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淫魔と感情
01
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「……あ」
夕方のスーパーで、ルシカは下校中の真幸と遭遇した。
真幸はバツが悪そうに一瞬下を向く。
「……元気そうで、安心したよ」
ルシカはそう言うと、小さく笑みを浮かべた。
「不便な事はあらへんからな……」
真幸がそう言うと、ルシカはそっかと呟いた。
「ルシカっ!!これも買って行くのじゃっ!!」
ルシカの背後から、エルドラがマムシドリンクの瓶を両手に抱えてカートの中に入れた。
「滋養強壮に良いと聞いた」
ルシカは瓶を一本手に取ると、それを見つめた。
「これで弱ったヨゾラも元気になるじゃろう!」
エルドラは、何かをやり遂げた様に瞳を輝かせた。
「……それ、確かに滋養強壮にはえぇねんけど、病人に飲ますもんちゃうで。どっちか言うたら姫神兄さんに飲ませるもんや」
真幸は呆れ気味でそう言った。
ルシカは目を丸くした。
「んなもん飲んだ日には興奮して兄さんの身体が壊れてまうかもなー」
次いでそう言うと、ルシカの顔が真っ赤になる。
「あ、お前はヨゾラを捨てたニンゲンでは無いか」
エルドラは真幸を見ると眉間に皺を寄せそう言った。
「……人聞きの悪い事言うなや」
「間違った事は言うてはおらん。ヨゾラが倒れたのも、お前が絡んどるやもしれんからのう」
「……エルドラさん。……真幸君は関係ないよ」
ルシカは俯くと、ボソッと呟く。
「ヨゾラは……」
俯いたルシカに真幸が目線を向けた。
「……そない良くないんか?」
「……」
「クラスの奴等、心配しとる……」
「……真幸君は心配じゃないんだ」
「俺は……」
真幸は目を伏せた。
どう答えるべきか迷う。
「真幸?」
真幸の背後から唐島が呼んだ。
ルシカと唐島の目が合った。
唐島はニッコリと笑顔を見せる。
「お久しぶりです、浅霧のお兄さん」
そうルシカに声を掛けた。
あぁ、とルシカは困った様に笑った。
「浅霧の様子は常磐先輩から聞いています。まだ熱が下がらないとか」
唐島から出た常磐の名前に、真幸は一瞬コメカミがピクっとなった。
「まぁ、いつも門前払いって聞いてますが……」
「……朝と夕方は楼依が来てくれているから。エルドラさんも居るし」
ルシカはエルドラをチラッと見た。
エルドラは胸を張った。
「こやつらの曾婆ちゃんじゃ。俗に言う美魔女って奴かの」
美魔女にしても幼すぎやしないか、と誰もが思ったが、エルドラの気分を損ねる訳には行かなかった。
「それなら浅霧も心強いね。俺達が心配しなくても大丈夫そう」
唐島はそう言うと、真幸の腕を取った。
真幸は無言で唐島の腕を振り解いた。
「……ゴメンな、心配掛けて。俺達が居るから大丈夫だ」
ルシカはそう言った。
「お主らは付き合っておるのか?私はてっきりヨゾラと……」
「エルドラさん」
ルシカがエルドラを遮った。
「押し付けはダメだよ……」
ルシカはエルドラの服の裾を掴んだ。
「俺や兄さんと違って、選択肢はあるんだ。もちろん、真幸君にもね……。だから……」
「ルシカ、お主らは間違っておると思うておるのか?」
「俺も兄さんも間違ってるとは思ってない。でも、ヨゾラ達は違う」
「……ふむ」
エルドラは顎に手を添えると、真幸と唐島を見た。
「お前達は愛し合うておるのか?」
恥ずかしげもなく、エルドラが聞いた。
ルシカは顔を真っ赤にしながらエルドラの服を引っ張った。
「そんなんちゃう「そうっ!付き合い出したんだっ!!」」
真幸の言葉を遮る様に、唐島が慌てて声を上げた。
ルシカは目を丸くした。
「お前何言うてっ!」
「真幸は照れ屋だから。つい、否定しちゃうんだよ」
唐島は真幸の腕にしがみついた。
ルシカの手がエルドラから離れた。
「……そっか」
「せやから……」
「それなら仲良くしねぇとな。エルドラさん、さっさと買い物しよ?仕事行く前に楼依に飯も食わせたいし」
ルシカは笑顔を振り撒くと、買い物カートを押してその場を去った。
エルドラはその後ろ姿を見ると、一息着いた。
「それならば、話しても仕方がない事じゃが」
「俺らはそう言う関係やないねん……」
「ヨゾラの熱は下がらぬままじゃ。カグヤもルシカも……、熱が出たと聞く」
エルドラの言葉に、真幸は眉間に皺を寄せた。
「……それでも、こっそりと何かを調べとるみたいじゃな」
「そないな事……」
「ふむ……。常磐とやらに任せて見るかの。ジジィからヨゾラを助けた時は男らしいと思うたのじゃが……、熱が下がらねば致し方あるまい」
何の話をしているか分からない唐島は、ギュッと真幸の腕に力を入れた。
「関係ない事を話して悪かったの」
エルドラはニッコリと笑みを見せた。
「腑に落ちぬなら、いろいろと試すしかなかろう。お前もヨゾラも」
「試すて……」
「お前は気にする必要は無いじゃろ?恋人に悪い」
エルドラの笑みは唐島に向けられた。
「身体からの愛もあるじゃろうて。……私も行こうとするかの。ルシカに怒られてしまうわ」
そう言い残すと、エルドラはお菓子コーナーへスキップで向かった。
真幸は舌打ちをする。
「いつまで掴んどる気や……」
不機嫌に真幸は言うと、唐島はゆっくりと腕を離した。
「浅霧には常磐先輩が居るんだ……。もう、心配はないだろう……?」
「あの人が本気や思うな」
真幸は何も買わず、スーパーの出入口に向かった。
「……分からないじゃん」
肩を落としながら、唐島も着いて歩いた。
「熱が出たから学校休むって、……逃げたんじゃないの?真幸と顔合わせたくないから……」
「お前らが余計な事言わへんかったらこないならへんかった」
自動ドアが開く。
真幸はさっさと店を出た。
「真幸が、浅霧のとこに居たからだろ……」
「兄さんに拾われた言うたやろ」
松葉杖を付いて歩くにも、ペースが早い。
「……俺はやっぱりお前に信用されてへんな」
「……え?」
「そんで、仮にお前を好きになって俺と付き合って……、俺はどーなるん?」
真幸は立ち止まると、振り返った。
「お前の言う通りにしとればえぇん?」
「そんな事ないよ。したい事あれば、俺も一緒にするし……。口ばかり否定するよりさ、……もう少し考えてくれよ……」
「……」
真幸は黙り込んだ。
言われてみれば、唐島から気持ちを打ち明けられてから否定的な態度しか取っていない。
いくら唐島に気持ちが無くても、考え直そうともしなかった。
やっている事は許せないにしろ、友達に戻る努力すらしてない。
唐島がやたらにヨゾラや周囲を敵視するのは、自分のせいではないだろうか。
「真幸はお金稼ぐのに好きでも無い女としてたならさ、……俺でも良いじゃん」
唐島の言葉に、真幸は頭を掻いた。
確かに金の為にしていた。
それと同等で良いと、唐島は言って居るのだろうか。
それとも何か、腹黒い事でも考えて居るのだろうか。
もし、交わったとして何か変わるのだろうか。
「……浅霧だって思ってもいいよ」
その言葉に、真幸のコメカミがピクっと動いた。
「ヨゾラをそう言う目で見た事ないんやけど」
「……嘘だろ」
「ホンマや……。言うても俺の事は信用してへんもんな……」
真幸は溜息を吐くと再び歩き出した。
ヨゾラの事は、性的な意味で見た事は無い。
ただ、老人にしろ常磐にしろヨゾラが不本意なら仕方なしでも嫌だったのはあった。
ヨゾラからキスをされた時は、不意打ち過ぎて驚きが先だった。
唐島もそうだ。
二人とも不意打ちだったから、どっちがどっちとも言えない。
では、もし老人に襲われたのが唐島だったら、助けようとしただろうか。
崖からヨゾラと唐島が落ちかけていたら、どっちに手を伸ばすだろうか。
少し前なら、ヨゾラに伸ばした筈だ。
しかし、もう少し考えてと言われたら、ぶっちゃけ悩む。
そして、ヨゾラが学校を休んで居るのも気にしていない訳では無い。
熱が下がらないと聞けば、心配も増える。
魔族だから病院に行けないのも。
(……魔族やから)
その秘密を共有しているのに、優越感があったのかも知れないが。
カグヤもルシカも熱が下がらなかった、と言っていたエルドラの言葉が頭を過った。
(まさか……)
胸の奥がザワザワする。
(……でも、俺は何も出来へん)
何も出来ないのはお互い様と、言い聞かせながら人混みを歩く。
イライラもするし、モヤモヤもする。
ルシカから連絡はあったが、ヨゾラからは無かった。
もし、連絡の一つでもあったら……。
とは思っても、ヨゾラが悪い訳では無い。
謝れと言うのは違う。
謝って欲しい訳でも無い。
ヨゾラがどうして良いか、自分以上に分からないのも分かって居た筈なのに、常磐が居た事で頭が一気にパンクして、逃げたのは自分だと言うのも分かっている。
かと言って、どの面下げてヨゾラに会えば良いか分からない。
いっそうこのままの距離でもいいんじゃないか、と思う程。
面倒臭い。
どうでも良い。
脚はくれてやったと思えば良い。
(他人と付き合うなんて面倒や……)
そう思い込まそうと、真幸はただ無言で歩いた。
夕方のスーパーで、ルシカは下校中の真幸と遭遇した。
真幸はバツが悪そうに一瞬下を向く。
「……元気そうで、安心したよ」
ルシカはそう言うと、小さく笑みを浮かべた。
「不便な事はあらへんからな……」
真幸がそう言うと、ルシカはそっかと呟いた。
「ルシカっ!!これも買って行くのじゃっ!!」
ルシカの背後から、エルドラがマムシドリンクの瓶を両手に抱えてカートの中に入れた。
「滋養強壮に良いと聞いた」
ルシカは瓶を一本手に取ると、それを見つめた。
「これで弱ったヨゾラも元気になるじゃろう!」
エルドラは、何かをやり遂げた様に瞳を輝かせた。
「……それ、確かに滋養強壮にはえぇねんけど、病人に飲ますもんちゃうで。どっちか言うたら姫神兄さんに飲ませるもんや」
真幸は呆れ気味でそう言った。
ルシカは目を丸くした。
「んなもん飲んだ日には興奮して兄さんの身体が壊れてまうかもなー」
次いでそう言うと、ルシカの顔が真っ赤になる。
「あ、お前はヨゾラを捨てたニンゲンでは無いか」
エルドラは真幸を見ると眉間に皺を寄せそう言った。
「……人聞きの悪い事言うなや」
「間違った事は言うてはおらん。ヨゾラが倒れたのも、お前が絡んどるやもしれんからのう」
「……エルドラさん。……真幸君は関係ないよ」
ルシカは俯くと、ボソッと呟く。
「ヨゾラは……」
俯いたルシカに真幸が目線を向けた。
「……そない良くないんか?」
「……」
「クラスの奴等、心配しとる……」
「……真幸君は心配じゃないんだ」
「俺は……」
真幸は目を伏せた。
どう答えるべきか迷う。
「真幸?」
真幸の背後から唐島が呼んだ。
ルシカと唐島の目が合った。
唐島はニッコリと笑顔を見せる。
「お久しぶりです、浅霧のお兄さん」
そうルシカに声を掛けた。
あぁ、とルシカは困った様に笑った。
「浅霧の様子は常磐先輩から聞いています。まだ熱が下がらないとか」
唐島から出た常磐の名前に、真幸は一瞬コメカミがピクっとなった。
「まぁ、いつも門前払いって聞いてますが……」
「……朝と夕方は楼依が来てくれているから。エルドラさんも居るし」
ルシカはエルドラをチラッと見た。
エルドラは胸を張った。
「こやつらの曾婆ちゃんじゃ。俗に言う美魔女って奴かの」
美魔女にしても幼すぎやしないか、と誰もが思ったが、エルドラの気分を損ねる訳には行かなかった。
「それなら浅霧も心強いね。俺達が心配しなくても大丈夫そう」
唐島はそう言うと、真幸の腕を取った。
真幸は無言で唐島の腕を振り解いた。
「……ゴメンな、心配掛けて。俺達が居るから大丈夫だ」
ルシカはそう言った。
「お主らは付き合っておるのか?私はてっきりヨゾラと……」
「エルドラさん」
ルシカがエルドラを遮った。
「押し付けはダメだよ……」
ルシカはエルドラの服の裾を掴んだ。
「俺や兄さんと違って、選択肢はあるんだ。もちろん、真幸君にもね……。だから……」
「ルシカ、お主らは間違っておると思うておるのか?」
「俺も兄さんも間違ってるとは思ってない。でも、ヨゾラ達は違う」
「……ふむ」
エルドラは顎に手を添えると、真幸と唐島を見た。
「お前達は愛し合うておるのか?」
恥ずかしげもなく、エルドラが聞いた。
ルシカは顔を真っ赤にしながらエルドラの服を引っ張った。
「そんなんちゃう「そうっ!付き合い出したんだっ!!」」
真幸の言葉を遮る様に、唐島が慌てて声を上げた。
ルシカは目を丸くした。
「お前何言うてっ!」
「真幸は照れ屋だから。つい、否定しちゃうんだよ」
唐島は真幸の腕にしがみついた。
ルシカの手がエルドラから離れた。
「……そっか」
「せやから……」
「それなら仲良くしねぇとな。エルドラさん、さっさと買い物しよ?仕事行く前に楼依に飯も食わせたいし」
ルシカは笑顔を振り撒くと、買い物カートを押してその場を去った。
エルドラはその後ろ姿を見ると、一息着いた。
「それならば、話しても仕方がない事じゃが」
「俺らはそう言う関係やないねん……」
「ヨゾラの熱は下がらぬままじゃ。カグヤもルシカも……、熱が出たと聞く」
エルドラの言葉に、真幸は眉間に皺を寄せた。
「……それでも、こっそりと何かを調べとるみたいじゃな」
「そないな事……」
「ふむ……。常磐とやらに任せて見るかの。ジジィからヨゾラを助けた時は男らしいと思うたのじゃが……、熱が下がらねば致し方あるまい」
何の話をしているか分からない唐島は、ギュッと真幸の腕に力を入れた。
「関係ない事を話して悪かったの」
エルドラはニッコリと笑みを見せた。
「腑に落ちぬなら、いろいろと試すしかなかろう。お前もヨゾラも」
「試すて……」
「お前は気にする必要は無いじゃろ?恋人に悪い」
エルドラの笑みは唐島に向けられた。
「身体からの愛もあるじゃろうて。……私も行こうとするかの。ルシカに怒られてしまうわ」
そう言い残すと、エルドラはお菓子コーナーへスキップで向かった。
真幸は舌打ちをする。
「いつまで掴んどる気や……」
不機嫌に真幸は言うと、唐島はゆっくりと腕を離した。
「浅霧には常磐先輩が居るんだ……。もう、心配はないだろう……?」
「あの人が本気や思うな」
真幸は何も買わず、スーパーの出入口に向かった。
「……分からないじゃん」
肩を落としながら、唐島も着いて歩いた。
「熱が出たから学校休むって、……逃げたんじゃないの?真幸と顔合わせたくないから……」
「お前らが余計な事言わへんかったらこないならへんかった」
自動ドアが開く。
真幸はさっさと店を出た。
「真幸が、浅霧のとこに居たからだろ……」
「兄さんに拾われた言うたやろ」
松葉杖を付いて歩くにも、ペースが早い。
「……俺はやっぱりお前に信用されてへんな」
「……え?」
「そんで、仮にお前を好きになって俺と付き合って……、俺はどーなるん?」
真幸は立ち止まると、振り返った。
「お前の言う通りにしとればえぇん?」
「そんな事ないよ。したい事あれば、俺も一緒にするし……。口ばかり否定するよりさ、……もう少し考えてくれよ……」
「……」
真幸は黙り込んだ。
言われてみれば、唐島から気持ちを打ち明けられてから否定的な態度しか取っていない。
いくら唐島に気持ちが無くても、考え直そうともしなかった。
やっている事は許せないにしろ、友達に戻る努力すらしてない。
唐島がやたらにヨゾラや周囲を敵視するのは、自分のせいではないだろうか。
「真幸はお金稼ぐのに好きでも無い女としてたならさ、……俺でも良いじゃん」
唐島の言葉に、真幸は頭を掻いた。
確かに金の為にしていた。
それと同等で良いと、唐島は言って居るのだろうか。
それとも何か、腹黒い事でも考えて居るのだろうか。
もし、交わったとして何か変わるのだろうか。
「……浅霧だって思ってもいいよ」
その言葉に、真幸のコメカミがピクっと動いた。
「ヨゾラをそう言う目で見た事ないんやけど」
「……嘘だろ」
「ホンマや……。言うても俺の事は信用してへんもんな……」
真幸は溜息を吐くと再び歩き出した。
ヨゾラの事は、性的な意味で見た事は無い。
ただ、老人にしろ常磐にしろヨゾラが不本意なら仕方なしでも嫌だったのはあった。
ヨゾラからキスをされた時は、不意打ち過ぎて驚きが先だった。
唐島もそうだ。
二人とも不意打ちだったから、どっちがどっちとも言えない。
では、もし老人に襲われたのが唐島だったら、助けようとしただろうか。
崖からヨゾラと唐島が落ちかけていたら、どっちに手を伸ばすだろうか。
少し前なら、ヨゾラに伸ばした筈だ。
しかし、もう少し考えてと言われたら、ぶっちゃけ悩む。
そして、ヨゾラが学校を休んで居るのも気にしていない訳では無い。
熱が下がらないと聞けば、心配も増える。
魔族だから病院に行けないのも。
(……魔族やから)
その秘密を共有しているのに、優越感があったのかも知れないが。
カグヤもルシカも熱が下がらなかった、と言っていたエルドラの言葉が頭を過った。
(まさか……)
胸の奥がザワザワする。
(……でも、俺は何も出来へん)
何も出来ないのはお互い様と、言い聞かせながら人混みを歩く。
イライラもするし、モヤモヤもする。
ルシカから連絡はあったが、ヨゾラからは無かった。
もし、連絡の一つでもあったら……。
とは思っても、ヨゾラが悪い訳では無い。
謝れと言うのは違う。
謝って欲しい訳でも無い。
ヨゾラがどうして良いか、自分以上に分からないのも分かって居た筈なのに、常磐が居た事で頭が一気にパンクして、逃げたのは自分だと言うのも分かっている。
かと言って、どの面下げてヨゾラに会えば良いか分からない。
いっそうこのままの距離でもいいんじゃないか、と思う程。
面倒臭い。
どうでも良い。
脚はくれてやったと思えば良い。
(他人と付き合うなんて面倒や……)
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