理想とは違うけど魔法の収納庫は稼げるから良しとします

水野(仮)

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庭の池

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無事新年を迎えることが出来た。
年末に領主様の従者として王都の城に連れて行かれると聞いた時は吐きそうになったけど、道中で出会った盗賊に無心と言う緊張を緩和するスキル持ちが居たので助かった。

領都に家を貰ってから仕事以外で街を出ることなかったのだけれど、そのうちスキルを増やす為に盗賊狩りをしようかな。



無心スキルと同時に水脈探知と掘削と言うスキルも手に入れた。
まぁ、いつの間にか掘削スキルは消えて居たのだが。

水脈探知は地中も含めた水源を探すスキルだ。
手持ちのスキル辞典によると、村や街に井戸を掘る時に活躍するスキルらしい。
結構使えるスキルのように思えるが、普通に生活して居たら井戸を掘る機会ってそんなに無いから盗賊堕ちわからなくもないな。最近は水道設備を利用する街も多いし。

掘削スキルは穴を掘るスキルで、鉱山や井戸掘りの仕事に向いているそうだ。この2人は盗賊の隠れ家に井戸を掘る役割が有ったのかも知れない。
水脈探知は仕方ないけど、掘削は盗賊堕ちしなくても食べていけるように思えるけどなぁ。鉱山の仕事が嫌だったんだろうか?

うちは水道があるのでわざわざ井戸を掘る必要は無いのだが、手に入れたスキルは使いたくなるじゃない? と言うことで庭に井戸を掘ってみた。

「なんか思ってたのと違う…」

村に有った井戸は紐が付いた桶を穴に落として引っ張り上げるものだったのだけれど、今掘った井戸は目の前で水が湧き出している。
穴が小さいから?

このままだと庭が泥沼になってしまいそうなのでため池を掘り土を硬くする。
開墾と掘削が合わさって土操作と言う上位スキルになってやれることが増えた。

スキル辞典によると土操作は土から鉄を作ることも出来ると有るが、そんな能力まで持ってるのを知られたら今よりも自由な時間が減りそうなので使いません。



近くの使用人に話して家を取り仕切る人と庭を管理してる人を呼んできてもらう。

水の使い道は後にして排水をどうするか先に考えることになった。
最初に掘ったため池だと1時間も経たずに溢れ出しそうなので未使用の倉庫を収納して広げる。
うちは商業地区と言う地価の高い場所にあり、更には領主様の屋敷の次くらいに広いと言われて居たので建物さえどかせば余裕が出来る。

そんな広い家が報酬として与えられたのは何年も売れ残っていたのを領主様が商業ギルドの儲け無しの値段で買い取ったかららしい。
商業ギルドとしては赤字覚悟で手放すつもりだったのでこの提案は助かったのだそうな。

この地区を管理してる人に話をしてもらい、雨水を逃す為に作られている道路脇の側溝に溢れ出す水を流す許可を貰った。

何故井戸を掘ったのか訊かれた時に、どれくらいの深さまで収納出来るか試したと言い訳したのだが通用しただろうか?



「この池、どうしようか」
「魚でも泳がせます?」
「獲ってくるか…」

敷地の2/3くらい有る池をそのままにしておくよりは魚を泳がせた方がマシだろう。
ついでに砂利や石を持って来て土の色を見えなくすれば多少は見栄え良くなる気もするし。

この前作った街へ行く馬車に乗り込む。
街は川の近くに作られたので街で一泊してから川へ行くつもりだ。

馬車の護衛を知り合いのライナスさんがたまたまやっていたので池のことを話してみると、仲間の人の故郷に赤とか白の魚が居ると教えてもらった。
美味しくないので誰も獲らないらしく他所から来た人が大量持ち帰っても誰も気にしないだろうと言うことだった。

その辺の川魚を泳がせて食べる直前に魚を捕まえれば良いんじゃないかと思っていたのだけれど、明るい色の魚が泳いでるのを見るのも良いかも知れないな。



うちに帰り石や砂利で池を飾る。
土に水が溜まっているだけの頃よりも見た目は良くなった。
庭師さんが置き方に拘りたいと言い出したので残りの物を庭に出して任せた。

明るい色の魚が居る湖は王都を挟んで反対側の国境付近に有る街の近くにあり、馬車で往復20日くらいかかる。
わりと長い期間街を離れるので領主様へ一応報告しておいてと使用人に頼んだ次の日、家の庭に飛竜が降りてきた。

「俺が乗せてくことになった」
「うわぁ…嬉しいな…」

他にも色々と仕入れて欲しい物があるとかで商業ギルドから1人追加された。
竜騎士もギルド職員も街づくりでの顔馴染みなので気楽と言えば気楽なのだが、辛い日々を思い出す相手でもある。



海の街に立ち寄ったとき、クラーケンと言う巨大なイカ型魔物が海岸付近に住み着いて危なくて漁に出られないから市場は休業中と言う話を聞いた。
購入予定リストにこの時期旬の魚が有ったのだがそんな事情なら今回は諦めますかって話になったのだが…。

「収納出来るか?」
「試してみないとわからない」
「ならやってみろ」

飛竜で海上に出てクラーケンを探し出して収納した。

「出来てしまった」
「なんでも試してみる物だな」
「でも、これどうやって倒せば良いの?」
「火山にでも落とすか?」

海の街に戻りクラーケンの対処法を聞く。
漁師も船乗りも有効的な手段がわからず、その辺の空き地に出して干物にすれば良いんじゃないかとか本気か冗談かわからない意見まで出た。
切り落とした足を食べた船乗りが美味かったと言うの話をしてたので捨てずに食べることにした。

その後漁師が船を出して獲ってきた魚を報酬にもらい街から出た。

それから海賊や盗賊を収納したり、盗賊に襲われて瀕死の人を収納し治療師に届けて感謝されたり、オークの集落を見つけて収納したり、大鷲を収納したり、地竜を収納したりした。

「本当に赤や白なんですね」
「金色とかも混ざってるのいるな」
「これなら庭の池も華やかになるなぁ」

色付きの魚は鯉と呼ばれる品種で黒いのならうちの領で食用とされていると商業ギルド職員から聞いた。
これは美味しくないって聞いたけど、形が似てるだけの別品種なのかな?
見た目が良いのを選んで100匹ほど収納して、近くの街へ移動した。

*****
主人公が戦闘に役立つスキルを手に入れなかったことに文句を言った幼馴染たちは今も生まれた村にいる。
農作業に役立たないと親にガッカリされ落ち込んだ。
この村は強い魔物がそんなに出ないので戦闘スキルはあまり望まれない。

主人公と言うリーダーが居なくなって積極的に動くことも無くなり、何もなければこのまま村で一生過ごす事になるかもしれない。
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