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超能力
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フランもマナを扱えるようになった。
それだけではなく、大人が使うような下級魔法も一通り習得し終えていたのだ。
季節は寒い冬となり、乾燥した冷たい空気が吹いていた。
「結局ソーマには魔法は教えれなかったけど、ソーマがいてくれたおかげでフランの授業も無事終わったわ」
三ヶ月という期間、他の者よりも短い期間でフランの授業は終えることとなった。
春からは王都の魔法学園に入学し、将来は王宮魔法使いとして暮らしてもらいたいというのが親の考えだそうだ。
前線に出るよりも危険は少なく、給料も高い。
不自由ない生活が約束されているとして人気の高い職業らしい。
「エーテル先生、これまで本当にありがとうございます」
深々と頭を下げるフランと、見送られるエーテルとソーマ。
しばらくは魔物を狩る生活に戻るのだが、時期的にはもう一件くらい依頼があってもおかしくはないとエーテルは言う。
「じゃあ僕はまた剣の練習ですかねぇ」
将来、エーテルと別れても生活はしなくてはならない。
ソーマは気持ちを切り替えて短剣を使った特訓をしていたのだ。
「本当にお前ってやつは呆れるほど前向きだよな。
魔法が使えないと知った時の絶望の顔は今でも目に浮かぶよ」
あはは、と笑いながらギルドに向かう。
そんじゃそこらの5歳児とはやる気も体力も違うし、世話になっているエーテルのためにも少しは稼ぎたいとも思っていた。
「僕は草むしりをお願いします」
ギルドの受付に内容を伝えて、仕事にかかる。
「はい、エーテルさんはゴブリン退治で、ソーマくんは街の外壁の草むしりね。
一応街の外になるから、何かあったらすぐに大声で叫ぶのよ」
万が一魔物に襲われても、叫ぶことで近くにいる見回り職員が駆けつけて助けてくれるそうだ。
小さな街でも、常に10人近くの職員が警戒しているおかげで、街の中に魔物は入ってこないのだと教えてももらった。
ちなみに草むしりの報酬は銅貨2枚。
半日働いても、質素な食事1回分にしかならない。
まぁ、街の周辺がわりと安全であり、誰でもできるような簡単な仕事だから仕方のないことではあるが。
ソーマは街の入り口から左手へと向かい、誰もいない場所へと移動した。
割と以前から気付いてはいたのだが、前世で持っていた力の影響だと思われるものが今の自分にあったのだ。
それに気付いたのが、マナを感じる授業を受けていた時。
以前にもやっていたという明確な記憶があり、試しにやってみたが目の前のコップが動くことはなかった。
サイコキネシスも前世のものであり、生まれ変わった自分には関係ないと思っていた。
しかし、考えてもみればこの力は魔法の力を似たような点がいくつも感じられたのだ。
「うん。自分のじゃなくてもマナなら動かせるっぽいな」
前世では、ありとあらゆるものが動かせそうに感じていた。
大きいものはさすがに無理だったが、最大で机を浮かせるくらいにはどうにかできた。
最初は消しゴムを動かすことさえ難しかったのに、いつの間にか自然とそれができるようになっていったのだ。
片手間に壁の間から草をむしりとり、ソーマは握った魔石のマナを感じ続けていた。
動かせるものはマナのみで、それを物体の外に出すことはできない。
その小さな結晶の中で思い切り動かしたところで、魔石の外へマナが漏れ出すようなことはなかったのだ。
そして半日が経つ頃に、ソーマは失敗に気付いたのだった。
街の近くは比較的安全ではあるが、絶対に安全というわけではない。
魔石のマナに気を取られていて、近づいてくる別のマナに気がついていなかった。
そして、気付いた頃にはその距離わずか5メートル。
目の前のゴブリンは下卑た笑いを浮かべながら飛び掛かってきたのであった……
それだけではなく、大人が使うような下級魔法も一通り習得し終えていたのだ。
季節は寒い冬となり、乾燥した冷たい空気が吹いていた。
「結局ソーマには魔法は教えれなかったけど、ソーマがいてくれたおかげでフランの授業も無事終わったわ」
三ヶ月という期間、他の者よりも短い期間でフランの授業は終えることとなった。
春からは王都の魔法学園に入学し、将来は王宮魔法使いとして暮らしてもらいたいというのが親の考えだそうだ。
前線に出るよりも危険は少なく、給料も高い。
不自由ない生活が約束されているとして人気の高い職業らしい。
「エーテル先生、これまで本当にありがとうございます」
深々と頭を下げるフランと、見送られるエーテルとソーマ。
しばらくは魔物を狩る生活に戻るのだが、時期的にはもう一件くらい依頼があってもおかしくはないとエーテルは言う。
「じゃあ僕はまた剣の練習ですかねぇ」
将来、エーテルと別れても生活はしなくてはならない。
ソーマは気持ちを切り替えて短剣を使った特訓をしていたのだ。
「本当にお前ってやつは呆れるほど前向きだよな。
魔法が使えないと知った時の絶望の顔は今でも目に浮かぶよ」
あはは、と笑いながらギルドに向かう。
そんじゃそこらの5歳児とはやる気も体力も違うし、世話になっているエーテルのためにも少しは稼ぎたいとも思っていた。
「僕は草むしりをお願いします」
ギルドの受付に内容を伝えて、仕事にかかる。
「はい、エーテルさんはゴブリン退治で、ソーマくんは街の外壁の草むしりね。
一応街の外になるから、何かあったらすぐに大声で叫ぶのよ」
万が一魔物に襲われても、叫ぶことで近くにいる見回り職員が駆けつけて助けてくれるそうだ。
小さな街でも、常に10人近くの職員が警戒しているおかげで、街の中に魔物は入ってこないのだと教えてももらった。
ちなみに草むしりの報酬は銅貨2枚。
半日働いても、質素な食事1回分にしかならない。
まぁ、街の周辺がわりと安全であり、誰でもできるような簡単な仕事だから仕方のないことではあるが。
ソーマは街の入り口から左手へと向かい、誰もいない場所へと移動した。
割と以前から気付いてはいたのだが、前世で持っていた力の影響だと思われるものが今の自分にあったのだ。
それに気付いたのが、マナを感じる授業を受けていた時。
以前にもやっていたという明確な記憶があり、試しにやってみたが目の前のコップが動くことはなかった。
サイコキネシスも前世のものであり、生まれ変わった自分には関係ないと思っていた。
しかし、考えてもみればこの力は魔法の力を似たような点がいくつも感じられたのだ。
「うん。自分のじゃなくてもマナなら動かせるっぽいな」
前世では、ありとあらゆるものが動かせそうに感じていた。
大きいものはさすがに無理だったが、最大で机を浮かせるくらいにはどうにかできた。
最初は消しゴムを動かすことさえ難しかったのに、いつの間にか自然とそれができるようになっていったのだ。
片手間に壁の間から草をむしりとり、ソーマは握った魔石のマナを感じ続けていた。
動かせるものはマナのみで、それを物体の外に出すことはできない。
その小さな結晶の中で思い切り動かしたところで、魔石の外へマナが漏れ出すようなことはなかったのだ。
そして半日が経つ頃に、ソーマは失敗に気付いたのだった。
街の近くは比較的安全ではあるが、絶対に安全というわけではない。
魔石のマナに気を取られていて、近づいてくる別のマナに気がついていなかった。
そして、気付いた頃にはその距離わずか5メートル。
目の前のゴブリンは下卑た笑いを浮かべながら飛び掛かってきたのであった……
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