429 / 442
後日談
その1 何気ない日常 セリナ・ドラン
しおりを挟む
「ドランさ~ん」
ふわりと春の風のように柔らかな声がした。緩やかなに波打つ黄金の髪、青く濡れた満月を思わせる瞳、一目見た誰もが思わず笑みを浮かべる、愛らしい少女だ。ただ腰から下が深い緑色の鱗を持った大蛇であるのは、人を選ぶかもしれない。
半人半蛇の種族“ラミア”の女性だ。既に二十代を数える年齢になったが、顔立ちや所作には成長した女性の美を持ちながらあどけなさが残り、無邪気な雰囲気がさらに拍車をかけている。
加え言うなればドランこと“私”の恋人であり妻である。えっへん。
私がベルン男爵領にて領主補佐官兼家宰兼……といくつもの肩書を得て、また終焉竜を消滅させてから早数年、ベルン男爵領の発展もさることながらセリナの成長と、一方で変わらぬ美点も目を見張るものがある。
今やベルンにはジャルラの里だけでなく、国内のラミアの隠れ里からの来訪者やはぐれだった者達が集い、厳正な人格検査などを経た後で移住している。セリナはその代表としてベルン側との折衝に追われ、日に日に頼もしさを増している。もちろん愛しさも。
さてセリナが私が居るのは、領都となったベルンから北西にある暗黒の荒野の一角。周囲には私達と共に調査にやってきた兵士や学者、魔法使い達の姿もあった。
暗黒の荒野といえば魔王ヤーハームの領土であるが、私達の居る場所は男爵領の勢力圏と呼べる位置で、新たな村々や都市の開拓を予定している場所でもある。
比較的モレス山脈に近い位置である為、東を見れば麓に広がる緑が目に入り、荒野の荒涼とした雰囲気と比べれば随分と心に優しい風景が広がっている。
「ぐるりと見て回ってきましたけれど、あまり近くに水源はありませんねえ。地下の水脈もちょっと遠いです」
むむ、と可愛らしく眉を寄せるセリナからの報告に、私もまた首を縦に動かして肯定する。かなり深く井戸を掘るか河川工事をして水の流れを変えるかしなければ、この一帯に半恒久的な居住地を作るのは難しそうだ。
前の戦争で作った砦ゴーレムで形成する防衛線の内側で条件の良い土地を探しているのだが、いやはや、なかなか見つからないものだ。
「ふむん、やはり水の魔道具なりで人工的に水源を作るのが手っ取り早そうだね。難儀な工事はそれはそれで雇用の捻出に繋がるから、決して問題ばかりではないが……」
「魔道具に関しては、いくらでも都合を付けられるのがベルンの強みですね。もしこの話が龍吉さんのお耳に入ったら、そういう類の仙人さんの道具とか、魔道具が送られてきそうです」
周囲の他の者達には聞かれないように、ちょっとした防音の魔法を行使してあるのは言うまでもない。
「瑠禹が本格的に水龍皇になる為の修行を初めて、少し余裕が出来たからとこちらに顔を出す頻度が増したからなあ。
海魔王も全て討ち滅ぼしたことだし、龍吉の後顧の憂いはもうなくなったのだから、公人ではなく私人として好きに出来る時間が出来たわけだ。そうなれば、私達のところに顔を出すのも当然だよ」
一応はリュー・キッツとあまり隠すつもりのない偽名を名乗り、根無しの冒険者を装う龍吉ではあるが、希少な龍人(偽装)の美女が一人で行動しているとあれば否応なく目を引いて、ベルン男爵領ではすでにちょっとした有名人になっている。
「やれやれ困ったなあ、と微笑ましく思っているのは否めないが、お茶目な性格だからと私は気にならない範疇かな」
「ふふ、そうですね。色々と肩に乗っかっていた荷を下ろして身も心も軽くなった印象ですし、私も好きですよ、今の自由な龍吉さん。でも龍吉さんとは逆に領主仕事で机に齧りついているクリスさんが恨めし気に見ているのが、玉に瑕ですね~」
「クリスも領主としての仕事には積極的だし、好んでいるが机上で済ませる仕事よりも外に出て体を動かす仕事の方が合っているからな。こればかりは仕方ない。まさか龍吉を雇うわけにも行かんさ」
もしそうなったらモレス山脈から交易に来る同胞や、既にドラゴニアンに変化して就職している同胞達が仰天して大変な騒ぎになってしまう。まあ、馬鹿正直に龍吉の正体を露にすればだが。
「でもアレキサンダーさんやリヴァイアサンお義姉さん達がちょくちょく来ていらっしゃいますから、龍吉さんが堂々とベルンに居ても大丈夫なのでは、なんて思っちゃいますね」
「アレキサンダー達だって素性は隠した上での話さ。それに同胞はともかく王国の人々に対しては、最高神以上の存在が本当に降臨しているなどと正直に伝えても信じてはもらえまいよ」
「ん~ドランさんからの報告なら王子様は八割くらい信じてくれそうですけど……」
「ふふ、そうかもしれないね。スペリオン殿下とは随分と奇妙で濃厚な時間を過ごしてきたからな。普通の主従とは一風変わった関係が出来ているが、それは私ばかりではなくセリナ達も同じさ。
一国の王太子とここまで仲の良いラミアは、大陸中を探してもセリナくらいのものだよ。花の精だったらディアドラ、ゴーレムだったらリネット、バンパイアだったらドラミナといった具合にね。
生まれ育ち、そして出会ったのがこのアークレスト王国でよかったよ。転生する場所と時期に関して私は関わっていなかったから、こればかりは持って生まれた運か前世の行いだな。ははははは」
「悪い神様達に一杯恨みを買っていましたねえ」
「私の逆鱗に触れる者共が悪い、と開き直っておこう。さてそろそろまじめに仕事を再開しようか。この一帯の水関係を含めた問題の解決は、ウチの魔法使い達が私達を抜きにどこまでやれるか、その試金石になる」
「手を出すのも口を出すのもダメですからね?」
「肝に銘じるとも」
「うーん、大丈夫かなあ?」
「私の心配をしているが、セリナも頭を働かせるのは良いが魔力にものを言わせて強引な解決法を選んではいけないよ。今のセリナは終焉竜の一件で魂の格も上がったし、一滴の水を湖に変えるくらいの芸当は容易だろう?」
「あははは、そう言えばそうですね。私もなんだか遠いところまで来たような気もしますし、随分と変わった気もしますねえ。
ジャルラの里以外のラミアの人達とあんなにたくさんお話をするようになるなんて思いませんでしたし、ドランさんみたいな素敵な方と出会えるなんて夢に思いませんでしたよ」
「それは私の方もね。あの沼地であったラミアの女の子と生涯を共にする決意を固めることになるとは思わなかったな、ふむ」
「ふふふ、おそろいですね」
「ああ、おそろいだな」
そうして私達が笑い合っているのを見て、周囲の部下達はまた仕事中にいちゃついているよ、と砂糖を胃に流し込まれたような気分で見ていた、と後で苦情を入れられてしまった。
これで私達が仕事を少しでも怠ったり、手を止めたりしていたなら叱責ものだが、こと仕事に関しては手抜かりの無いのが私達の良いところである。
水源調査が終わったからこそセリナは私に声を掛けてきたのだしね。今のうちの魔法使い達の実力なら、魔力や精霊力を変換して水を生み出す魔道具をかなり高品質で仕上げられるだろう。
「今日はこのくらいにして切り上げようか。まだまだ先は長いのだから、必要以上に急ぐことはない」
「はい。魔王さんも今は西にある国に夢中みたいですし、しばらく私達は平穏に過ごせそうですね」
「ああ。子育ての事もあるし、魔王軍には静かにしていてもらいたいものさ」
いやはやベルンにある我が家もといクリスの屋敷と来たら、いまやひっきりなしに赤ん坊の声がする賑やかさだ。世界で最も幸福な賑やかさではないかと思うよ。ふむっふん。
****************************
短いですがふと思い立ち、書かせていただきました。ドラン達はこんな具合にふわっとゆるい後日談を過ごしています。
ふわりと春の風のように柔らかな声がした。緩やかなに波打つ黄金の髪、青く濡れた満月を思わせる瞳、一目見た誰もが思わず笑みを浮かべる、愛らしい少女だ。ただ腰から下が深い緑色の鱗を持った大蛇であるのは、人を選ぶかもしれない。
半人半蛇の種族“ラミア”の女性だ。既に二十代を数える年齢になったが、顔立ちや所作には成長した女性の美を持ちながらあどけなさが残り、無邪気な雰囲気がさらに拍車をかけている。
加え言うなればドランこと“私”の恋人であり妻である。えっへん。
私がベルン男爵領にて領主補佐官兼家宰兼……といくつもの肩書を得て、また終焉竜を消滅させてから早数年、ベルン男爵領の発展もさることながらセリナの成長と、一方で変わらぬ美点も目を見張るものがある。
今やベルンにはジャルラの里だけでなく、国内のラミアの隠れ里からの来訪者やはぐれだった者達が集い、厳正な人格検査などを経た後で移住している。セリナはその代表としてベルン側との折衝に追われ、日に日に頼もしさを増している。もちろん愛しさも。
さてセリナが私が居るのは、領都となったベルンから北西にある暗黒の荒野の一角。周囲には私達と共に調査にやってきた兵士や学者、魔法使い達の姿もあった。
暗黒の荒野といえば魔王ヤーハームの領土であるが、私達の居る場所は男爵領の勢力圏と呼べる位置で、新たな村々や都市の開拓を予定している場所でもある。
比較的モレス山脈に近い位置である為、東を見れば麓に広がる緑が目に入り、荒野の荒涼とした雰囲気と比べれば随分と心に優しい風景が広がっている。
「ぐるりと見て回ってきましたけれど、あまり近くに水源はありませんねえ。地下の水脈もちょっと遠いです」
むむ、と可愛らしく眉を寄せるセリナからの報告に、私もまた首を縦に動かして肯定する。かなり深く井戸を掘るか河川工事をして水の流れを変えるかしなければ、この一帯に半恒久的な居住地を作るのは難しそうだ。
前の戦争で作った砦ゴーレムで形成する防衛線の内側で条件の良い土地を探しているのだが、いやはや、なかなか見つからないものだ。
「ふむん、やはり水の魔道具なりで人工的に水源を作るのが手っ取り早そうだね。難儀な工事はそれはそれで雇用の捻出に繋がるから、決して問題ばかりではないが……」
「魔道具に関しては、いくらでも都合を付けられるのがベルンの強みですね。もしこの話が龍吉さんのお耳に入ったら、そういう類の仙人さんの道具とか、魔道具が送られてきそうです」
周囲の他の者達には聞かれないように、ちょっとした防音の魔法を行使してあるのは言うまでもない。
「瑠禹が本格的に水龍皇になる為の修行を初めて、少し余裕が出来たからとこちらに顔を出す頻度が増したからなあ。
海魔王も全て討ち滅ぼしたことだし、龍吉の後顧の憂いはもうなくなったのだから、公人ではなく私人として好きに出来る時間が出来たわけだ。そうなれば、私達のところに顔を出すのも当然だよ」
一応はリュー・キッツとあまり隠すつもりのない偽名を名乗り、根無しの冒険者を装う龍吉ではあるが、希少な龍人(偽装)の美女が一人で行動しているとあれば否応なく目を引いて、ベルン男爵領ではすでにちょっとした有名人になっている。
「やれやれ困ったなあ、と微笑ましく思っているのは否めないが、お茶目な性格だからと私は気にならない範疇かな」
「ふふ、そうですね。色々と肩に乗っかっていた荷を下ろして身も心も軽くなった印象ですし、私も好きですよ、今の自由な龍吉さん。でも龍吉さんとは逆に領主仕事で机に齧りついているクリスさんが恨めし気に見ているのが、玉に瑕ですね~」
「クリスも領主としての仕事には積極的だし、好んでいるが机上で済ませる仕事よりも外に出て体を動かす仕事の方が合っているからな。こればかりは仕方ない。まさか龍吉を雇うわけにも行かんさ」
もしそうなったらモレス山脈から交易に来る同胞や、既にドラゴニアンに変化して就職している同胞達が仰天して大変な騒ぎになってしまう。まあ、馬鹿正直に龍吉の正体を露にすればだが。
「でもアレキサンダーさんやリヴァイアサンお義姉さん達がちょくちょく来ていらっしゃいますから、龍吉さんが堂々とベルンに居ても大丈夫なのでは、なんて思っちゃいますね」
「アレキサンダー達だって素性は隠した上での話さ。それに同胞はともかく王国の人々に対しては、最高神以上の存在が本当に降臨しているなどと正直に伝えても信じてはもらえまいよ」
「ん~ドランさんからの報告なら王子様は八割くらい信じてくれそうですけど……」
「ふふ、そうかもしれないね。スペリオン殿下とは随分と奇妙で濃厚な時間を過ごしてきたからな。普通の主従とは一風変わった関係が出来ているが、それは私ばかりではなくセリナ達も同じさ。
一国の王太子とここまで仲の良いラミアは、大陸中を探してもセリナくらいのものだよ。花の精だったらディアドラ、ゴーレムだったらリネット、バンパイアだったらドラミナといった具合にね。
生まれ育ち、そして出会ったのがこのアークレスト王国でよかったよ。転生する場所と時期に関して私は関わっていなかったから、こればかりは持って生まれた運か前世の行いだな。ははははは」
「悪い神様達に一杯恨みを買っていましたねえ」
「私の逆鱗に触れる者共が悪い、と開き直っておこう。さてそろそろまじめに仕事を再開しようか。この一帯の水関係を含めた問題の解決は、ウチの魔法使い達が私達を抜きにどこまでやれるか、その試金石になる」
「手を出すのも口を出すのもダメですからね?」
「肝に銘じるとも」
「うーん、大丈夫かなあ?」
「私の心配をしているが、セリナも頭を働かせるのは良いが魔力にものを言わせて強引な解決法を選んではいけないよ。今のセリナは終焉竜の一件で魂の格も上がったし、一滴の水を湖に変えるくらいの芸当は容易だろう?」
「あははは、そう言えばそうですね。私もなんだか遠いところまで来たような気もしますし、随分と変わった気もしますねえ。
ジャルラの里以外のラミアの人達とあんなにたくさんお話をするようになるなんて思いませんでしたし、ドランさんみたいな素敵な方と出会えるなんて夢に思いませんでしたよ」
「それは私の方もね。あの沼地であったラミアの女の子と生涯を共にする決意を固めることになるとは思わなかったな、ふむ」
「ふふふ、おそろいですね」
「ああ、おそろいだな」
そうして私達が笑い合っているのを見て、周囲の部下達はまた仕事中にいちゃついているよ、と砂糖を胃に流し込まれたような気分で見ていた、と後で苦情を入れられてしまった。
これで私達が仕事を少しでも怠ったり、手を止めたりしていたなら叱責ものだが、こと仕事に関しては手抜かりの無いのが私達の良いところである。
水源調査が終わったからこそセリナは私に声を掛けてきたのだしね。今のうちの魔法使い達の実力なら、魔力や精霊力を変換して水を生み出す魔道具をかなり高品質で仕上げられるだろう。
「今日はこのくらいにして切り上げようか。まだまだ先は長いのだから、必要以上に急ぐことはない」
「はい。魔王さんも今は西にある国に夢中みたいですし、しばらく私達は平穏に過ごせそうですね」
「ああ。子育ての事もあるし、魔王軍には静かにしていてもらいたいものさ」
いやはやベルンにある我が家もといクリスの屋敷と来たら、いまやひっきりなしに赤ん坊の声がする賑やかさだ。世界で最も幸福な賑やかさではないかと思うよ。ふむっふん。
****************************
短いですがふと思い立ち、書かせていただきました。ドラン達はこんな具合にふわっとゆるい後日談を過ごしています。
20
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
魔王を倒した手柄を横取りされたけど、俺を処刑するのは無理じゃないかな
七辻ゆゆ
ファンタジー
「では罪人よ。おまえはあくまで自分が勇者であり、魔王を倒したと言うのだな?」
「そうそう」
茶番にも飽きてきた。処刑できるというのなら、ぜひやってみてほしい。
無理だと思うけど。
魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。
カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。
だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、
ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。
国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。
そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。
私が死んで満足ですか?
マチバリ
恋愛
王太子に婚約破棄を告げられた伯爵令嬢ロロナが死んだ。
ある者は面倒な婚約破棄の手続きをせずに済んだと安堵し、ある者はずっと欲しかった物が手に入ると喜んだ。
全てが上手くおさまると思っていた彼らだったが、ロロナの死が与えた影響はあまりに大きかった。
書籍化にともない本編を引き下げいたしました
【一話完結】断罪が予定されている卒業パーティーに欠席したら、みんな死んでしまいました
ツカノ
ファンタジー
とある国の王太子が、卒業パーティーの日に最愛のスワロー・アーチェリー男爵令嬢を虐げた婚約者のロビン・クック公爵令嬢を断罪し婚約破棄をしようとしたが、何故か公爵令嬢は現れない。これでは断罪どころか婚約破棄ができないと王太子が焦り始めた時、招かれざる客が現れる。そして、招かれざる客の登場により、彼らの運命は転がる石のように急転直下し、恐怖が始まったのだった。さて彼らの運命は、如何。
【完結】魔王を倒してスキルを失ったら「用済み」と国を追放された勇者、数年後に里帰りしてみると既に祖国が滅んでいた
きなこもちこ
ファンタジー
🌟某小説投稿サイトにて月間3位(異ファン)獲得しました!
「勇者カナタよ、お前はもう用済みだ。この国から追放する」
魔王討伐後一年振りに目を覚ますと、突然王にそう告げられた。
魔王を倒したことで、俺は「勇者」のスキルを失っていた。
信頼していたパーティメンバーには蔑まれ、二度と国の土を踏まないように察知魔法までかけられた。
悔しさをバネに隣国で再起すること十数年……俺は結婚して妻子を持ち、大臣にまで昇り詰めた。
かつてのパーティメンバー達に「スキルが無くても幸せになった姿」を見せるため、里帰りした俺は……祖国の惨状を目にすることになる。
※ハピエン・善人しか書いたことのない作者が、「追放」をテーマにして実験的に書いてみた作品です。普段の作風とは異なります。
※小説家になろう、カクヨムさんで同一名義にて掲載予定です
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。