王都の魔法学園のいんちき魔法使い 〜魔法なんて使えなくても世界最強〜

紅柄ねこ(Bengara Neko)

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試験結果

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「フランさんも誰かに魔法を教わったことがあるね?」
 フランが水晶に触れると、ペストリー先生が訊ねる。
「は、はい。
 エーテル先生とソーマくんに色々教えてもらいました」

『そこで僕の名前を出しちゃうのか』
 それがソーマの思った純粋な気持ちだった。
 5歳児に何を教わったのか?
 それも教える側は全く魔法の才能を感じないときた。
 当然、周囲の視線はソーマの方へ向き、ソーマもそれがわかっていて気まずそうにする。

 次に同じ部屋で属性の確認が始まる。
 確認と言ってもかなり不確かなもので、なんとなく水属性が得意かもしれない……程度のもの。
 あくまでも参考のためにデータをとっているに過ぎなかった。

 そして最後に教室へ戻って筆記試験である。
 移動の際、クラスの男の子に肩を掴まれてしまったソーマ。
「な、なに?」
 男の子は面白くなさそうな表情を見せている。
「お前、なんなんだよ一体……」

 ソーマはよく覚えていた。
 持久走の2周目でペースを上げ、4周目でバテて歩き始めた子のことを。
「な、何と言われても……」
「俺は学園に入るために家庭教師もつけてもらって、毎日走り込みだって瞑想だっていっぱいやったんだぞ」

 オルトという男の子の言い分はこうだ。
 人一倍努力したつもりなのに、体力はソーマに負け、魔力はフランに負けた。
 しかも魔力に関してはフランが『ソーマに教えてもらった』とまで言っていたのだ。
 ソーマが想像しているとおり、オルトのプライドはズタズタだったのだ。

 さて、短距離走ならば間違いなくオルトが勝つだろうし、魔力は鍛えれば強くなる。
 詠唱や魔法行使に関する実力はフランもまだまだだし、そこに関してはきっとオルトが簡単に追い抜いてしまうだろう。
 もしかしたら最初からオルトの方が魔法の腕は上かもしれないが。

「ぼ、僕は先にエーテル先生に色々教えてもらってたから……
 だから別にすごくも何ともないんだけど……」
「だよな」

 肯定されてしまった。
「だって魔力は全然なかったもんな」
 そこまで言われるとちょっと辛い。
「なのにお前の方が目立ってるし、ムカつくんだよ」

 さて、そろそろ言い返してもいいだろうかとソーマは思う。
 相手は年上ではあるが、今日が初対面の上に一方的な理由で文句を言われているのだ。
「あのさ……」
 そう言ってソーマはジッと睨む。
 だが、ペストリー先生が『離れずについて来い!』と叫ぶため、結局何も言わずに移動の列に戻ることとなった。

 消化不良といった感じで、胸にモヤモヤとしたものが残るソーマ。
 教室に戻っても、何かしてやれないかと考えてしまうのであった。
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