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第2章 学園入学編
第21話 ミルク&リーナ
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ミルクと師匠改めリーナさんがパートナーになってから10日程経った。うん、リーナさんと呼ぶの違和感半端ない。
ダンジョンから出たら、丁度俺を探すための調査隊が準備しているところで、とても驚かれた。
トラップで下の階層に飛ばされたけど、地図を持っていたので自力で戻れたと説明してその場を収め、学園の寮に戻った。
寮に戻ったら今度は先生に呼ばれて色々と説明する事になったが、とにかく無事で良かったという事で皆を守った事に対するお礼を言われて解放された。別途また学園からも話があるだろうとの事だったが、まだ呼ばれていない。前代未聞の事だったので、色々とあるんだろう。
また、ダンジョンに関しては数百年ぶりに階層主、しかも初心者には致命的な下級悪魔が出現したとあって、危険性を考慮してしばらく封鎖される事となった。
次いつ階層主が現れるか分からないし、妥当な判断だと思う。まあ、あの自称神様がピンポイントに俺を狙って出現させただけだと思うから、本当は危険も少ないんだろうけどね。可能性で冒険者を危険に晒す訳にもいかないので、敢えてそんな事は言わない。
そして今日は学園が休みなので、寮でのんびりしていた。基本的に新入生は入学から3ヵ月は寮生活に慣れる為に自宅へ帰る事は認められない。そして街に買い物にでるのも申請を出して許可制の為、出かけるのが面倒でのんびりしているのだ。
「リョーマ、リョーマ! 今日はどんなお菓子を作ってくれるのなの?」
従魔のミルクは基本的にリーナさんのところに居るが、お腹が空くと俺のところにやってくる。
また、外では基本的に他の人には見えないように【光魔法】を光学迷彩的な使い方をして姿を消している。ポチが【光魔法】で透明になっているのを見て、真似したらしい。ポチは一体どこに向かっているんだろうか? 真似できるミルクも大概だけどね。
お菓子を作る度に、美味しいと言ってもらえるので色々とレパートリーが増えてきた。材料などは街まで出なくても、学園内の売店で手に入るのだ。
先日はプリンを作ったら、一口食べるなり一生俺に付いて行くとか、もう今死んでも満足とか、一生付いて来るのにもう死ぬのかと突っ込みたくなるような事を言っていた。
そして今日はケーキに挑戦するつもりだ。なんと新鮮なイチゴが手に入ったのだ! イチゴのショートケーキを作るしかあるまい!
「ふふふ、今日はこの前のプリンの比じゃない、更に美味しいスイーツを作るぞ!」
「ぷ、プリンより美味しいものなの!? そんなのミルクは嬉しすぎて食べる前に死んじゃうの!」
いや、せめて食べてからにして下さい。
「・・・って、そうじゃなかったの。リーナがカフェに来て欲しいって言ってたの。前にお茶したところって言えば分かるって言ってたの」
ダンジョンから脱出して以来、ミルクはこうしてたまにやってくるが、リーナさんとはまだ会えていない。生徒会や何やらで、色々と忙しいんだろう。
「ん? 今すぐなのかな?」
今日は休日でのんびりしようと思っていたので、まだ寝間着のままだった。
「そうなの! のんびり待ってるから急がなくてもいいけど、ずっと待ってるって言ってたの」
そう言われると、逆にすぐに行かないといけない気になるよね。
俺は急いで普段着に着替えると、部屋を飛び出す。
「うおっ! 危ないじゃないかリョーマ」
勢いよくドアを開けたら、丁度俺の部屋をノックしようとしていたジョージに当たりそうになった。部屋の前に人が居ることまでは把握してたけど、立ち止まるとは思ってなかった。
「ごめんごめん。急いでいたから気付かなかったよ。どうしたの僕に用事だった?」
「ああ、折角の休みだから一緒に街を散策しないか誘いに来たんだけど・・・。出かける所だったのか?」
「誘いに来てくれたのは嬉しいけど、ちょっと先約があってね。また今度誘ってくれるかな?」
そう言いながら、包装紙に包んだ飴ちゃんを渡す。数日前に渡したところ、ジョージは凄く美味しいと言ってくれていたので、これで許してもらおう。賄賂賄賂。
「おお! これはこの前も貰った飴か!? めちゃ旨かったんだよな。
まあ、先約があるなら仕方ない、また埋め合わせしてくれよな! 今日は別のクラスメイトを誘うことにするよ」
「うん。ごめんね。急いでるからまた!」
そう言うと、俺はカフェに向かうのだった。
☆
「すみませんリーナさん。お待たせしました」
「大丈夫ですよ。私も今来たところですので」
カフェに着いたら、ウェイターさんに先日と同じ個室に案内された。そして、開口一番に待たせた事を謝ったら、そんな事を言われた。
今日のリーナさんは制服や冒険者風の服装ではなく、黒と白のワンピース風な服を着ている。普段着かな?
「いや、師匠・・・じゃなかったリーナさん、ミルクがずっと待ってるみたいな事を言ってましたよ? 今来たところはないでしょう。それと言葉遣い戻ってますよ」
「あっ、ごめんね。意識してないとつい素の言葉になっちゃうの。
でもそんなに待ってないのは本当よ。どうせお菓子の話とかしてたんでしょ? それも見越して、ミルクは早めに送り出したから」
この10日間でリーナさんはミルクの性格を色々と分かってるみたいだ。俺より一緒にいる時間が長いからな。
「それで、今日はどんなお菓子を作るつもりだったの?」
「え? もしかして、お菓子が食べたくて呼び出したんですか!?」
ミルク&リーナコンビは意図していないのに似たものコンビで本当にお菓子に目がないな。
「ふふ、本題は別にあるわよ。でも折角だったら、美味しいお菓子を食べながらが良いでしょ?」
「そう言う事ですか・・・。まあ、いいです。
聞いて驚いて下さい! 今日はイチゴのショートケーキを作ろうと思います!」
「な、何ですって! まさか、こっちでショートケーキを食べれられる日が来るとは・・・」
「と言うか、ここカフェですけど、持ち込み大丈夫なんですか?」
「このカフェ、個室は持ち込みオーケーよ。心配しないで! さあ、早く食べましょう!」
リーナさん一気にテンションマックスになってしまった。
「リーナがそこまで驚くなんて・・・、どんなお菓子か想像するだけで気絶しちゃいそうなの!」
相変わらず大げさなミルクは置いといて、早速作ってしまおう。と言っても【万物創造】に【サポーター】さんの支援でパパっと作れちゃうんだけどね。
「じゃあ、作ります」
「ワクワク・・・なの!」
俺は【収納】の中で【万物創造】を使い、皿の上にイチゴのショートケーキ(ホール)を作り、その上にフランス料理とかで使われそうなドーム型のフタ作ってを載せる。
「さあ、できましたよ!」
「相変わらず早いの!」
早速、【収納】から取り出して、テーブルの上に乗せる。
「待ってたわ! 私はこの瞬間の為に生まれて来たと行っても過言ではないと思うの!」
「間違いなく、過言だと思います」
そう言いながら、ドームの上の取っ手を掴み、一気に引き上げる。
「うわー! 白くてふわふわなの! この赤いのは何なの!? ダンジョンでは見たことないの!」
テンションが限界突破したミルクを横目に、小皿に切り分けていく。
「さあ、お代わりもいっぱいできるから、ゆっくり食べてね。リーナさんもどうぞ」
「「いただきます!(なの!)」」
二人とも美味しそうに、すごい勢いで食べていく。・・・ゆっくりって言ったのに。
「それでリーナさん。本題は何でしょうか?」
とりあえず1個目が食べ終わるのを待ってから聞く。
「そうそう、あまりに美味しくて忘れるところだったわ。
今日来てもらったのは例のサラリーマン。鈴木さんについてよ」
そんな大事そうな事、忘れそうにならないで下さい。
ダンジョンから出たら、丁度俺を探すための調査隊が準備しているところで、とても驚かれた。
トラップで下の階層に飛ばされたけど、地図を持っていたので自力で戻れたと説明してその場を収め、学園の寮に戻った。
寮に戻ったら今度は先生に呼ばれて色々と説明する事になったが、とにかく無事で良かったという事で皆を守った事に対するお礼を言われて解放された。別途また学園からも話があるだろうとの事だったが、まだ呼ばれていない。前代未聞の事だったので、色々とあるんだろう。
また、ダンジョンに関しては数百年ぶりに階層主、しかも初心者には致命的な下級悪魔が出現したとあって、危険性を考慮してしばらく封鎖される事となった。
次いつ階層主が現れるか分からないし、妥当な判断だと思う。まあ、あの自称神様がピンポイントに俺を狙って出現させただけだと思うから、本当は危険も少ないんだろうけどね。可能性で冒険者を危険に晒す訳にもいかないので、敢えてそんな事は言わない。
そして今日は学園が休みなので、寮でのんびりしていた。基本的に新入生は入学から3ヵ月は寮生活に慣れる為に自宅へ帰る事は認められない。そして街に買い物にでるのも申請を出して許可制の為、出かけるのが面倒でのんびりしているのだ。
「リョーマ、リョーマ! 今日はどんなお菓子を作ってくれるのなの?」
従魔のミルクは基本的にリーナさんのところに居るが、お腹が空くと俺のところにやってくる。
また、外では基本的に他の人には見えないように【光魔法】を光学迷彩的な使い方をして姿を消している。ポチが【光魔法】で透明になっているのを見て、真似したらしい。ポチは一体どこに向かっているんだろうか? 真似できるミルクも大概だけどね。
お菓子を作る度に、美味しいと言ってもらえるので色々とレパートリーが増えてきた。材料などは街まで出なくても、学園内の売店で手に入るのだ。
先日はプリンを作ったら、一口食べるなり一生俺に付いて行くとか、もう今死んでも満足とか、一生付いて来るのにもう死ぬのかと突っ込みたくなるような事を言っていた。
そして今日はケーキに挑戦するつもりだ。なんと新鮮なイチゴが手に入ったのだ! イチゴのショートケーキを作るしかあるまい!
「ふふふ、今日はこの前のプリンの比じゃない、更に美味しいスイーツを作るぞ!」
「ぷ、プリンより美味しいものなの!? そんなのミルクは嬉しすぎて食べる前に死んじゃうの!」
いや、せめて食べてからにして下さい。
「・・・って、そうじゃなかったの。リーナがカフェに来て欲しいって言ってたの。前にお茶したところって言えば分かるって言ってたの」
ダンジョンから脱出して以来、ミルクはこうしてたまにやってくるが、リーナさんとはまだ会えていない。生徒会や何やらで、色々と忙しいんだろう。
「ん? 今すぐなのかな?」
今日は休日でのんびりしようと思っていたので、まだ寝間着のままだった。
「そうなの! のんびり待ってるから急がなくてもいいけど、ずっと待ってるって言ってたの」
そう言われると、逆にすぐに行かないといけない気になるよね。
俺は急いで普段着に着替えると、部屋を飛び出す。
「うおっ! 危ないじゃないかリョーマ」
勢いよくドアを開けたら、丁度俺の部屋をノックしようとしていたジョージに当たりそうになった。部屋の前に人が居ることまでは把握してたけど、立ち止まるとは思ってなかった。
「ごめんごめん。急いでいたから気付かなかったよ。どうしたの僕に用事だった?」
「ああ、折角の休みだから一緒に街を散策しないか誘いに来たんだけど・・・。出かける所だったのか?」
「誘いに来てくれたのは嬉しいけど、ちょっと先約があってね。また今度誘ってくれるかな?」
そう言いながら、包装紙に包んだ飴ちゃんを渡す。数日前に渡したところ、ジョージは凄く美味しいと言ってくれていたので、これで許してもらおう。賄賂賄賂。
「おお! これはこの前も貰った飴か!? めちゃ旨かったんだよな。
まあ、先約があるなら仕方ない、また埋め合わせしてくれよな! 今日は別のクラスメイトを誘うことにするよ」
「うん。ごめんね。急いでるからまた!」
そう言うと、俺はカフェに向かうのだった。
☆
「すみませんリーナさん。お待たせしました」
「大丈夫ですよ。私も今来たところですので」
カフェに着いたら、ウェイターさんに先日と同じ個室に案内された。そして、開口一番に待たせた事を謝ったら、そんな事を言われた。
今日のリーナさんは制服や冒険者風の服装ではなく、黒と白のワンピース風な服を着ている。普段着かな?
「いや、師匠・・・じゃなかったリーナさん、ミルクがずっと待ってるみたいな事を言ってましたよ? 今来たところはないでしょう。それと言葉遣い戻ってますよ」
「あっ、ごめんね。意識してないとつい素の言葉になっちゃうの。
でもそんなに待ってないのは本当よ。どうせお菓子の話とかしてたんでしょ? それも見越して、ミルクは早めに送り出したから」
この10日間でリーナさんはミルクの性格を色々と分かってるみたいだ。俺より一緒にいる時間が長いからな。
「それで、今日はどんなお菓子を作るつもりだったの?」
「え? もしかして、お菓子が食べたくて呼び出したんですか!?」
ミルク&リーナコンビは意図していないのに似たものコンビで本当にお菓子に目がないな。
「ふふ、本題は別にあるわよ。でも折角だったら、美味しいお菓子を食べながらが良いでしょ?」
「そう言う事ですか・・・。まあ、いいです。
聞いて驚いて下さい! 今日はイチゴのショートケーキを作ろうと思います!」
「な、何ですって! まさか、こっちでショートケーキを食べれられる日が来るとは・・・」
「と言うか、ここカフェですけど、持ち込み大丈夫なんですか?」
「このカフェ、個室は持ち込みオーケーよ。心配しないで! さあ、早く食べましょう!」
リーナさん一気にテンションマックスになってしまった。
「リーナがそこまで驚くなんて・・・、どんなお菓子か想像するだけで気絶しちゃいそうなの!」
相変わらず大げさなミルクは置いといて、早速作ってしまおう。と言っても【万物創造】に【サポーター】さんの支援でパパっと作れちゃうんだけどね。
「じゃあ、作ります」
「ワクワク・・・なの!」
俺は【収納】の中で【万物創造】を使い、皿の上にイチゴのショートケーキ(ホール)を作り、その上にフランス料理とかで使われそうなドーム型のフタ作ってを載せる。
「さあ、できましたよ!」
「相変わらず早いの!」
早速、【収納】から取り出して、テーブルの上に乗せる。
「待ってたわ! 私はこの瞬間の為に生まれて来たと行っても過言ではないと思うの!」
「間違いなく、過言だと思います」
そう言いながら、ドームの上の取っ手を掴み、一気に引き上げる。
「うわー! 白くてふわふわなの! この赤いのは何なの!? ダンジョンでは見たことないの!」
テンションが限界突破したミルクを横目に、小皿に切り分けていく。
「さあ、お代わりもいっぱいできるから、ゆっくり食べてね。リーナさんもどうぞ」
「「いただきます!(なの!)」」
二人とも美味しそうに、すごい勢いで食べていく。・・・ゆっくりって言ったのに。
「それでリーナさん。本題は何でしょうか?」
とりあえず1個目が食べ終わるのを待ってから聞く。
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