理想とは違うけど魔法の収納庫は稼げるから良しとします

水野(仮)

文字の大きさ
35 / 50

お土産

しおりを挟む
ロイルさん、違う陸地の人だった。
うちの国と帝国と教国の名前も知らないし次いでに国旗柄のマントを見せても覚えがないという。
俺が知ってる教団の名前を幾つか言ったがそれも知らなかった。
逆にロイルさんから聞いた国名、誰でも知っていると言われた山の名前などを聞いても俺は知らなかった。

「魔王大陸の人なのですか?」
「魔王大陸?」
「過去に俺の住む陸地へ攻めてきた魔王が住んでいると聞いて居るのですが…」
「近くに魔王が居るとは聞いたことないなぁ」

魔王大陸とは別な陸地なのか?
学校で俺が住む陸地の他に魔王の住む大陸が有ると習ったが他にも有るのか?
港街で聞けば何かわかるか?

「ロイルさんはこれからもここに住み続けるのですか?」
「出来ればちゃんとした陸に住みたいねぇ」
「今まで住んでいた国でなくても平気ですか?」
「戻ってまた飛ばされるのは嫌だからね」

俺の国に連れて行くことと収納庫の中に入れることを伝えると、特に考えることもなく良いと言う。
そちらの大陸では珍しいことではないのだろうかと思ったが、収納庫スキルのことは初めて知ったが精霊が嫌がらずに入るのだからおかしなことは起きないだろうと言われた。
ロイルさんの住む国か陸地では精霊はより身近なものなのかも知れない。

港街に戻り髪を切って髭を剃ったロイルさんはおっさんと言うよりお兄さんだった。
竜騎士さんと同じくらいか?



街を見たいと言うロイルさんに付き合って、俺も散策をする。
そう言えばゆっくりと港街を見たことがなかった。

「活気があって良い街だ、飯も酒も美味いし女の露出も高い」

…見た目はともかく、中身はおっさんかなぁ。
昼飯を食べる為に食堂へ入ったら最初に頼んだのがお酒で次に頼んだのが干物だ。
店員のお姉さんの手を握って君のお勧めを教えてくれないかとか言うし、神の声を聞く聖人?とか言う職業だからなのか見た目は良いからお姉さんもそんな嫌がってないし、何かしらの魔法を使ってるのか話し掛けてる時に顔の辺りがキラキラしてたし。

「聖人と言うのはやってはいけないこととか無いのですか?」
「あれダメこれダメばかりだよ。食事は毎日同じで変な豆に申し訳程度の肉を炒めた物に野菜たっぷりスープ、何時でも神の声を聞けるようにと酒は禁止だし、当然外出も無し」
「呑んでますが…」
「追い出されたからね、もう聖人じゃないさ」
「そう言うものなのですか?」
「そう言うものさ」

そう言ってお酒を飲み干し、新しいお酒を追加してた。

その後も街を散策しお酒や干物などを購入する。
酒屋の人に話を聞くと近くに酒蔵があると言うので行ってみることにする。

「ならここからは別行動かな」
「お金は必要ですか?」
「そこそこ欲しいな」
「でしたら宿代も含めて渡します。明日の昼に街の北門で待ち合わせにしましょう」
「助かるよ」

それなりの宿屋に1週間泊まれるお金を渡す。
高級娼館に一泊しても大丈夫なくらいの額だ。

ロイルさんを陛下に会わせたいと思っているんだ。
あの人ならおそらく別な大陸についても知ってると思うし、住んでいた人から話を聞きたいと思うだろうしね。

港街ではロイルさんの住む大陸のことを知る人は居なかった。
この街に入る大きな船は他の陸地から来るのではなく、この地の外周を回っているものなのだそうだ。
海は沖へ行くほど強い魔物が出るそうで他の地へ行く前に沈没してしまうらしい。本来ならクラーケンも浅瀬には居ないようで、クラーケンが逃げるほどの化け物が沖にいるのではないか心配だと。

それって、ロイルさんが居た亀の魔物のことなんじゃないのか?
最初のクラーケンも亀の魔物から逃げてきたのだとしたらロイルさんは何年も前に海絵飛ばされたことになるな。
1人で魔物の背中に何年も暮らしていたとしたら、そんな目に合わせた場所へ帰りたいとは思わないか。それに部屋に居た人と一緒に飛ばされたみたいなこと言っていたし、今1人ということはそれ以外の人たちはみんな居なくなってしまったのだろう。
しばらくはやりたいようにさせてあげよう。

「アベルくん、お金貸してくれないかな」
「良いですけど、なににつかうんです?」
「身請けしたい娘がいるんだ」

寂しかったのかな、やっぱり。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。

渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。 しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。 「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」 ※※※ 虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。 ※重複投稿作品※ 表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。

追放された味噌カス第7王子の異種族たちと,のんびり辺境地開発

ハーフのクロエ
ファンタジー
 アテナ王国の末っ子の第7王子に産まれたルーファスは魔力が0で無能者と言われ、大陸の妖精族や亜人やモンスターの多い大陸から離れた無人島に追放される。だが前世は万能スキル持ちで魔王を倒し英雄と呼ばれていたのを隠し生まれ変わってスローライフを送る為に無能者を装っていたのだ。そんなルーファスはスローライフを送るつもりが、無人島には人間族以外の種族の独自に進化した先住民がおり、周りの人たちが勝手に動いて気が付けば豊かで平和な強国を起こしていく物語です。

アリエッタ幼女、スラムからの華麗なる転身

にゃんすき
ファンタジー
冒頭からいきなり主人公のアリエッタが大きな男に攫われて、前世の記憶を思い出し、逃げる所から物語が始まります。  姉妹で力を合わせて幸せを掴み取るストーリーになる、予定です。

身代わりで呪いの公爵に嫁ぎましたが、聖女の力で浄化したら離縁どころか国一番の溺愛妻になりました〜実家が泣きついてももう遅い〜

しょくぱん
恋愛
「お前のような無能は、死神の生贄にでもなっていろ」 魔力なしの無能と蔑まれ、家族に虐げられてきた伯爵令嬢レティシア。 彼女に命じられたのは、近づく者すべてを病ませるという『呪いの公爵』アレクシスへの身代わり結婚だった。 鉄格子の馬車で運ばれ、たどり着いたのは瘴気に満ちた死の城。 恐ろしい怪物のような男に殺される――。 そう覚悟していたレティシアだったが、目の前の光景に絶望よりも先に別の感情が湧き上がる。 (な、何これ……汚すぎるわ! 雑巾とブラシはどこ!?) 実は、彼女が「無能」と言われていたのは、その力が『洗浄』と『浄化』に特化した特殊な聖女の魔力だったから。 レティシアが掃除をすれば、呪いの瘴気は消え去り、枯れた大地には花が咲き、不気味だった公爵城はまたたく間にピカピカの聖域に塗り替えられていく。 さらには、呪いで苦しんでいたアレクシスの素顔は、見惚れるほどの美青年で――。 「レティシア、君は一体何者なんだ……? 体が、こんなに軽いのは初めてだ」 冷酷だったはずの公爵様から、まさかの執着と溺愛。 さらには、呪いが解けたことで領地は国一番の豊かさを取り戻していく。 一方で、レティシアを捨てた実家は、彼女の『浄化』を失ったことで災厄に見舞われ、今さら「戻ってきてくれ」と泣きついてくるが……。 「私は今、お城の掃除と旦那様のお世話で忙しいんです。お引き取りくださいませ」 これは、掃除を愛する薄幸令嬢が、その愛と魔力で死神公爵を救い、最高に幸せな居場所を手に入れるまでのお話。

神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします

夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。 アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。 いわゆる"神々の愛し子"というもの。 神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。 そういうことだ。 そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。 簡単でしょう? えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか?? −−−−−− 新連載始まりました。 私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。 会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。 余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。 会話がわからない!となるよりは・・ 試みですね。 誤字・脱字・文章修正 随時行います。 短編タグが長編に変更になることがございます。 *タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。

ネグレクトされていた四歳の末娘は、前世の経理知識で実家の横領を見抜き追放されました。これからはもふもふ聖獣と美食巡りの旅に出ます。

旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
アークライト子爵家の四歳の末娘リリアは、家族から存在しないものとして扱われていた。食事は厨房の残飯、衣服は兄姉のお下がりを更に継ぎ接ぎしたもの。冷たい床で眠る日々の中、彼女は高熱を出したことをきっかけに前世の記憶を取り戻す。 前世の彼女は、ブラック企業で過労死した経理担当のOLだった。 ある日、父の書斎に忍び込んだリリアは、ずさんな管理の家計簿を発見する。前世の知識でそれを読み解くと、父による悪質な横領と、家の財産がすでに破綻寸前であることが判明した。 「この家は、もうすぐ潰れます」 家族会議の場で、リリアはたった四歳とは思えぬ明瞭な口調で破産の事実を突きつける。激昂した父に「疫病神め!」と罵られ家を追い出されたリリアだったが、それは彼女の望むところだった。 手切れ金代わりの銅貨数枚を握りしめ、自由を手に入れたリリア。これからは誰にも縛られず、前世で夢見た美味しいものをたくさん食べる生活を目指す。

勝手に召喚され捨てられた聖女さま。~よっしゃここから本当のセカンドライフの始まりだ!~

楠ノ木雫
ファンタジー
 IT企業に勤めていた25歳独身彼氏無しの立花菫は、勝手に異世界に召喚され勝手に聖女として称えられた。確かにステータスには一応〈聖女〉と記されているのだが、しばらくして偽物扱いされ国を追放される。まぁ仕方ない、と森に移り住み神様の助けの元セカンドライフを満喫するのだった。だが、彼女を追いだした国はその日を境に天気が大荒れになり始めていき…… ※他の投稿サイトにも掲載しています。

甲斐性無し王子と共働き聖女

あんど もあ
ファンタジー
国で唯一の聖女のルーナは18歳のお年頃。いい加減に寿退職したいのだが、そうはさせまいと国王は第二王子とルーナの婚約を決める。 「なぜ王子の私が平民の聖女などと!」 「王子様と結婚しても聖女を続けないといけないの? 王子って、共働きしないといけないくらい甲斐性無しなの?!」 さて、すれ違ってる二人は結ばれるのか……。

処理中です...