ゼーレの御遣い

猫宮乾

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―― 本編 ――

14:怪我(☆)

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 患部を固定して片足にグルグルとルカは包帯を巻いてある。
 満足に動くことができなくて、帰りの船の中の寝台に上半身だけ起こして座りながら、彼は苦笑していた。ラフの力でほとんど癒されていたが、痛みがあるから大事をとっているのだ。

「先生、何やってるんだよ!」
「エル、心配をかけたね」
「全くですよ! ワルター先輩にも、ルカ先生をよろしくって言われてたのに!」

 まさか事前から生徒に心配されているとは思わなくて、ルカは吹き出しそうになった。エルの隣では、コールも心配そうな顔をしている。

 こうして部屋に見舞ってくれたりと、生徒たちは本当にいい子だと思う――これで、ラフさえついてきていなければ完璧だった。

「全く情けない」
「……運んでくれてありがとうございます」

 ルカは溜息を押し殺すことに必死になった。足にトドメをさしたのがラフとはいえ、たすけてくれたこともまた事実だ。

 それから、エルとコールは、オリエンテーションがあると言って部屋を出て行った。だが。

「……どうしてコールについていかないの?」
「この狭い船の中、別段私にとって距離など無に等しいのです。それに、あの二人に看病を頼まれました」
「っ」

 直後歩み寄ってきたラファエルを見て、体が熱くなる。ゾクリと何かが背筋を這い上がったが、その名前を知りたくなかった。

 ラフは寝台に座ると、ルカを後ろから抱きかかえるようにする。

「あ……」

 それだけでおかしくなってしまいそうで、ルカは唇を噛んだ。
 後ろから手を回され、服の前をはだけられる。
 しかし逃げようにも片足が使えず、そして腰の力が抜け始め、ルカは涙ぐんだ。

「やめろ……やめて」
「その体じゃ、一人でなさるのはお辛いでしょう? そんな蕩けるような顔をして、よく言いますね」
「っ、ン」

 その時ラフの指が、ルカの胸の突起を弾いた。ビクリと背をしならせたルカは、首だけで振り返り、必死にラフを睨め付ける。脇の下から腕が回っているから、片方の足しか動かせるものがない。

「誰が……――うあ、あああっ」

 緩急をつけてゆるゆると乳首を嬲られ、思わずルカは声をあげた。
 繊細なラフの指先は、ルカの乳頭を捏ねては、時折強くつまむ。

「もう、ここを弄るだけでイけますね」
「うあ、ン、な……や、いやだ、お願いだから」
「お願い?」
「あ、はっ、触って……」
「今日は素直ですね」

 足が痛むせいなのか、いつもよりもダイレクトに快楽を感じ、ルカは無意識につぶやいていた。しかしラフは非情に笑う。

「いえ、体に響くと悪いので、今日は胸だけです。何せ私は看病しなければならないのですから」
「ひッ!」
「あなたは右側をつままれるのが好きですね」
「や、あ……」

 そのまま弄られるうちに、ルカの中心はそそり立ち、先走りの液が下衣を濡らし始めた。

「やだ、いやだ、あ、あ、も、もう」
「果てそうなのですか?」
「っ」

 実際、絶頂に達しそうではあった。けれどそれよりも体が、無茶苦茶に中を暴いて欲しいと訴えているようだった。熱い、体が熱かった。

 3日以上ラフに貫かれなかった日など、もう思い出せない。

 ラフが至近距離にいるだけで何時もよりも限界度が高いというのに、こんな時に限って、先日中で蠢いていたラフの指や、もう認めるしかない快楽を与えてくれる陰茎のことを思い出す。

「あ、あ、あ」

 しかしラフの意地の悪いては止まらない。
 もうその指先の感触に意識を奪われつつあり、腰が震えた。
 力が太ももにこもって行く。

「うあああ――!!」

 そのまま着衣したままでルカは果てた。

 下着が濡れ、わずかに太ももを白液が濡らす。その濡れたシミを楽しそうに眺めながらラフが、布の上からルカのソレを撫でた。

「ひっ」

 ゆるゆると手のひらで包み込むように何度も刺激され、ルカは思わず泣き叫びながら首を振った。綺麗な髪が揺れ、紫闇の瞳からは涙がとめどなく落ちる。

 もどかしかった。
 もうぐちゃぐちゃに貫いて欲しくて仕方が無い。
 自由になる方の膝を立てると、ガクガクと震えた。感覚がなくなって行く。

「も、もう……」
「もうなんですか?」
「……ぁ……」
「はっきり言って頂かないとわかりませんね」
「挿れ――」
「今日はこれで終わりです」
「!」
「一度果てたのですから満足でしょう?」

 ルカは何も言えなかった。そして期待していた自分を恥じた。

 それでも、それでもだ。ラフのそばにいると体の統制権を失ってしまうのだ。
それが無性に悲しかったのだった。

 そして船は港につき、無事に皆が校外学習を終えたのだった。
 ただただルカだけが体の熱を持て余しながら。

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