそうなの! でも、ミルクのクッキーなのー!」
「喧嘩しないで仲良く食べてね。
とにかく、こんな感じで何でも作れそうです。後は、付与とか装備や道具に関するスキルは一通りこのスキルに包含されてるみたいですね」
「まにほれ、ふぉんとうぃちーほへ!」
師匠はクッキーを口に含んだまま喋ってて何言ってるか分からない。
「ちょっと師匠、行儀が悪いですよ。食べるか話すか、どっちかにして下さい」
そう言うと、師匠は口の中のクッキーを炭酸水で流し込む。話をしてくれそうだ。どっちかなら食べるとか言われなくてよかった。
「ごめんなさい。余りにクッキーが美味しくて・・・」
育ちが良いはずの師匠をここまで虜にするこのクッキー、ヤバい!?
「何それ、ホントにチートね! って言ったの。だけど、そのスキルはヤバいわ。ちょっと考えただけでも・・・」
「ええ、ヤバいですよね。昨日からお世話になりっ放しです」
「それもそうだけど、ある程度構造を知ってるだけの物でも作れたりするんでしょ? 下手したら想像しただけの物でも作れるかも知れないし、もの凄いポテンシャルを秘めているわ」
「あ・・・確かにヤバいですね。絶対人に知られてはまずい奴ですかね?」
しかし、師匠に知られてしまった!
「よし、とりあえず口封じに師匠を・・・」
「ま、待って! シャレになってないから! リョーマなら多分証拠も残さず消せそうだし」
「いや、まあ冗談ですよ。多分」
「ねーねー。クッキー全部無くなりそうなの。おかわりなのー」
ふとそう言われて、皿の上を見るとクッキーが残り1枚になっていた。
「ええっ! 私の分は!?」
「ふふっ! ミルクは優しいの! この1枚はリーナに上げるの! でもおかわりが欲しいの」
「残念ながら材料切れだよ。帰ったら材料を買いに行こうね」
リーナに最後のクッキーを渡そうとしていた手がピタリと止まる。
「・・・リ、リーナ。半分こするの!」
「え、ええ。ありがとう」
2人は仲良く半分づつ割って食べる様だ。
あれっ? 俺食べてなくね!?
仕方ない、ストックの果物と砂糖で飴でも作って食べよう。
空になった皿に【収納】内で作った飴を出すと1つ取る。
「飴ちゃん作ったから、良かったらこっちもどうぞ」
そう言うと、師匠もミルクも飴を頬張る。
「おいしいのー!」
「ホント、これも美味しいっ。こっちの世界の飴ってそんなに美味しくないのよね。こんな美味しいお菓子が食べれるなんて、ミルクは幸せ者ね」
気に入ってもらえた様で何より。【万物創造】と【サポーター】さんの合わせ技で、かなり自動的に前世の味を再現できるようだ。
「他の子達には申し訳ないけど、ミルクは幸せ者なのー」
「他の子?」
そう言えば、その辺りの説明はしてなかったかな。
「僕の従魔は約300匹います。ミルクはその中の1人ですよ」
「300匹って! 従魔が300匹って! そもそもミルクですら、私が束になっても敵わない強さを感じるんだけど・・・、同じ様な子が300匹!?」
「ううんー。違うのー」
「そうよね。いくらなんでもミルク並みの魔物が300匹は・・・」
「ミルクは弱い方なのー」
「そっち!? 違うのはそっち!?
何? 私は従魔の中で最弱・・・とかやるの!?」
いや、やらないから! そのセリフを言う時はミルク負けてるし!
「でも軽く一国くらい落とせそうな戦力ね。
【万物創造】のスキルも合わせて、国に知られたら危険視されかねないわ」
急に真面目な顔になったと思ったら、師匠はそう言うのだった。
完全に忘れかけてたけど、一応師匠は王族、つまり国側の人なんだよね。
説明が長くなりそうだったので、立ち話も何なので座りましょうと、出したままだった寝具をしまって昨日のイスとテーブルを取り出して座るように促したところ、そんな事を言われた。解せぬ。
「飲み物はホットミルクでいいですか? 材料を持ってないので他は水くらいしか・・・ん?」
そこまで言いながら気づいた。【万物創造】スキルを使えば炭酸水くらいなら簡単に作れるのでは!?
思い立ったが吉日。さっそく【収納】の中で試してみたけど・・・。できた。できてしまった。
このスキルってこの世界の飲食業界に革命を起こせるんじゃないだろうか!?
「すみません、師匠。甘くて冷たい炭酸水も出せます」
「突っ込む前に、突っ込みどころを増やすのやめてくれるかな・・・」
「それで、どうします?」
ガラスのコップを【万物創造】で作りながら聞くと、
「もう考えるのも疲れたわ・・・。炭酸水で!」
師匠は考える事を放棄したようだ。
「ぷっはー! このシュワシュワ懐かしいわね。まさかこっちで飲めるとは思っていなかったわ」
「何それなの! ミルクも飲みたいの!」
あ、ミルクの存在をすっかり忘れてた。すぐにミルク用の炭酸水も用意する。
「あわわわわ。シュワーってなるの! 不思議な感じなの!」
どうやらミルクも気に入ってくれたようだ。良かった。
「それでは、飲みながらで良いので話をしましょうか?」
「ああ、そうね。炭酸水にテンション上がりすぎて忘れるところだったわ。
とりあえず、そのかわいい子を紹介してもらえる?」
「そうでしたね。この子は・・・」
「ミルクはミルクなの! 妖精なの! よろしくなの!」
紹介しようと思ったら、先に自己紹介を始めてじまった。
「かわいい妖精さんね。私はリーナよ。リーナって呼んで頂戴? よろしくねミルクちゃん」
「リーナ! よろしくなの! ミルクもミルクでいいの!」
「自分で自己紹介しちゃったけど、この子は妖精のミルク。僕の従魔です」
「・・・いやいや、またサラっとぶっこんで来たわね。妖精が従魔なんて聞いたことないわよ!
リョーマと居ると自分の常識がガラガラと音を立てて崩れ去っていくわ・・・」
そんなまた俺が非常識の塊みたいな。俺は普通ですよーっと。
「詳しい話は後にして、先に次の疑問いいかしら? さっきのベッドとか、この机とか炭酸水は何?」
「スキルで作りました」
「あ、うん。まあ、そうよね? そうだけど・・・。
前世の物をバンバン作るとか、どんなスキルなのよ!」
さすがに簡単に説明しすぎた。俺は【万物創造】というスキルで何でも作れる事を説明して、試しでまた昨日のクッキーを作ってみせる。
「わー! クッキーなの! 食べるの!」
「はいはい、慌てなくても無くならないよ」
と言いつつ皿に出したら、師匠がパクパクと食べていた。
「な、無くなりそうなのー!」
「何、このクッキー! 王都のお茶会で食べてたクッキーは何だったのっていう美味しさね!」
「むむ、この美味しさを理解できるなんて、リーナは話が合いそうなの! でも、ミルクのクッキーなのー!」
「喧嘩しないで仲良く食べてね。
とにかく、こんな感じで何でも作れそうです。後は、付与とか装備や道具に関するスキルは一通りこのスキルに包含されてるみたいですね」
「まにほれ、ふぉんとうぃちーほへ!」
師匠はクッキーを口に含んだまま喋ってて何言ってるか分からない。
「ちょっと師匠、行儀が悪いですよ。食べるか話すか、どっちかにして下さい」
そう言うと、師匠は口の中のクッキーを炭酸水で流し込む。話をしてくれそうだ。どっちかなら食べるとか言われなくてよかった。
「ごめんなさい。余りにクッキーが美味しくて・・・」
育ちが良いはずの師匠をここまで虜にするこのクッキー、ヤバい!?
「何それ、ホントにチートね! って言ったの。だけど、そのスキルはヤバいわ。ちょっと考えただけでも・・・」
「ええ、ヤバいですよね。昨日からお世話になりっ放しです」
「それもそうだけど、ある程度構造を知ってるだけの物でも作れたりするんでしょ? 下手したら想像しただけの物でも作れるかも知れないし、もの凄いポテンシャルを秘めているわ」
「あ・・・確かにヤバいですね。絶対人に知られてはまずい奴ですかね?」
しかし、師匠に知られてしまった!
「よし、とりあえず口封じに師匠を・・・」
「ま、待って! シャレになってないから! リョーマなら多分証拠も残さず消せそうだし」
「いや、まあ冗談ですよ。多分」
「ねーねー。クッキー全部無くなりそうなの。おかわりなのー」
ふとそう言われて、皿の上を見るとクッキーが残り1枚になっていた。
「ええっ! 私の分は!?」
「ふふっ! ミルクは優しいの! この1枚はリーナに上げるの! でもおかわりが欲しいの」
「残念ながら材料切れだよ。帰ったら材料を買いに行こうね」
リーナに最後のクッキーを渡そうとしていた手がピタリと止まる。
「・・・リ、リーナ。半分こするの!」
「え、ええ。ありがとう」
2人は仲良く半分づつ割って食べる様だ。
あれっ? 俺食べてなくね!?
仕方ない、ストックの果物と砂糖で飴でも作って食べよう。
空になった皿に【収納】内で作った飴を出すと1つ取る。
「飴ちゃん作ったから、良かったらこっちもどうぞ」
そう言うと、師匠もミルクも飴を頬張る。
「おいしいのー!」
「ホント、これも美味しいっ。こっちの世界の飴ってそんなに美味しくないのよね。こんな美味しいお菓子が食べれるなんて、ミルクは幸せ者ね」
気に入ってもらえた様で何より。【万物創造】と【サポーター】さんの合わせ技で、かなり自動的に前世の味を再現できるようだ。
「他の子達には申し訳ないけど、ミルクは幸せ者なのー」
「他の子?」
そう言えば、その辺りの説明はしてなかったかな。
「僕の従魔は約300匹います。ミルクはその中の1人ですよ」
「300匹って! 従魔が300匹って! そもそもミルクですら、私が束になっても敵わない強さを感じるんだけど・・・、同じ様な子が300匹!?」
「ううんー。違うのー」
「そうよね。いくらなんでもミルク並みの魔物が300匹は・・・」
「ミルクは弱い方なのー」
「そっち!? 違うのはそっち!?
何? 私は従魔の中で最弱・・・とかやるの!?」
いや、やらないから! そのセリフを言う時はミルク負けてるし!
「でも軽く一国くらい落とせそうな戦力ね。
【万物創造】のスキルも合わせて、国に知られたら危険視されかねないわ」
急に真面目な顔になったと思ったら、師匠はそう言うのだった。
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