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命よりも大切な人
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ガサガサと草むらを進むなにかを見て、動けなくなった。
それは恐怖とかではなく、強烈なにおいで身体が痺れてくる。
魚だ、泥を引きずりながら俺達に近付いてきていて逃げようにも逃げられない。
気を失いそうになるが、それは何とか気合いで意識を保つ。
泥を周りに撒き散らしながら、魚が飛んできて少年を一瞬で飲み込んだ。
そしてそのまま物凄いスピードで陸を自由に引きずって走り去った。
魚がいなくなった事により、においは強烈だが身体の痺れはなくなった。
急いで魚を追いかける、泥を辿れば必ず魚に追いつく筈だ。
泥に滑りそうになりながらも走ると、魚の尾びれが見えた。
腕を伸ばすと、だんだん距離が短くなり後一歩のところで掴めず魚は沼の中に飛び込んだ。
後ずさってしまいそうだが、助けないと…覚悟を決めて沼の中に飛び込もうとした。
誰かに肩を掴まれて、後ろを振り返る前に沼の中に誰かが飛び込んだ。
一瞬しか見えなかったが、リーフリード様のように見えた。
きっと少年を探しにきたんだろう、魚を追いかけているという事は魚に少年が飲まれたところを目撃したのかもしれない。
リーフリード様には、一ミリも迷いがない飛び込みだった。
いくらエルフ族とはいえ、この沼のにおいは強烈なものだ。
いくら記憶喪失だとしても、そこまでして助けるのだろうか。
この沼に落ちたら泥の中、窒息するかもしれない。
それでも少年を助けようとしている、俺からしたら過去とかより今の彼に惚れているように見える。
…って、そんな事思ってる場合じゃない…俺は助けを呼ばないと…
俺まで行ったら足手まといになるのは分かってる。
だったら助けてくれそうな人を呼んだ方がいい、悔しいけど今の俺はそれしか出来ない。
俺が知っている強い奴、そんなの一人しか知らない。
「ゼロに会いに行かなきゃ…」
ゼロはまだエルフの国にいる、ここからだと時間が掛かり過ぎる。
どうしようかと思っていたら、少し離れた場所から爆発音が聞こえた。
まだこの森になにかあるのか?何なのか分からないが、なにかが起こっている事くらい分かる。
でも、今の俺は少年とリーフリード様を助ける事を最優先に考える。
自分の足元を見ると、影が不自然に揺れているのが見えた。
もしかして、ゼロの影と繋がる事が出来るかもしれない。
俺の影にゼロの影がくっついていたんだ、影騎士なら俺の影もゼロに送る事が出来るかもしれない。
地面にしゃがんで、揺れている俺の影に触れた。
「ゼロに助けを…って、うわっ!!」
ゼロの影と繋がる方法は分からないが、必死に頭の中でゼロの影を思い出す。
地面に触れていた筈なのに、沼に沈むように影の中に腕が沈んでいく。
ズブズブと沈み、必死にもがいても引き上げる事が出来ない。
それどころか、なにかに引っ張られているようだ。
俺では引っ張る力に何も出来ず、頬まで沈み掛かっていた。
全部沈まないように、踏ん張り…俺を呑み込もうとしている影に向かって叫んだ。
「いい加減にしろ!ゼロッ!!」
引っ張る力がなくなり、腕を引き上げると俺の腕を掴む手まで見えた。
どんどん手、腕、頭と影から出てきて自分で地面から這い上がっていた。
口を開けて呆然とする俺に、覆い被さってきた。
「何やってんだ!こんな時に!!」
「…影にやらしく触ってたからOKなのかと」
「何の話だよ、ゼロ」
影から出てきたのはゼロで、相変わらず訳の分からない事を言っている。
自分の影を見たら、いつの間にかゼロの影に喰われていた。
人の影をもぐもぐするんじゃねぇ!!
ゼロの服を見ていると、あちこち服がボロボロで焦げている。
ゼロも呑気にエルフの国にいたわけじゃなく、戦ってたのか。
ゼロの話も聞いてみたいが、今はそんな事より少年達を助けないと…
少ししか時間は経っていないが、ほんの少しの時間でも命取りになる。
まだ浮き上がる気配がなく、沼に近付くとゼロに鼻と口を手で覆われた。
「…臭いな、ツカサは近付いちゃダメだ」
「そんな事言ってる場合じゃなくて!人間の子が沼の主に喰われてエルフの王様が助けにっ」
「大丈夫だろ」
「そんな薄情な事っ!!」
「この森はエルフにとって庭のようなものだ、アイツもそれを分かってるだろ」
「アイツ?」
ゼロの手を外して、そう言うと全く慌てる様子もなくそう言った。
いつの間に仲良くなったんだ?似てる気もするから気が合うのかもな。
ゼロはああ言ったが、俺は不安でしかない。
こんなところで待っていられず、ゼロにももう頼らず一人で飛び込もうとしたらゼロと影ゼロに引き止められた。
それは恐怖とかではなく、強烈なにおいで身体が痺れてくる。
魚だ、泥を引きずりながら俺達に近付いてきていて逃げようにも逃げられない。
気を失いそうになるが、それは何とか気合いで意識を保つ。
泥を周りに撒き散らしながら、魚が飛んできて少年を一瞬で飲み込んだ。
そしてそのまま物凄いスピードで陸を自由に引きずって走り去った。
魚がいなくなった事により、においは強烈だが身体の痺れはなくなった。
急いで魚を追いかける、泥を辿れば必ず魚に追いつく筈だ。
泥に滑りそうになりながらも走ると、魚の尾びれが見えた。
腕を伸ばすと、だんだん距離が短くなり後一歩のところで掴めず魚は沼の中に飛び込んだ。
後ずさってしまいそうだが、助けないと…覚悟を決めて沼の中に飛び込もうとした。
誰かに肩を掴まれて、後ろを振り返る前に沼の中に誰かが飛び込んだ。
一瞬しか見えなかったが、リーフリード様のように見えた。
きっと少年を探しにきたんだろう、魚を追いかけているという事は魚に少年が飲まれたところを目撃したのかもしれない。
リーフリード様には、一ミリも迷いがない飛び込みだった。
いくらエルフ族とはいえ、この沼のにおいは強烈なものだ。
いくら記憶喪失だとしても、そこまでして助けるのだろうか。
この沼に落ちたら泥の中、窒息するかもしれない。
それでも少年を助けようとしている、俺からしたら過去とかより今の彼に惚れているように見える。
…って、そんな事思ってる場合じゃない…俺は助けを呼ばないと…
俺まで行ったら足手まといになるのは分かってる。
だったら助けてくれそうな人を呼んだ方がいい、悔しいけど今の俺はそれしか出来ない。
俺が知っている強い奴、そんなの一人しか知らない。
「ゼロに会いに行かなきゃ…」
ゼロはまだエルフの国にいる、ここからだと時間が掛かり過ぎる。
どうしようかと思っていたら、少し離れた場所から爆発音が聞こえた。
まだこの森になにかあるのか?何なのか分からないが、なにかが起こっている事くらい分かる。
でも、今の俺は少年とリーフリード様を助ける事を最優先に考える。
自分の足元を見ると、影が不自然に揺れているのが見えた。
もしかして、ゼロの影と繋がる事が出来るかもしれない。
俺の影にゼロの影がくっついていたんだ、影騎士なら俺の影もゼロに送る事が出来るかもしれない。
地面にしゃがんで、揺れている俺の影に触れた。
「ゼロに助けを…って、うわっ!!」
ゼロの影と繋がる方法は分からないが、必死に頭の中でゼロの影を思い出す。
地面に触れていた筈なのに、沼に沈むように影の中に腕が沈んでいく。
ズブズブと沈み、必死にもがいても引き上げる事が出来ない。
それどころか、なにかに引っ張られているようだ。
俺では引っ張る力に何も出来ず、頬まで沈み掛かっていた。
全部沈まないように、踏ん張り…俺を呑み込もうとしている影に向かって叫んだ。
「いい加減にしろ!ゼロッ!!」
引っ張る力がなくなり、腕を引き上げると俺の腕を掴む手まで見えた。
どんどん手、腕、頭と影から出てきて自分で地面から這い上がっていた。
口を開けて呆然とする俺に、覆い被さってきた。
「何やってんだ!こんな時に!!」
「…影にやらしく触ってたからOKなのかと」
「何の話だよ、ゼロ」
影から出てきたのはゼロで、相変わらず訳の分からない事を言っている。
自分の影を見たら、いつの間にかゼロの影に喰われていた。
人の影をもぐもぐするんじゃねぇ!!
ゼロの服を見ていると、あちこち服がボロボロで焦げている。
ゼロも呑気にエルフの国にいたわけじゃなく、戦ってたのか。
ゼロの話も聞いてみたいが、今はそんな事より少年達を助けないと…
少ししか時間は経っていないが、ほんの少しの時間でも命取りになる。
まだ浮き上がる気配がなく、沼に近付くとゼロに鼻と口を手で覆われた。
「…臭いな、ツカサは近付いちゃダメだ」
「そんな事言ってる場合じゃなくて!人間の子が沼の主に喰われてエルフの王様が助けにっ」
「大丈夫だろ」
「そんな薄情な事っ!!」
「この森はエルフにとって庭のようなものだ、アイツもそれを分かってるだろ」
「アイツ?」
ゼロの手を外して、そう言うと全く慌てる様子もなくそう言った。
いつの間に仲良くなったんだ?似てる気もするから気が合うのかもな。
ゼロはああ言ったが、俺は不安でしかない。
こんなところで待っていられず、ゼロにももう頼らず一人で飛び込もうとしたらゼロと影ゼロに引き止められた。
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