王都の魔法学園のいんちき魔法使い 〜魔法なんて使えなくても世界最強〜

紅柄ねこ(Bengara Neko)

文字の大きさ
44 / 51

異変は続く

しおりを挟む
 学園生活も問題なく送ることができている。
 強いて問題をあげるとすれば、実技の際にフランの魔法が他と比にならないレベルに達していたことと、ソーマが相変わらず風魔法しか使えないと思われていることくらいだろう。

 ソーマの魔法もどきは、魔石を砕いた際に発生する魔力暴走ファンブルであり、以前に比べれば一応精度も上がっている。

 オルトは面倒くさがりなのか勉強嫌いなのか、魔法理論は頭に入ってこないようで上達はそこそこだ。
 その分、剣や弓の腕を磨いていたので、そちらと絡めて魔法剣のような使い方を模索しているところだった。
 赤く熱された剣は、確かに斬られれば威力は大きそうだが、剣への負担も大きいだろうし何より扱いに困る場面も多いだろう。
 基本的には矢に属性魔法の効果を持たせて放つというのが、メインになりそうだ。

 ちなみに、いつもそんな変な3人組で喋っているせいか、同じクラスの子供たちは近寄り難いのだとも聞いている。
 あぁ……フランだけは女子の友達もいるので、話はちょっと変わってくるのだろうか。

「タリアとポーラも研究棟に来てみない?」
 今もだが、フランがそう言って誘ったところで、未だに誰かが来たことはない。
「わ、私たちはやめておくわ。
 学園祭の準備もあるし、ねぇ」
「そうそう、フランも一緒に練習に行こうよ。
 あれだけ凄い魔法が使えるんだもの。
 少し練習すれば、優勝も間違いなしよ」

 フランの魔法の上達ぶりには興味はあるが、何せケノンが管理をしていてチャラいオルトがいて、なぜか師匠などと呼ばれている6歳児がいる研究棟。
 普段のケノンを知らない人にとっては近寄り難い存在だろうし、そこにたむろうソーマたちが不気味でもあるのだろう。

 学園祭という名の学園見学会が終われば生徒たちは長期休暇となり、進学すれば見学に来た新入学生もやってくる。
 学園祭では5人1組となった魔法大会や、研究結果の発表会などが催される。
 そのための練習にタリアとポーラはフランを誘っているところなのだ。
 ちなみにソーマたちもコッソリと発表会の練習はしている。
 複合魔法と付与魔法エンチャントについて。
 ソーマ自身は何とも言えない何かを出そうと思案中だが、魔法としては説明がし辛いためにフランたちにさえ内緒だったりもする。

「じゃあまた明日ね、フラン」
「うん。学園祭、頑張ろうね2人とも」

 そう言って別れると、今日も3人は研究棟へ向かっていた。
「フランは大会に出なくて良かったの?
 みんな期待してるみたいだけど」
 道中、ソーマは気になっていたことを尋ねてみた。
「マキアの大会……は楽しみだったんだけど」
 だけど、無詠唱魔法が少しでも使えると戦いにならない。
 戦争を模したといえば聞こえは悪いが、要は拠点を魔法で落とすためのやりとりである。

 交互に攻撃と守備を入れ換えて、時間内にフラッグを撃ち落とせば得点。
 魔法や武器による対人攻撃は無しなので安全ではあるが、まぁドッジボールの球が顔面に当たるくらいの確率で人に当たってしまうこともあるのだとか。
 全然安全じゃないかった……

 オルトも無詠唱魔法はカッコいいからと言う。
 それはフランの努力、というか地球の知識を得てイメージが容易になったというチートっぷりがもたらした結果なので、まぁ大会での使用も問題はないのだけど。

 と、そんな話をしていたら後ろからタリアが走って追いかけてきたのだ。
「フランっ! お願い、私たちにもチームに入って!」
 急なお願いに困惑するフラン。
 構わずタリアは続けて不思議なことを言う。
「イエローに詠唱破棄リダクションできる子が3人もいるんだって!
 そんなの……絶対に敵うわけないよ……」

 エーテルが得意としていた詠唱破棄だが、それは膨大な必要魔力と弱体化した威力が特徴的。
 しかし、そんなこともなく使用できる者が学生の中にいる。
 普通に考えて、あり得ないことだったのだ……
しおりを挟む
感想 18

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです

NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

狼になっちゃった!

家具屋ふふみに
ファンタジー
登山中に足を滑らせて滑落した私。気が付けば何処かの洞窟に倒れていた。……しかも狼の姿となって。うん、なんで? 色々と試していたらなんか魔法みたいな力も使えたし、此処ってもしや異世界!? ……なら、なんで私の目の前を通る人間の手にはスマホがあるんでしょう? これはなんやかんやあって狼になってしまった私が、気まぐれに人間を助けたりして勝手にワッショイされるお話である。

悪徳貴族の、イメージ改善、慈善事業

ウィリアム・ブロック
ファンタジー
現代日本から死亡したラスティは貴族に転生する。しかしその世界では貴族はあんまり良く思われていなかった。なのでノブリス・オブリージュを徹底させて、貴族のイメージ改善を目指すのだった。

『ミッドナイトマート 〜異世界コンビニ、ただいま営業中〜』

KAORUwithAI
ファンタジー
深夜0時——街角の小さなコンビニ「ミッドナイトマート」は、異世界と繋がる扉を開く。 日中は普通の客でにぎわう店も、深夜を回ると鎧を着た騎士、魔族の姫、ドラゴンの化身、空飛ぶ商人など、“この世界の住人ではない者たち”が静かにレジへと並び始める。 アルバイト店員・斉藤レンは、バイト先が異世界と繋がっていることに戸惑いながらも、今日もレジに立つ。 「袋いりますか?」「ポイントカードお持ちですか?」——そう、それは異世界相手でも変わらない日常業務。 貯まるのは「ミッドナイトポイントカード(通称ナイポ)」。 集まるのは、どこか訳ありで、ちょっと不器用な異世界の住人たち。 そして、商品一つひとつに込められる、ささやかで温かな物語。 これは、世界の境界を越えて心を繋ぐ、コンビニ接客ファンタジー。 今夜は、どんなお客様が来店されるのでしょう? ※異世界食堂や異世界居酒屋「のぶ」とは 似て非なる物として見て下さい

処理中です...