干された小説家の俺、人気作家のハウスキーパーになり、頭を抱えさせる。恋愛的な意味で。

猫宮乾

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―― 本編 ――

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 俺の浴衣を開けると、行永が俺の陰茎に手を添え、先端を舐めた。それから口に含み、唇に力を込めて、口淫を始めた。

「あ、っ……」

 俺は片手で口を覆う。久しぶりの快楽に、腰が蠢く。巧みにフェラされると、すぐに俺の陰茎はガチガチに固くなった。側部に添えた手を、行永が激しく動かす。

「あ、あ、出る。行永、口離し――うあっ」

 ギュッと目を閉じ、俺は射精した。行永が、俺の出したものを飲み込んだ気配がして、焦って目を開く。するとくすりと行永が笑った。

「ごちそうさま」
「お、おい、そんな」
「――ごめんね、手を出してしまった。気をつけるよ」
「……」
「おやすみ、砂原くん」
「お前はいいのか……?」
「好きな相手が感じてくれたら、それだけで満たされることもあるからね」

 そのまま行永は、部屋を後にした。残された俺は、一人赤面していた。




「ねぇ」

 青真くんに声をかけられたのは、翌日のことだった。

「ん?」
「――愛人は、せいぜい二・三回だよ。父さんが恋人だって言っても、二・三回でいなくなるから。そうじゃない人は、本当に恋人だと俺は思ってる」
「っ」
「確かに父さんは女遊びも男遊びも激しいよ。俺から見たら下半身ゆるゆるのクズで、今更その口で人を口説くなんてゲスいと思う」
「いや、実のお父さんをそんな風に辛辣に言っちゃダメだぞ?」
「聞いてくれ。黙って」
「はい」

 俺は大学生に萎縮した。

「ただ、一途なのは本当だよ。恋人として紹介された時は、父さんはきちんとその相手を好きなんだって分かる。愛人の場合だって、少なくとも二・三回は愛してたと思う――でも、別れたのは理由もある」
「え?」
「俺が気に食わなかったんだよ」
「へ?」
「母親面されてキレたんだ。父さんは、愛人じゃなくて俺を優先した。そういう意味で、父さんを俺は家族として好きだよ」

 青真くんはそう言うと腕を組んだ。

「ただ長く続いた恋人を見てると、一途なのはいいんだけど、父さんには悪癖があって、囲うんだよ」
「囲う?」
「家から出さない。出すときは自分もついていく。嫉妬深い」
「? 俺は嫉妬されたりというのは特に――」
「ふぅん? そう。じゃあこれから嫉妬されすぎてウザくなるかもね」
「はは……」
「ま、気をつけてね。俺は、砂原さんなら、家にいてもいいと思ってるから。じゃ、それだけ」
「えっ?」

 俺がきょとんとすると、青真くんが二階に行ってしまった。首を捻っていると、打ち合わせに出かけていた行永が帰ってきた。

「ただいま」
「おかえり……あ、ちょっと買い物にいってくる」
「僕も行くよ」

 にこりと笑った行永。俺は青真くんの言葉を思い出しつつ、微苦笑してしまった。
 もう……信じてみてもいいのかもしれない。なにより、信じたいという自分の気持ちに素直になりたい。

「なぁ、行永。やっぱり」
「ん?」
「……俺の部屋、来ないか?」
「っ、それは――」
「鈍いな」
「冗談。僕は聡いよ。誘われたと正確に認識しているよ」

 行永はそう言って笑うと、唇を舌で舐めた。

「僕の愛を信用してくれるんだね?」
「……うん」
「僕達は恋人同士だ。それでいいかな?」
「……ああ、いいよ」
「きみは押しに弱いけど、肝心なことでは芯があると知ってる。その上で、OKを貰ったと僕は考えている」
「……おう」

 俺が頷くと、行永が正面から俺を抱きしめた。カバンが床に落ちた。
 俺はおずおずと腕を回し返す。それから目と愛で見つめ合い、どちらともなく唇を重ねた。


「ぁァ……ああ、もう、っ……あ、もういいから、ぁ」
「じっくり優しくされるのが好きだろう?」
「で、でもっ……体、熱い……あ、ゃャ……だ、だめ、イきそうだっ、ぁ」
「一回出しな?」
「いやだ、行永と一緒がいい」

 三本の指で後孔を解されながら、俺は快楽にポロポロと涙を零す。
 自分でも中がトロトロなのが分かる。

「っく、可愛いこと言うなぁ。煽ったのは砂原くんだからね」

 その直後、行永の陰茎が挿いってきた。
 ぐっと固い陰茎で実直に貫かれ、俺は腕を行永の首に回し、ギュッと目を閉じて衝撃に耐えた。久しぶりの行永の体温が、愛おしくてたまらない。

「優しく抱きたいと思ってたんだけどな。悪い、だめだ、堪えきれない」
「んぁ――!」

 行永が激しい抽送を始めた。肌と肌がぶつかる音がする。
 ぐちゅりとローションが立てる水音と、それが混じっている。
 俺は行永に抱きついたままで、必死に息をする。俺の持ち上がった陰茎が、行永のよく引き締まった腹筋で擦れる。

「あ、あ、あ」
「悪い、出すよ」
「俺もイく――んぁあああ」

 そのまま一際激しく打ち付けられた時、俺は放った。行永は陰茎を引き抜くと、俺の腹部に射精した。

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