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―― 本編 ――
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どんどん行永の顔が近づいてくる。唖然としているうちに、俺は掠め取るように唇にキスをされた。瞬間、初めてのキスにドキリとしてしまって、俺は行永を押し返そうとした。だが手首を逆に掴まれて、引き寄せられる。そして抱きすくめられた。耳元に吐息が触れる。
「お願いだ。砂原くんにどうしても癒やしてほしいんだよ。今、すごく僕は、辛いんだ」
悲しげな声に、俺はギュッと目を閉じる。
「……本当に、俺で慰められるの、か?」
「ああ。きみ以外には無理だ」
俺は目を開けて、行永を見上げた。すると切ない目をして笑っていた。
――俺の部屋に、行永が入って、それですぐに俺は寝台に押し倒された。膝を折ってうつ伏せになるように言われて、行永が持ってきたローションを指につけて、ずっと俺の後孔を解している。くちゅりくちゅりと卑猥な音がして、俺の鼓動はドキドキと煩い。
「んぅ」
時々、知識としては知っている前立腺を、行永の指が掠める。
「ぁ、ァ……」
とんとんとそこばかりを刺激したかと思えば、指をかき混ぜるように動かしたりと、行永はじっくりと俺の中を解した。本当に、男同士で交わるのかと、俺は少し混乱していた。正直、同情で同意した。俺だったら、きっとこんな夜は悲しいと思ったからだ。でも、どんどん体が熱くなっていくと、これがSEXなのかと思いつつ呼吸に必死になってしまう。
「ぁ、ぁあ」
ぐりっと少し強めに前立腺を刺激された。
既に俺の前は勃ち上がって、ガチガチだ。先走りが垂れているのが自分でも分かる。
「挿れるよ」
「ン――っ、ぁあ! あァ!!」
行永がゴムをつけて、俺の中へと挿入した。ゆっくりと、雁首まで入ってから、行永は荒く吐息し、さらに深く進めた。あんなに慣らされていたのに、俺の中がキツキツで、行永のものに絡みつき、行永の形に広げられていくのが自覚できる。
「あっ……う、ぁァ……ああ……ンん」
「もっと声、聞かせてもらえるかな?」
「は、恥ずかし……あァ、あああ!」
「じゃあ堪えられないようにしてあげようかな」
「あ、あ、あ、あ」
行永の動きが激しくなる。俺はすぐに声を堪えられなくなり、快楽にすすり泣きながら、幾度も喘いだ。
「あ、あ、イく、っ」
「いいよ」
「あ――!!」
そのまま激しく打ち付けられた時、俺は放った。ほぼ同時に、行永も果てたようだった。
これが契機だった。
翌日の夜、行永は俺の部屋に来た。
「砂原くん、欲しいな」
「えっ……昨日だけじゃ……」
「昨日、あんまりにも可愛かったから」
俺は真っ赤になった。最初は焦って青ざめたのだが、可愛いなんて言われると、昨日の己の痴態を思い出して、赤くなるほかない。
この夜は、俺は正常位で交わるということを教えられた。
その次の夜は、行永が俺の耳朶の下に口づけると、薄く笑った。
「今日は、自分で俺の上に乗って欲しいな?」
俺は呆然とした。
だが――押し流されてしまって、断れなかった。行永の肩に手を置き、ボロボロと泣いた。
「やだぁ、ぁ、深いッ」
「もっと深く出来るけどね?」
「やぁあああ、あ、あ、あ、だめだ、やっ」
散々下から貫かれて、俺は理性を飛ばした。この頃になると、俺はもうSEXが気持ちが良い物だという認識に支配されていて、行為の前はよくないと思うのに、途中からは意識が快楽しか拾わなくなるようになっていた。
「さて、今夜は、コレ」
数日後の夜、行永はコックリングを手に笑って訪れた。
俺が怪訝に思っていると、あっさりと俺の陰茎に嵌めた行永が、俺に挿入した。
そして――最奥を激しく貫いた。
「やだやだやだ、イく、あ、イけないっ、うあ、あ、ダメ、ダメだっ、お願いだ、イかせて、イかせてくれぇ」
「中だけで、ね?」
「うあ、あ、ア……、……ッああああ!」
この日俺は、ひたすらドライを教えられた。
そんな日が続いて、三ヶ月ほどがあっさりと経過し、もう七月も終わり、八月が来た。この日は対面座位で交わっていると、部屋のドアがいきなり開いた。俺は咄嗟に理性を取り戻した。ドアを開けたのは青真くんだ。
「父さん、お金欲しい」
「ああ、抽斗の二番目のを使って構わないよ。今、忙しいから、自分で持っていって」
「ん。了解」
俺は青ざめていたが、気にせず行永は動く。俺は焦って口を両手で覆う。
青真くんはすぐに出ていった。俺の事には何も触れなかったが、俺は見られた衝撃で萎えた。しかしすぐに行永が俺の感じる場所を激しく突いたため、体が熱くなる。
「あ、あ、やっ、待ってくれ、今、見られ――」
「気にすることはないよ。青真はもう二十歳で分別がある」
「そういう問題じゃ――やぁあああ」
結局そのまま、俺は行永に抱き潰された。
「お願いだ。砂原くんにどうしても癒やしてほしいんだよ。今、すごく僕は、辛いんだ」
悲しげな声に、俺はギュッと目を閉じる。
「……本当に、俺で慰められるの、か?」
「ああ。きみ以外には無理だ」
俺は目を開けて、行永を見上げた。すると切ない目をして笑っていた。
――俺の部屋に、行永が入って、それですぐに俺は寝台に押し倒された。膝を折ってうつ伏せになるように言われて、行永が持ってきたローションを指につけて、ずっと俺の後孔を解している。くちゅりくちゅりと卑猥な音がして、俺の鼓動はドキドキと煩い。
「んぅ」
時々、知識としては知っている前立腺を、行永の指が掠める。
「ぁ、ァ……」
とんとんとそこばかりを刺激したかと思えば、指をかき混ぜるように動かしたりと、行永はじっくりと俺の中を解した。本当に、男同士で交わるのかと、俺は少し混乱していた。正直、同情で同意した。俺だったら、きっとこんな夜は悲しいと思ったからだ。でも、どんどん体が熱くなっていくと、これがSEXなのかと思いつつ呼吸に必死になってしまう。
「ぁ、ぁあ」
ぐりっと少し強めに前立腺を刺激された。
既に俺の前は勃ち上がって、ガチガチだ。先走りが垂れているのが自分でも分かる。
「挿れるよ」
「ン――っ、ぁあ! あァ!!」
行永がゴムをつけて、俺の中へと挿入した。ゆっくりと、雁首まで入ってから、行永は荒く吐息し、さらに深く進めた。あんなに慣らされていたのに、俺の中がキツキツで、行永のものに絡みつき、行永の形に広げられていくのが自覚できる。
「あっ……う、ぁァ……ああ……ンん」
「もっと声、聞かせてもらえるかな?」
「は、恥ずかし……あァ、あああ!」
「じゃあ堪えられないようにしてあげようかな」
「あ、あ、あ、あ」
行永の動きが激しくなる。俺はすぐに声を堪えられなくなり、快楽にすすり泣きながら、幾度も喘いだ。
「あ、あ、イく、っ」
「いいよ」
「あ――!!」
そのまま激しく打ち付けられた時、俺は放った。ほぼ同時に、行永も果てたようだった。
これが契機だった。
翌日の夜、行永は俺の部屋に来た。
「砂原くん、欲しいな」
「えっ……昨日だけじゃ……」
「昨日、あんまりにも可愛かったから」
俺は真っ赤になった。最初は焦って青ざめたのだが、可愛いなんて言われると、昨日の己の痴態を思い出して、赤くなるほかない。
この夜は、俺は正常位で交わるということを教えられた。
その次の夜は、行永が俺の耳朶の下に口づけると、薄く笑った。
「今日は、自分で俺の上に乗って欲しいな?」
俺は呆然とした。
だが――押し流されてしまって、断れなかった。行永の肩に手を置き、ボロボロと泣いた。
「やだぁ、ぁ、深いッ」
「もっと深く出来るけどね?」
「やぁあああ、あ、あ、あ、だめだ、やっ」
散々下から貫かれて、俺は理性を飛ばした。この頃になると、俺はもうSEXが気持ちが良い物だという認識に支配されていて、行為の前はよくないと思うのに、途中からは意識が快楽しか拾わなくなるようになっていた。
「さて、今夜は、コレ」
数日後の夜、行永はコックリングを手に笑って訪れた。
俺が怪訝に思っていると、あっさりと俺の陰茎に嵌めた行永が、俺に挿入した。
そして――最奥を激しく貫いた。
「やだやだやだ、イく、あ、イけないっ、うあ、あ、ダメ、ダメだっ、お願いだ、イかせて、イかせてくれぇ」
「中だけで、ね?」
「うあ、あ、ア……、……ッああああ!」
この日俺は、ひたすらドライを教えられた。
そんな日が続いて、三ヶ月ほどがあっさりと経過し、もう七月も終わり、八月が来た。この日は対面座位で交わっていると、部屋のドアがいきなり開いた。俺は咄嗟に理性を取り戻した。ドアを開けたのは青真くんだ。
「父さん、お金欲しい」
「ああ、抽斗の二番目のを使って構わないよ。今、忙しいから、自分で持っていって」
「ん。了解」
俺は青ざめていたが、気にせず行永は動く。俺は焦って口を両手で覆う。
青真くんはすぐに出ていった。俺の事には何も触れなかったが、俺は見られた衝撃で萎えた。しかしすぐに行永が俺の感じる場所を激しく突いたため、体が熱くなる。
「あ、あ、やっ、待ってくれ、今、見られ――」
「気にすることはないよ。青真はもう二十歳で分別がある」
「そういう問題じゃ――やぁあああ」
結局そのまま、俺は行永に抱き潰された。
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