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第3章 王都騒乱編
第49話 悪魔召喚
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「まだ・・・まだよ。そうだ! これを使えば・・・」
ミーナ王女はそう言いながら、懐から1本のナイフを取り出した。真っ黒な刀身に禍々しいオーラを纏ったナイフだ。何だアレ? イヤな【予感】がするなぁ。
《確認しました。あれは悪魔を召喚するアイテムです。勇者召喚のアイテム同様、例の自称神様が作った物のようです》
【サポーター】さんありがとうございます。あの自称神様何を考えてるんだろう? 勇者召喚と一緒に悪魔召喚のアイテムまで作ってるなんて。
「ミーナ姉さん? それは初めて見るけど、一体・・・?」
今までずっと後ろで見ていた取り巻きの弟(リーナさんからしたら兄)が問いかける。
「ああ、これも宝物庫で見つけた最後の手段。
勇者ではないけど頼りになる味方を召喚できるアイテムよ。
手に持った時に、使い方も頭に入ってきたわ。・・・こうするの!」
ミーナ王女は俺が止める間もなく、弟の胸にナイフを突き立てた。
「ね、姉さん・・・。何を・・・」
「さあ、悪魔よ! 生贄は捧げたわ。顕現しなさい!」
そう叫ぶと、弟君(名前は知らない)を中心に魔法陣が展開した。
《どうやら、生贄を捧げる事で強力な悪魔を召喚し、1つだけ願いを叶えて貰えるアイテムですね》
おう、それを先に教えて欲しかった。そしたらナイフを刺される前に止められたかも知れないのに。
《大丈夫です。即死ではないようなので後で助けられます。生贄と言いつつ、ある程度の血を捧げる事で発動するようです》
ええ? それ良いのかな? 確かに治せるかもしれないけど、痛いよね? かわいそ・・・うでもないか。今回の首謀者の1人でした。すっとリーナさんをいじめてたらしいしね。
なんて考えている間に魔法陣は大きくなり光り輝く。
「ま、眩しいっ!」
誰が叫んだか分からないが、誰ともなくそう叫んだ。そして次の瞬間、弟君の前に1体の悪魔が現れる。
「「「・・・・・・」」」
こちらサイドのメンバーはその姿を見て言葉を失った。だって、どう見ても・・・。
「初めまして。私の名はアクモン。偉大なるお方に使えるアークデーモンです」
アクモンでした。え? やばい? アクモンに1つお願いができちゃうの? て言うか、アクモンレベルの悪魔が召喚できるとか、そのナイフヤバいよね。
《どうやら、一定以上の強さの悪魔の内、一番近くにいる者を召喚するアイテムのようですね。
近ければ近いほど、強い悪魔でも召喚できるようです》
なるほど、そりゃあアクモン一択だよね。
「よく来たわね! 早速命令よ! そこに居る奴らを皆殺しにしなさい! 私以外の人間全てよ!」
「ちょ、ちょっと! お姉さま!?」
自分以外の全ての人間を殺せと言われて、ナイフで刺されなかった方の取り巻き、妹の方が抗議している。と言うか、弟君が刺されてる時点で自分たちは切り捨てられてる事に気付こうよ。
「貴女の願いは、この場の人間を全て抹殺する事で良いのですね」
「そうよ! さあ、早くやりなさい!」
「畏まりました」
ヤバい。どうやって止めよう。出来るだけ傷付けたくはないし・・・。ガルムを総動員して動きを止めるか!?
「・・・何て言うと思いましたか?」
「「え?」」
俺とミーナ女王のセリフが被った。まあ、俺は姿を消していて、声も聞こえないようにしてるけど。
「私は偉大なる方に仕えています。その方とは魂のレベルで繋がっているのです。
そのようなアイテムで召喚された所で、私を支配する事などできません!」
どうやら従魔契約は召喚アイテムより強力なようです。
「え? え? 私は弟を犠牲にしてあなたを召喚したのよ!? それなのに私の命令が聞けないの?」
「貴女は弟を犠牲にした事を何とも思っていないでしょう? そのナイフの説明をちゃんと確認しなかったのですか?」
何だろう? 何か条件でもあったのかな?
「ちゃんと分かってるわ! 自分の大事な人を1人生贄に捧げろって。だから私は弟を犠牲にしたのよ」
「貴女が真に弟の事を大事に思っていたのなら、もしかしたら万に1つでも私に命令する事ができたかも知れません。
しかし、貴女は弟の事を道具としか思っていなかったようですね。つまりはそう言う事です。
まあ、真に大事な者を生贄に捧げたところで、私に命令できたかどうかは分かりませんけどね。貴女の弟は無駄死にです」
あっと、そうだ急いで弟君を回復しないと。弟君って言ってるけど、年上なんだよね。精神年齢はともかく物理的には。
透明なまま、弟君に近づき【回復魔法】を使う。ナイフで刺された傷がみるみる塞がり、苦しそうにしていた顔は穏やかになる。間に合ったみたいでよかった。
《マスターの【回復魔法】なら心臓が止まっていても数分以内なら動き出しますけどね》
あ、やっぱりそうなのか・・・。
「さて、ミーナよ。もう言い逃れもできないぞ。
まさか弟を犠牲にして悪魔まで召喚するとは・・・。王族として恥ずかしくないのか!」
王様のその言葉に、ついにミーナ王女は膝から崩れ落ちたのだった。弟君、生きてるからね?
こうして、王都の争乱はあらかた片付いた。まあ、王様たちは後始末でここからが本番なんだろうけど。
そう言えば、狂暴化した魔物たちはどうやってもとに戻そうかな。
ミーナ王女はそう言いながら、懐から1本のナイフを取り出した。真っ黒な刀身に禍々しいオーラを纏ったナイフだ。何だアレ? イヤな【予感】がするなぁ。
《確認しました。あれは悪魔を召喚するアイテムです。勇者召喚のアイテム同様、例の自称神様が作った物のようです》
【サポーター】さんありがとうございます。あの自称神様何を考えてるんだろう? 勇者召喚と一緒に悪魔召喚のアイテムまで作ってるなんて。
「ミーナ姉さん? それは初めて見るけど、一体・・・?」
今までずっと後ろで見ていた取り巻きの弟(リーナさんからしたら兄)が問いかける。
「ああ、これも宝物庫で見つけた最後の手段。
勇者ではないけど頼りになる味方を召喚できるアイテムよ。
手に持った時に、使い方も頭に入ってきたわ。・・・こうするの!」
ミーナ王女は俺が止める間もなく、弟の胸にナイフを突き立てた。
「ね、姉さん・・・。何を・・・」
「さあ、悪魔よ! 生贄は捧げたわ。顕現しなさい!」
そう叫ぶと、弟君(名前は知らない)を中心に魔法陣が展開した。
《どうやら、生贄を捧げる事で強力な悪魔を召喚し、1つだけ願いを叶えて貰えるアイテムですね》
おう、それを先に教えて欲しかった。そしたらナイフを刺される前に止められたかも知れないのに。
《大丈夫です。即死ではないようなので後で助けられます。生贄と言いつつ、ある程度の血を捧げる事で発動するようです》
ええ? それ良いのかな? 確かに治せるかもしれないけど、痛いよね? かわいそ・・・うでもないか。今回の首謀者の1人でした。すっとリーナさんをいじめてたらしいしね。
なんて考えている間に魔法陣は大きくなり光り輝く。
「ま、眩しいっ!」
誰が叫んだか分からないが、誰ともなくそう叫んだ。そして次の瞬間、弟君の前に1体の悪魔が現れる。
「「「・・・・・・」」」
こちらサイドのメンバーはその姿を見て言葉を失った。だって、どう見ても・・・。
「初めまして。私の名はアクモン。偉大なるお方に使えるアークデーモンです」
アクモンでした。え? やばい? アクモンに1つお願いができちゃうの? て言うか、アクモンレベルの悪魔が召喚できるとか、そのナイフヤバいよね。
《どうやら、一定以上の強さの悪魔の内、一番近くにいる者を召喚するアイテムのようですね。
近ければ近いほど、強い悪魔でも召喚できるようです》
なるほど、そりゃあアクモン一択だよね。
「よく来たわね! 早速命令よ! そこに居る奴らを皆殺しにしなさい! 私以外の人間全てよ!」
「ちょ、ちょっと! お姉さま!?」
自分以外の全ての人間を殺せと言われて、ナイフで刺されなかった方の取り巻き、妹の方が抗議している。と言うか、弟君が刺されてる時点で自分たちは切り捨てられてる事に気付こうよ。
「貴女の願いは、この場の人間を全て抹殺する事で良いのですね」
「そうよ! さあ、早くやりなさい!」
「畏まりました」
ヤバい。どうやって止めよう。出来るだけ傷付けたくはないし・・・。ガルムを総動員して動きを止めるか!?
「・・・何て言うと思いましたか?」
「「え?」」
俺とミーナ女王のセリフが被った。まあ、俺は姿を消していて、声も聞こえないようにしてるけど。
「私は偉大なる方に仕えています。その方とは魂のレベルで繋がっているのです。
そのようなアイテムで召喚された所で、私を支配する事などできません!」
どうやら従魔契約は召喚アイテムより強力なようです。
「え? え? 私は弟を犠牲にしてあなたを召喚したのよ!? それなのに私の命令が聞けないの?」
「貴女は弟を犠牲にした事を何とも思っていないでしょう? そのナイフの説明をちゃんと確認しなかったのですか?」
何だろう? 何か条件でもあったのかな?
「ちゃんと分かってるわ! 自分の大事な人を1人生贄に捧げろって。だから私は弟を犠牲にしたのよ」
「貴女が真に弟の事を大事に思っていたのなら、もしかしたら万に1つでも私に命令する事ができたかも知れません。
しかし、貴女は弟の事を道具としか思っていなかったようですね。つまりはそう言う事です。
まあ、真に大事な者を生贄に捧げたところで、私に命令できたかどうかは分かりませんけどね。貴女の弟は無駄死にです」
あっと、そうだ急いで弟君を回復しないと。弟君って言ってるけど、年上なんだよね。精神年齢はともかく物理的には。
透明なまま、弟君に近づき【回復魔法】を使う。ナイフで刺された傷がみるみる塞がり、苦しそうにしていた顔は穏やかになる。間に合ったみたいでよかった。
《マスターの【回復魔法】なら心臓が止まっていても数分以内なら動き出しますけどね》
あ、やっぱりそうなのか・・・。
「さて、ミーナよ。もう言い逃れもできないぞ。
まさか弟を犠牲にして悪魔まで召喚するとは・・・。王族として恥ずかしくないのか!」
王様のその言葉に、ついにミーナ王女は膝から崩れ落ちたのだった。弟君、生きてるからね?
こうして、王都の争乱はあらかた片付いた。まあ、王様たちは後始末でここからが本番なんだろうけど。
そう言えば、狂暴化した魔物たちはどうやってもとに戻そうかな。
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