NPCのストーカーの件について

草薙翼

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露天風呂

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屋根付きの大きな露天風呂。
天然温泉が湧き出ていてリラックス効果抜群。
それに夜景が幻想的だ。

忘幻の森が見える絶景ポイントがウリなのかもしれない。

そして忘幻の森に向かう人影………人影?

勢いで立ち上がり、水面が大きく脈打つ。

な、な、な…

「なんで一人で行ってんだぁぁぁぁ!!!???」

急いで脱衣所に戻り、服を着て魔法陣に乗りエルフの滝の泉を出た。
ゼロのところに行く時間はない、早く彼を連れて帰らなければ…今の森はとても危険だ。
冷たい風に湯冷めして身体を震わせながら進む。

早く着いたからか入り口のすぐ先に少年はいた。

俺はそのまま魔法陣から降りて少年に飛び蹴りを食らわした。
これしか止められないんだ、許せ。

「ぶぶっ!!」

「明日って言っただろうが!!夜の森は危険なんだよ!!」

久々にこんなにキレたかもしれない、ゼロにもこんなにムカついた事ないかも…
やっぱり命が掛かってるからだろうな。

倒れこむ少年を引きずり森の外に出ようとしたら少年は立ち上がり微動だにしなくなった。
…反抗期か?
俺とあまり変わらない身長に多分俺の方がレベルが高いから俺の方が力ある筈なのになんで動かないんだ!
少ししたら俺が疲れてしまい荒い息を吐いて少年から手を離す。

「明日じゃダメなんだ」

「明日の夜でもいいんじゃないのか?」

忘幻の森は正直入った事はないから知らないが同じだと思う。
明日ならゼロもいるし、今日は疲れてるから遠慮したい。

数年に一回生える高レア素材でもあるまいし…蛍草はそんなレアな素材ではないと思うけど…
早く思い出してほしいのは分かるけど焦りは禁物だぞ?

でも少年は頑なに首を横に振る。
他に今日じゃないといけない理由なんてあるか?

「明日の夜…結婚式をするってリーフリードが…」

「えっ!?」

「お客さんが来てるから祝ってもらおうって…」

ぐすぐす泣く少年にどうしたらいいのか、この場合の慰め方が思いつかない。
少年は「俺じゃないのに…」と呟いていた。
なるほど、だから今日の夜しかないのか…
俺達のせいか、なんか…ごめん。

でも万全の準備もしてないし、そんな中忘幻の森を歩くのは危険だ。
せめて一度帰ってゼロを連れてくれば安心出来る、もう寝てたらゼロは諦めるしかないが…ちょっとゼロの装備品を借りればなんとかなる。

「とりあえず今は帰ろ」

「…っ、それは…」

「帰って装備を整えたらまた戻って来よう」

渋々だが少年は頷いた。
そして森を出ようと入り口を見た。

あれ?なんで入り口が植物の枝で塞がってんの?
少年は俺の後ろを見て顔を青くした。
振り返りたくないが、振り返って後悔。

頭にラフレシアを乗せた巨大な木がそこにはいた。
きっと忘幻の森のボスだろう。

帰りたい…でも帰れない。

少年は持っていた木製の弓を取り出して矢を射る。
パキッと矢が木にぶつかり折れた。
そりゃあ木製の弓って、普通に素手でも折れそうだし…せめて鉄製が良かった。

これって、大ピンチ?
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