理想とは違うけど魔法の収納庫は稼げるから良しとします

水野(仮)

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海で

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領主様に難民を連れて来るかも知れないから受け入れてもらえないかと頼んだら良いとのこと。
交換に夏季休暇を利用して宿場町を2つ作ることになった。
今回の町は2つとも領都と俺の馴染みの街を結ぶ街道に出来、野営をする回数が減ることで知り合いの負担も軽くなるから個人的にもありがたい。
学生でいる間は家族からの頼みは許されているので残り少ない間に色々とやっておきたい。

竜騎士さんも何か頼みたいそうなので、そのうち行ってみようと思う。



「これを着るんですか…」
「不服そうだな」
「いえ…」

近衛騎士と似た感じに似た着衣や鎧ではあるのだが、マントに描かれている模様と言うかこの国の国旗が少し恥ずかしいと言うか…。

「人に会うときは必ずこれを身につけろよ」
「はい」

気の毒そうな顔するくらいなら止めてよ付き人の人。

後から聞いた話ではこれでもだいぶマシになったそうだ。



王女と海の精霊の別れを見た後に、収納して飛び立つ。
早く移動出来るようになって港街までの時間が早くなったから別れの時間をもう少し長めにしても良かったのだが、海の精霊が飽きてたからな。
王女に対してそんな思い入れなさそうだったし仕方がない。

「今更だけど海ならどこでも良いのか?」

海が見えるようになってふと思い付いたことを聞いてみる。

「う~ん、人があんまり居ないところ」
「どうしてだ?」
「何度か網に引っかかって痛かったから」
「じゃあ、沖の方で良いか?」
「うん」

日帰りのつもりだったけど今日は港街に泊まるか。



「なんだこれ…」
「島が動いてる!」

島と言うか島くらい大きな亀の魔物かこれ?
そこそこ大き目の宿場町くらいありそうだぞ…。

「これは精霊か?」
「何にも感じないよ?」
「精霊じゃないんだな?」
「うん!」

しまってみるか?
でも、しまってどうする?
人を襲ってるわけでもないしこのままでも良いか?

「人間と精霊が一緒に居るのは珍しいな!」
「魔物が話した?!」
「こっちだこっち!」

亀の顔から島のような背中?に向かって目線を上げていくと、手を振っている中年男性が居た。
その位置から声が聞こえる物なのか?
また精霊じゃないよな?
警戒しつつ、声が聞こえそうなところまで近づくことにする。

「失礼ですが、貴方は人間ですか?」
「それ以外の何に見えるんだ?」
「精霊とか」
「こんなおっさんの精霊は居ないだろ」

自分でおっさんて…。
しかし、普通の人間に収納庫の中に居る海の精霊が見えるものなのか?

「では、何故精霊が居るとわかったのですか?」
「神の声を聞く役目を持っていたからな、人以外の気配には敏感なんだ」
「神の声を聞く役目?」
「俺は聖人なんだよ」
「聖人??」
「知らないか?」
「はい」

聞いたことないな。

「聖女は知っているか?」
「はい」
「それの男版だ」
「なるほど!」

神の声を聞くのが女性だけってことはないだろうからな、そりゃ男性もいるだろうし成長すればおじさんにもなるだろうな。
でも、そんな人がなんでここに居るんだ?

聖人おじさんに興味無さそうな海の精霊を離れた場所に出して別れた後に戻ってきて島に降りる。

聖人おじさんはロイルさんと言い、教会内の派閥争いに巻き込まれて部屋に居た人と一緒に海へ転移させられて生き延びる為に必死で近くの島へ辿り着いたらしい。
その時は普通の島だと思っていたのだけれど、突然動き出して大きな魔物だと知ったそうだ。

魔物の背中は何故だか知らないが海水ではなく飲むのに向いてる水が沸いているし、畑を作れるくらいの土もある。
建物はないが雨風を凌げそうな穴が有り、最初から人が生活する為に作られた物なのではないのかと思ってしまいそうだ。

「アベルくんは干し肉とか持っていないかな? 魚ばかりだと飽きてしまってね」
「干し肉は有りませんが魔物の肉がそこそこ有りますよ。けど、聖職者だと魔物の肉は食べないんでしたっけ?」
「特にそんな決まりはないな。教会によるのかな?」
「そう言えばどこの教会か聞いてませんでしたね」
「そういや名前しか名乗ってなかったな。私はトイベリア教の聖人だよ」

え、知らないが…。
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