5 / 51
魔法の世界 エルドラド
しおりを挟む
「こ、この世界って魔法があるのかっ?」
相馬自身も超能力は使えたのだが、目の前で他人が力を使うところなど見たこともなかった。
もしそれが、カードの数字を当てるだとか、テレポートして覆いかぶせた布から出てくるとかであれば、当然タネも仕掛けもあるトリックだとしか思わないだろう。
「な、なにこの子……
魔法なんてそんな珍しくもないでしょ……」
少女はたじろいでいた。
そりゃあ万人が同じような魔法を使えるかと言われれば、そういうわけではないが。
少なくとも人族であれば、聖霊の力を借りて風や火を出すことくらいは容易いはずなのだ。
いわゆる下級魔法は、誰もが扱えて生活における必修スキルでもある。
「まぁ、5つか6つくらいの子にはまだ使えないでしょうけど……
それで親……は?」
少女は当たりを見回すが、荒野には岩か草かスライムか。
少し考えて相馬も喋る。
「親はいないみたいです。
気付いたらこの近くの洞窟にいて、街に入る前に身体だけ洗っておこうと思って」
嘘は必ずどこかで矛盾が生じると思ったのだ。
今世の記憶はないわけだし、目の前の少女は結構優しそうに見えたのだ。
「そう……
じゃあ気をつけてね」
スッと目を背けて、少女は川の下流へと歩き出す。
「いや、え?
行っちゃうんですか?」
そりゃあ捨てられて記憶を無くしたような子供には関わりたくないのかもしれないが、せめて街までは連れて行くとかなにか無いんですかね?
などと思うと、相馬は急いで少女の後を追いかけていた。
「どうしてついてくるの?」
「なんでって言われても……」
打算でしかない。
見知らぬ街に入って、初めて見る人たちに声をかけるよりも楽そうだったから。
少女なら優しそうだったし、魔法も気になる。
「私、今から仕事だし……」
「邪魔はしないようにします」
前へと歩きながら会話は続く。
「それだけ物言いもしっかりしてるなら一人で平気でしょ……」
「ママいなくてさびちい……」
「嘘ね」
「嘘です」
少女はため息を一つ。
相馬が諦めてはくれないと知ると、振り向いて相馬の顔を見る。
「私はエーテル。
見ての通り魔法使いだし、街に戻るまでしか相手しないから……」
「僕はそ……ソーマ。
多分5歳です」
こうして、二人はしばらく共に行動することになった。
ちっぽけな物体を動かすだけではない。
もっともっと凄いことのできる魔法が使える。
そう思うと、ソーマは期待せずにはいられなかった……
相馬自身も超能力は使えたのだが、目の前で他人が力を使うところなど見たこともなかった。
もしそれが、カードの数字を当てるだとか、テレポートして覆いかぶせた布から出てくるとかであれば、当然タネも仕掛けもあるトリックだとしか思わないだろう。
「な、なにこの子……
魔法なんてそんな珍しくもないでしょ……」
少女はたじろいでいた。
そりゃあ万人が同じような魔法を使えるかと言われれば、そういうわけではないが。
少なくとも人族であれば、聖霊の力を借りて風や火を出すことくらいは容易いはずなのだ。
いわゆる下級魔法は、誰もが扱えて生活における必修スキルでもある。
「まぁ、5つか6つくらいの子にはまだ使えないでしょうけど……
それで親……は?」
少女は当たりを見回すが、荒野には岩か草かスライムか。
少し考えて相馬も喋る。
「親はいないみたいです。
気付いたらこの近くの洞窟にいて、街に入る前に身体だけ洗っておこうと思って」
嘘は必ずどこかで矛盾が生じると思ったのだ。
今世の記憶はないわけだし、目の前の少女は結構優しそうに見えたのだ。
「そう……
じゃあ気をつけてね」
スッと目を背けて、少女は川の下流へと歩き出す。
「いや、え?
行っちゃうんですか?」
そりゃあ捨てられて記憶を無くしたような子供には関わりたくないのかもしれないが、せめて街までは連れて行くとかなにか無いんですかね?
などと思うと、相馬は急いで少女の後を追いかけていた。
「どうしてついてくるの?」
「なんでって言われても……」
打算でしかない。
見知らぬ街に入って、初めて見る人たちに声をかけるよりも楽そうだったから。
少女なら優しそうだったし、魔法も気になる。
「私、今から仕事だし……」
「邪魔はしないようにします」
前へと歩きながら会話は続く。
「それだけ物言いもしっかりしてるなら一人で平気でしょ……」
「ママいなくてさびちい……」
「嘘ね」
「嘘です」
少女はため息を一つ。
相馬が諦めてはくれないと知ると、振り向いて相馬の顔を見る。
「私はエーテル。
見ての通り魔法使いだし、街に戻るまでしか相手しないから……」
「僕はそ……ソーマ。
多分5歳です」
こうして、二人はしばらく共に行動することになった。
ちっぽけな物体を動かすだけではない。
もっともっと凄いことのできる魔法が使える。
そう思うと、ソーマは期待せずにはいられなかった……
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです
NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
狼になっちゃった!
家具屋ふふみに
ファンタジー
登山中に足を滑らせて滑落した私。気が付けば何処かの洞窟に倒れていた。……しかも狼の姿となって。うん、なんで?
色々と試していたらなんか魔法みたいな力も使えたし、此処ってもしや異世界!?
……なら、なんで私の目の前を通る人間の手にはスマホがあるんでしょう?
これはなんやかんやあって狼になってしまった私が、気まぐれに人間を助けたりして勝手にワッショイされるお話である。
悪徳貴族の、イメージ改善、慈善事業
ウィリアム・ブロック
ファンタジー
現代日本から死亡したラスティは貴族に転生する。しかしその世界では貴族はあんまり良く思われていなかった。なのでノブリス・オブリージュを徹底させて、貴族のイメージ改善を目指すのだった。
『ミッドナイトマート 〜異世界コンビニ、ただいま営業中〜』
KAORUwithAI
ファンタジー
深夜0時——街角の小さなコンビニ「ミッドナイトマート」は、異世界と繋がる扉を開く。
日中は普通の客でにぎわう店も、深夜を回ると鎧を着た騎士、魔族の姫、ドラゴンの化身、空飛ぶ商人など、“この世界の住人ではない者たち”が静かにレジへと並び始める。
アルバイト店員・斉藤レンは、バイト先が異世界と繋がっていることに戸惑いながらも、今日もレジに立つ。
「袋いりますか?」「ポイントカードお持ちですか?」——そう、それは異世界相手でも変わらない日常業務。
貯まるのは「ミッドナイトポイントカード(通称ナイポ)」。
集まるのは、どこか訳ありで、ちょっと不器用な異世界の住人たち。
そして、商品一つひとつに込められる、ささやかで温かな物語。
これは、世界の境界を越えて心を繋ぐ、コンビニ接客ファンタジー。
今夜は、どんなお客様が来店されるのでしょう?
※異世界食堂や異世界居酒屋「のぶ」とは
似て非なる物として見て下さい
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる