7 / 8
―― 本編 ――
7
しおりを挟む
俺の浴衣を開けると、行永が俺の陰茎に手を添え、先端を舐めた。それから口に含み、唇に力を込めて、口淫を始めた。
「あ、っ……」
俺は片手で口を覆う。久しぶりの快楽に、腰が蠢く。巧みにフェラされると、すぐに俺の陰茎はガチガチに固くなった。側部に添えた手を、行永が激しく動かす。
「あ、あ、出る。行永、口離し――うあっ」
ギュッと目を閉じ、俺は射精した。行永が、俺の出したものを飲み込んだ気配がして、焦って目を開く。するとくすりと行永が笑った。
「ごちそうさま」
「お、おい、そんな」
「――ごめんね、手を出してしまった。気をつけるよ」
「……」
「おやすみ、砂原くん」
「お前はいいのか……?」
「好きな相手が感じてくれたら、それだけで満たされることもあるからね」
そのまま行永は、部屋を後にした。残された俺は、一人赤面していた。
「ねぇ」
青真くんに声をかけられたのは、翌日のことだった。
「ん?」
「――愛人は、せいぜい二・三回だよ。父さんが恋人だって言っても、二・三回でいなくなるから。そうじゃない人は、本当に恋人だと俺は思ってる」
「っ」
「確かに父さんは女遊びも男遊びも激しいよ。俺から見たら下半身ゆるゆるのクズで、今更その口で人を口説くなんてゲスいと思う」
「いや、実のお父さんをそんな風に辛辣に言っちゃダメだぞ?」
「聞いてくれ。黙って」
「はい」
俺は大学生に萎縮した。
「ただ、一途なのは本当だよ。恋人として紹介された時は、父さんはきちんとその相手を好きなんだって分かる。愛人の場合だって、少なくとも二・三回は愛してたと思う――でも、別れたのは理由もある」
「え?」
「俺が気に食わなかったんだよ」
「へ?」
「母親面されてキレたんだ。父さんは、愛人じゃなくて俺を優先した。そういう意味で、父さんを俺は家族として好きだよ」
青真くんはそう言うと腕を組んだ。
「ただ長く続いた恋人を見てると、一途なのはいいんだけど、父さんには悪癖があって、囲うんだよ」
「囲う?」
「家から出さない。出すときは自分もついていく。嫉妬深い」
「? 俺は嫉妬されたりというのは特に――」
「ふぅん? そう。じゃあこれから嫉妬されすぎてウザくなるかもね」
「はは……」
「ま、気をつけてね。俺は、砂原さんなら、家にいてもいいと思ってるから。じゃ、それだけ」
「えっ?」
俺がきょとんとすると、青真くんが二階に行ってしまった。首を捻っていると、打ち合わせに出かけていた行永が帰ってきた。
「ただいま」
「おかえり……あ、ちょっと買い物にいってくる」
「僕も行くよ」
にこりと笑った行永。俺は青真くんの言葉を思い出しつつ、微苦笑してしまった。
もう……信じてみてもいいのかもしれない。なにより、信じたいという自分の気持ちに素直になりたい。
「なぁ、行永。やっぱり」
「ん?」
「……俺の部屋、来ないか?」
「っ、それは――」
「鈍いな」
「冗談。僕は聡いよ。誘われたと正確に認識しているよ」
行永はそう言って笑うと、唇を舌で舐めた。
「僕の愛を信用してくれるんだね?」
「……うん」
「僕達は恋人同士だ。それでいいかな?」
「……ああ、いいよ」
「きみは押しに弱いけど、肝心なことでは芯があると知ってる。その上で、OKを貰ったと僕は考えている」
「……おう」
俺が頷くと、行永が正面から俺を抱きしめた。カバンが床に落ちた。
俺はおずおずと腕を回し返す。それから目と愛で見つめ合い、どちらともなく唇を重ねた。
「ぁァ……ああ、もう、っ……あ、もういいから、ぁ」
「じっくり優しくされるのが好きだろう?」
「で、でもっ……体、熱い……あ、ゃャ……だ、だめ、イきそうだっ、ぁ」
「一回出しな?」
「いやだ、行永と一緒がいい」
三本の指で後孔を解されながら、俺は快楽にポロポロと涙を零す。
自分でも中がトロトロなのが分かる。
「っく、可愛いこと言うなぁ。煽ったのは砂原くんだからね」
その直後、行永の陰茎が挿いってきた。
ぐっと固い陰茎で実直に貫かれ、俺は腕を行永の首に回し、ギュッと目を閉じて衝撃に耐えた。久しぶりの行永の体温が、愛おしくてたまらない。
「優しく抱きたいと思ってたんだけどな。悪い、だめだ、堪えきれない」
「んぁ――!」
行永が激しい抽送を始めた。肌と肌がぶつかる音がする。
ぐちゅりとローションが立てる水音と、それが混じっている。
俺は行永に抱きついたままで、必死に息をする。俺の持ち上がった陰茎が、行永のよく引き締まった腹筋で擦れる。
「あ、あ、あ」
「悪い、出すよ」
「俺もイく――んぁあああ」
そのまま一際激しく打ち付けられた時、俺は放った。行永は陰茎を引き抜くと、俺の腹部に射精した。
「あ、っ……」
俺は片手で口を覆う。久しぶりの快楽に、腰が蠢く。巧みにフェラされると、すぐに俺の陰茎はガチガチに固くなった。側部に添えた手を、行永が激しく動かす。
「あ、あ、出る。行永、口離し――うあっ」
ギュッと目を閉じ、俺は射精した。行永が、俺の出したものを飲み込んだ気配がして、焦って目を開く。するとくすりと行永が笑った。
「ごちそうさま」
「お、おい、そんな」
「――ごめんね、手を出してしまった。気をつけるよ」
「……」
「おやすみ、砂原くん」
「お前はいいのか……?」
「好きな相手が感じてくれたら、それだけで満たされることもあるからね」
そのまま行永は、部屋を後にした。残された俺は、一人赤面していた。
「ねぇ」
青真くんに声をかけられたのは、翌日のことだった。
「ん?」
「――愛人は、せいぜい二・三回だよ。父さんが恋人だって言っても、二・三回でいなくなるから。そうじゃない人は、本当に恋人だと俺は思ってる」
「っ」
「確かに父さんは女遊びも男遊びも激しいよ。俺から見たら下半身ゆるゆるのクズで、今更その口で人を口説くなんてゲスいと思う」
「いや、実のお父さんをそんな風に辛辣に言っちゃダメだぞ?」
「聞いてくれ。黙って」
「はい」
俺は大学生に萎縮した。
「ただ、一途なのは本当だよ。恋人として紹介された時は、父さんはきちんとその相手を好きなんだって分かる。愛人の場合だって、少なくとも二・三回は愛してたと思う――でも、別れたのは理由もある」
「え?」
「俺が気に食わなかったんだよ」
「へ?」
「母親面されてキレたんだ。父さんは、愛人じゃなくて俺を優先した。そういう意味で、父さんを俺は家族として好きだよ」
青真くんはそう言うと腕を組んだ。
「ただ長く続いた恋人を見てると、一途なのはいいんだけど、父さんには悪癖があって、囲うんだよ」
「囲う?」
「家から出さない。出すときは自分もついていく。嫉妬深い」
「? 俺は嫉妬されたりというのは特に――」
「ふぅん? そう。じゃあこれから嫉妬されすぎてウザくなるかもね」
「はは……」
「ま、気をつけてね。俺は、砂原さんなら、家にいてもいいと思ってるから。じゃ、それだけ」
「えっ?」
俺がきょとんとすると、青真くんが二階に行ってしまった。首を捻っていると、打ち合わせに出かけていた行永が帰ってきた。
「ただいま」
「おかえり……あ、ちょっと買い物にいってくる」
「僕も行くよ」
にこりと笑った行永。俺は青真くんの言葉を思い出しつつ、微苦笑してしまった。
もう……信じてみてもいいのかもしれない。なにより、信じたいという自分の気持ちに素直になりたい。
「なぁ、行永。やっぱり」
「ん?」
「……俺の部屋、来ないか?」
「っ、それは――」
「鈍いな」
「冗談。僕は聡いよ。誘われたと正確に認識しているよ」
行永はそう言って笑うと、唇を舌で舐めた。
「僕の愛を信用してくれるんだね?」
「……うん」
「僕達は恋人同士だ。それでいいかな?」
「……ああ、いいよ」
「きみは押しに弱いけど、肝心なことでは芯があると知ってる。その上で、OKを貰ったと僕は考えている」
「……おう」
俺が頷くと、行永が正面から俺を抱きしめた。カバンが床に落ちた。
俺はおずおずと腕を回し返す。それから目と愛で見つめ合い、どちらともなく唇を重ねた。
「ぁァ……ああ、もう、っ……あ、もういいから、ぁ」
「じっくり優しくされるのが好きだろう?」
「で、でもっ……体、熱い……あ、ゃャ……だ、だめ、イきそうだっ、ぁ」
「一回出しな?」
「いやだ、行永と一緒がいい」
三本の指で後孔を解されながら、俺は快楽にポロポロと涙を零す。
自分でも中がトロトロなのが分かる。
「っく、可愛いこと言うなぁ。煽ったのは砂原くんだからね」
その直後、行永の陰茎が挿いってきた。
ぐっと固い陰茎で実直に貫かれ、俺は腕を行永の首に回し、ギュッと目を閉じて衝撃に耐えた。久しぶりの行永の体温が、愛おしくてたまらない。
「優しく抱きたいと思ってたんだけどな。悪い、だめだ、堪えきれない」
「んぁ――!」
行永が激しい抽送を始めた。肌と肌がぶつかる音がする。
ぐちゅりとローションが立てる水音と、それが混じっている。
俺は行永に抱きついたままで、必死に息をする。俺の持ち上がった陰茎が、行永のよく引き締まった腹筋で擦れる。
「あ、あ、あ」
「悪い、出すよ」
「俺もイく――んぁあああ」
そのまま一際激しく打ち付けられた時、俺は放った。行永は陰茎を引き抜くと、俺の腹部に射精した。
146
あなたにおすすめの小説
初夜の翌朝失踪する受けの話
春野ひより
BL
家の事情で8歳年上の男と結婚することになった直巳。婚約者の恵はカッコいいうえに優しくて直巳は彼に恋をしている。けれど彼には別に好きな人がいて…?
タイトル通り初夜の翌朝攻めの前から姿を消して、案の定攻めに連れ戻される話。
歳上穏やか執着攻め×頑固な健気受け
アプリで都合のいい男になろうとした結果、彼氏がバグりました
あと
BL
「目指せ!都合のいい男!」
穏やか完璧モテ男(理性で執着を押さえつけてる)×親しみやすい人たらし可愛い系イケメン
攻めの両親からの別れろと圧力をかけられた受け。関係は秘密なので、友達に相談もできない。悩んでいる中、どうしても別れたくないため、愛人として、「都合のいい男」になることを決意。人生相談アプリを手に入れ、努力することにする。しかし、攻めに約束を破ったと言われ……?
攻め:深海霧矢
受け:清水奏
前にアンケート取ったら、すれ違い・勘違いものが1位だったのでそれ系です。
ハピエンです。
ひよったら消します。
誤字脱字はサイレント修正します。
また、内容もサイレント修正する時もあります。
定期的にタグも整理します。
批判・中傷コメントはお控えください。
見つけ次第削除いたします。
自己判断で消しますので、悪しからず。
【BL】寸劇
のらねことすていぬ
BL
偶然知り合った大人の男、伊佐島にどうしようもなく惚れてしまったフリーターの受け。泣き落としで付き合ってもらうことになったけど、彼が自分のことを好きだとは到底思えない。悩むことに疲れて別れることを決意するが、彼は他に男ができたと勘違いして……? すれ違っている二人の別れ話→ハピエンです。
「レジ袋はご利用になりますか?」
すずかけあおい
BL
仕事帰りに寄る、いつものコンビニで五十嵐 歩(いがらし あゆむ)はイヤホンをつけたまま会計をしてしまい、「――――?」なにかを聞かれたけれどきちんと聞き取れず。
「レジ袋はご利用になりますか?」だと思い、「はい」と答えたら、実際はそれは可愛い女性店員からの告白。
でも、ネームプレートを見たら『横山 天志(よこやま たかし)』…店員は男性でした。
天志は歩に「俺だけのネコになってください」と言って…。
君の身体が好みすぎて
垣崎 奏
BL
大学生の僕は、きまって大学図書館で自習をする。その席からはいつも、体格が好みの男子学生が見える。
ある日、彼が僕に近寄って、話しかけてきた。驚きつつ流されるまま、彼と食事へ行くようになって……?
◇
男が恋愛対象であることを隠しながらも好みの体格から目を逸らせない大学生と、たまたま好きになった相手が男だった大学生のBL。
ムーンライトノベルズにも掲載しています。
平民男子と騎士団長の行く末
きわ
BL
平民のエリオットは貴族で騎士団長でもあるジェラルドと体だけの関係を持っていた。
ある日ジェラルドの見合い話を聞き、彼のためにも離れたほうがいいと決意する。
好きだという気持ちを隠したまま。
過去の出来事から貴族などの権力者が実は嫌いなエリオットと、エリオットのことが好きすぎて表からでは分からないように手を回す隠れ執着ジェラルドのお話です。
第十一回BL大賞参加作品です。
婚活アプリのテスト版に登録させられたら何故か自社の社長としかマッチング出来ないのですが?
こたま
BL
オメガ男子の小島史(ふみ)は、ネットを中心に展開している中小広告代理店の経理部に勤めている。会社が国の補助金が入る婚活アプリ開発に関わる事になった。テスト版には、自社の未婚で番のいないアルファとオメガはもちろん未婚のベータも必ず登録して動作確認をするようにと業務命令が下された。史が仕方なく登録すると社長の辰巳皇成(こうせい)からマッチング希望が…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる