王都の魔法学園のいんちき魔法使い 〜魔法なんて使えなくても世界最強〜

紅柄ねこ(Bengara Neko)

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魔道具

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【小難しい話になります】

 魔道具には様々な種類がある。
 作り方は簡単で、魔道具にしたいものにマナを含むものを混ぜるだけである。
 マナを含むもの、というのがほとんどの場合『魔石』を指すことになる。

 マナには不思議な性質があり、その濃度の違いによって伝わる力が異なるのだ。
 薄いマナと濃いマナは交わりにくく、魔法を使う際には大気中に直接マナを放出するよりも、何かしらのマナを持つ媒体を通して放った方が効果が高まる。

 100から0ではなく、100から50の方が何倍もマナの伝わる力は大きいのだ。

 そして魔法を使う際に媒体として使われるものが杖であり、これも作りたてのものは0と100がまばらに点在している状態になっている。
 正確にはマナの強さによって100が20だったり10だったりはするが。
 いずれにせよ、0を介した時点で魔法の効果はかなり落ちてしまうものだ。

 平坦な道と平均台の上を、よーいどんで走り比べるといった感じだろう。
 だから平坦な道のほうが走り抜ける確率は高いし、時間もかからない。

「というのが、魔道具に関する考察となる。
 オルトくんの両親が買った店に、たまたま逸品が混ざっていたのだろうな」
 ペストリー先生は急遽授業内容を変更していた。

 幸い大した被害もなく、オルトの杖は学園側で別のものを用意して、そちらを使うようにと伝えられる。

 まだ魔道具に関しては未知の部分が多い。
 しかし、では100から100の媒体を通して魔法を撃ったら、一体どれほどの威力になるのだろうか?
 そして、ソーマは自分のしたことの重大さがわかったような気がしたのだった。

 授業終了後、オルトは大事を取ってすぐに帰ることになった。
 そしてソーマとフランが教室の隅で会話をしている。
「魔法攻撃力って、杖を持つと上がるんじゃなくて、杖が無いと下がるんだね……」
「魔法……攻撃力15?」
「何ていうか、数値で書いたらわかりやすいかなぁって」

 ゲームのステータスのように、ソーマは紙に色々な数字を書いていた。
 攻撃力10の戦士が、攻撃力5の剣を装備したらどうなるのか?
 当然攻撃力は上がる……と思うのだが、
それは武器が剣だからそう思うだけだ。

 もし剣ではなく木の枝であったのなら?
 その木の枝の攻撃力が1であっても、素手の方が強いような気もしてしまう。

 ソーマは少しだけ落ち込みながら、そんな話をフランに聞かせていた。
「ごめん、よくわからないや……」

 魔法攻撃力の場合、元の数値が100なのだ。
 ただし、全て減点方式で計算されていき、残った数値が実際の攻撃力となる。
 何も装備しなければ『-100』で、杖の攻撃力は『0』から『-100』があり、プラスは無い。
 もしかしたら、間に指輪のようなアクセサリーを挟むことで、その減り具合が緩和されるのかもしれない。

 などとゲームのように考えてみなくては理解が追いつかないソーマであった。
 そしてフランはやはり『どういうこと?』と問うのであった。

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