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復興作業
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砂漠を通り過ぎてから雪の精霊の乗り物で有る雪の豹に乗り換える。
空を飛んでると遠くからも見えてしまうが地上を走る雪の豹なら近付かなければそんなに目立たないし。
「出来れば馬の方が目立たず良かったけどさ」
望んだら形変わったりしないかな?
お、なんか出来そうな気がしてきた。
雪と水を使った馬の形を考えてみると雪の豹から水雪の馬に変わった。
雪で出来た白い身体に水の立髪や尻尾と太陽に当たると光ってキラキラしてなかなか美しい気がするが、これはこれで目立つな…。
出し入れして見せれば魔法だと誤魔化せるか?
*
元はそれなりの街だったんじゃないかと思われる壊れた建物がそのままにされた集落で話を聞く。
瓦礫から使える部分を集めて家を作っているそうだが、その作業中に腐敗した元住人の死体などが見つかり思うように進まないのだとか。教会から派遣された人たちのおかげで疫病こそ流行らないらしいが気が滅入ると言っていた。
街の様子を見ても100人も居ない。それでこの瓦礫を撤去してるのなら5年経ってもこのままと言うのもわかる。
聞いた話によると元は1万人くらいは住んでいた街で生き残った多くは領都や王都の復興作業に連れて行かれたと言う。
ドゥーンハルト領に有る俺の元の本拠地が8000人くらいだったからそれよりも人数が多いなら元はそれなりに大きい街のはずた。
それなのに半ば放置されて住人も連れていかれるのか。
国境付近の街なのだから他国からの支援物資を保存する場所として優先的に復興作業をした方が……と思ったが、この街と繋がるのは砂漠の国だから見捨てられたのか。
砂漠の国から食料支援が来ることはないし、むしろ支援を求められそうだ。まぁ、今は無くなってただの砂漠になったけども。
移動した人は命令がなくても街から離れていたかも知れないな、そして残った人は知っていても街を捨てられないのだろう。
街の管理をしてる人に瓦礫を全て撤去出来ることを伝え、目の前で収納スキルを使って見せるとやって欲しいが支払う金も物も無いと言われる。
「残った金などを全て持っていかれてしまってね、その代わりにとこの街を私は貰ったのだよ。私が自由に出来るのは使い道のない土地だけさ」
じゃあ土地でと言ったら感謝される。
念の為に身分を明かすと驚いていたものの他国の貴族でも構わないらしい。
支援をしない代わりに税を納める必要もないと言われているそうで他国と繋がりが出来るのはむしろ喜ばしいと言われた。
国の地図からもこの街は消えている可能性が高いそうだ、税を取れない街を国も必要としないだろうと。
成り行きとは言え他国?の街に土地を持つか、場所が何処になるかはわからないけど空き地にしておくわけにも行かないな。
ただの冒険者ではなく貴族として手に入れた物だから尚更だ。
撤去作業を指揮してる人と話をしながら瓦礫や半壊した建物を収納していく。最初は疑われていたみたいだが、家だった物を1つ収納したら明らかに態度が変わった。
収納した物は使える物は素材、使えない物は瓦礫としてリスト内で分けられるようだ。以前は入れた物は入れたままだったのだが収納スキルが成長したとかなのか? よくわからないが便利なので良しとする。
死体を一緒に収納した時はその場に出す。
元々人の死体を見慣れていなかったことに加え、時間が経った死体を見たことは初めてだったので吐いてしまった。
街の人に悪いと思ったが、俺の見かけが少年なのもあって誰も怒ったりしなかったどころか慰められたり抱きしめられたりした。
慣れてしまったけど最初はそんなもんだったと彼らは言う。
人の死体に慣れる人生なんて悲しいだろう…。
そのまま瓦礫の撤去作業を続けて半分くらいやったところで夕方になったのでその日は終了。
街に1つだけと言う宿屋に泊まることになった。普段は宿屋としては営業しておらず、街の人間が寝泊まりしているだけなので久しぶりの営業だと主人は言っていた。
食料は周囲の魔物を獲って食べていると聞いていたがあまり余裕はないようなので手持ちの中から出すことにした。
魔物も魔車の被害にあって少なくなっているのかも知れない。
宿屋の前に竈門を作ってもらい瓦礫の中から燃やせる物を出してクラーケンやら海の魚を焼き、それと酒を出す。
いっぱい有るので街の人全員食べても余りますよと、クラーケンは足を丸ごと出して見せてみたら今日は腹いっぱい食えそうだなとみんな喜んでた。
今日だけで時間が経った死体を50近く見た。
俺は気持ち悪いと思うだけだが他の人は名前を呼んだりしていたので辛かったと思う。
気分を変えるには騒いだ方が良いと思うんだ。
酒なんて何年ぶりだろうとみんなが喜んでるのを見てやって良かったと思った。
次の日も夕方まで撤去作業をした。
「終わったな」
「ああ」
「あと10年は掛かると思っていた」
「良かった、本当に良かった」
その日も食べ物と酒を出した。
竈門の火は朝まで消えることなく、街の人全員が朝まで起きていた。
撤去作業を取り仕切っている人から話を聞いた。
彼はこの領地の領主の息子らしい。元領主の息子かな?と笑っていた。
領主一族が居た方が受けが良いだろうと父親が言ったらしく、先のことが何も決まっていなかった末の息子の彼が指名されたらしい。
最初は嫌だったのだが街の人たちと一緒に居るうちに親しくなってこの街の為に頑張ろうと思ったのだそうな。
街を管理してる人の娘さんと婚約したと言うのも有るらしいけど。
次の日、素材として使えそうな物を指定された場所に出す。
それと一緒に土地の所有権が書かれた書類ももらう。
「功績の割に申し訳なく思っている」
「むしろ貰い過ぎでは?」
宿屋と同じくらいの土地と思っていたのだけれど、その8倍くらい有った。
しかもこの街の中央付近になるらしい。
他国人の俺では管理も出来ないだろうからそのまま空き地にしていても構わないと言うのだけれど、出来るならたまに来てくれると嬉しいと言うので何かしらしようとは思う。
街の人たちに見送られて出る。
水のワイバーンを見せて貰った土地に直接降りても良い許可を貰ったので空を飛んで街を出た。
関わってしまったし、土地も持ってしまったのでたまに寄ろうと思う。
幸い水のワイバーンで降りる許可が出たのでその気になればうちの王都から1時間くらいだし。
*
別な街へ行って話を聞く。
最初の街と違って街を囲む壁が有り瓦礫も見えないが建物は少なく空き地が多いように見える。
壁の建直しを優先させたのかも知れない。それと堀で囲われた壁が中央にある。
もしかしてここは王都であれが城?
「他国の商人が復興支援してくれているのですか」
「ああ、彼らが居なかったら俺たちは餓死していたかも知れないな」
魔車に襲われてしばらくした後、この国の港町に穀物類を載せた船がやってきて格安で放出したそうだ。
そしてそのお礼にと王都に店を構える許可を出したのだとか。
それからは他国から穀物を買い付けて少し高値で売ってるらしいが、輸送費などを考えるとそこまで暴利でも無いらしく普通に感謝してるようだ。
怪しい…。
俺がクラーケンに襲われた全員を助けた時期を考えると彼らが食べたと言う物は本来は港街へ行く予定だった可能性もありそうな気がしてしまうな。
でも、もう5年前のことだから調べようがないが。
今更遅いが、あの時火の精霊がうちに来てなかったらもっと早く他大陸の人間のことを知ることが出来たかもと少しだけ後悔をする。
*****
今更ですが、幼い頃からの友人がスキル1つで態度を変えたことも有り他人に対して冷めているところがあります。
親しくなりさえすればそうでもないですが、会話をしたことがない人や不快な態度を取る相手は彼の中で魔物と似たような物として扱われています。
空を飛んでると遠くからも見えてしまうが地上を走る雪の豹なら近付かなければそんなに目立たないし。
「出来れば馬の方が目立たず良かったけどさ」
望んだら形変わったりしないかな?
お、なんか出来そうな気がしてきた。
雪と水を使った馬の形を考えてみると雪の豹から水雪の馬に変わった。
雪で出来た白い身体に水の立髪や尻尾と太陽に当たると光ってキラキラしてなかなか美しい気がするが、これはこれで目立つな…。
出し入れして見せれば魔法だと誤魔化せるか?
*
元はそれなりの街だったんじゃないかと思われる壊れた建物がそのままにされた集落で話を聞く。
瓦礫から使える部分を集めて家を作っているそうだが、その作業中に腐敗した元住人の死体などが見つかり思うように進まないのだとか。教会から派遣された人たちのおかげで疫病こそ流行らないらしいが気が滅入ると言っていた。
街の様子を見ても100人も居ない。それでこの瓦礫を撤去してるのなら5年経ってもこのままと言うのもわかる。
聞いた話によると元は1万人くらいは住んでいた街で生き残った多くは領都や王都の復興作業に連れて行かれたと言う。
ドゥーンハルト領に有る俺の元の本拠地が8000人くらいだったからそれよりも人数が多いなら元はそれなりに大きい街のはずた。
それなのに半ば放置されて住人も連れていかれるのか。
国境付近の街なのだから他国からの支援物資を保存する場所として優先的に復興作業をした方が……と思ったが、この街と繋がるのは砂漠の国だから見捨てられたのか。
砂漠の国から食料支援が来ることはないし、むしろ支援を求められそうだ。まぁ、今は無くなってただの砂漠になったけども。
移動した人は命令がなくても街から離れていたかも知れないな、そして残った人は知っていても街を捨てられないのだろう。
街の管理をしてる人に瓦礫を全て撤去出来ることを伝え、目の前で収納スキルを使って見せるとやって欲しいが支払う金も物も無いと言われる。
「残った金などを全て持っていかれてしまってね、その代わりにとこの街を私は貰ったのだよ。私が自由に出来るのは使い道のない土地だけさ」
じゃあ土地でと言ったら感謝される。
念の為に身分を明かすと驚いていたものの他国の貴族でも構わないらしい。
支援をしない代わりに税を納める必要もないと言われているそうで他国と繋がりが出来るのはむしろ喜ばしいと言われた。
国の地図からもこの街は消えている可能性が高いそうだ、税を取れない街を国も必要としないだろうと。
成り行きとは言え他国?の街に土地を持つか、場所が何処になるかはわからないけど空き地にしておくわけにも行かないな。
ただの冒険者ではなく貴族として手に入れた物だから尚更だ。
撤去作業を指揮してる人と話をしながら瓦礫や半壊した建物を収納していく。最初は疑われていたみたいだが、家だった物を1つ収納したら明らかに態度が変わった。
収納した物は使える物は素材、使えない物は瓦礫としてリスト内で分けられるようだ。以前は入れた物は入れたままだったのだが収納スキルが成長したとかなのか? よくわからないが便利なので良しとする。
死体を一緒に収納した時はその場に出す。
元々人の死体を見慣れていなかったことに加え、時間が経った死体を見たことは初めてだったので吐いてしまった。
街の人に悪いと思ったが、俺の見かけが少年なのもあって誰も怒ったりしなかったどころか慰められたり抱きしめられたりした。
慣れてしまったけど最初はそんなもんだったと彼らは言う。
人の死体に慣れる人生なんて悲しいだろう…。
そのまま瓦礫の撤去作業を続けて半分くらいやったところで夕方になったのでその日は終了。
街に1つだけと言う宿屋に泊まることになった。普段は宿屋としては営業しておらず、街の人間が寝泊まりしているだけなので久しぶりの営業だと主人は言っていた。
食料は周囲の魔物を獲って食べていると聞いていたがあまり余裕はないようなので手持ちの中から出すことにした。
魔物も魔車の被害にあって少なくなっているのかも知れない。
宿屋の前に竈門を作ってもらい瓦礫の中から燃やせる物を出してクラーケンやら海の魚を焼き、それと酒を出す。
いっぱい有るので街の人全員食べても余りますよと、クラーケンは足を丸ごと出して見せてみたら今日は腹いっぱい食えそうだなとみんな喜んでた。
今日だけで時間が経った死体を50近く見た。
俺は気持ち悪いと思うだけだが他の人は名前を呼んだりしていたので辛かったと思う。
気分を変えるには騒いだ方が良いと思うんだ。
酒なんて何年ぶりだろうとみんなが喜んでるのを見てやって良かったと思った。
次の日も夕方まで撤去作業をした。
「終わったな」
「ああ」
「あと10年は掛かると思っていた」
「良かった、本当に良かった」
その日も食べ物と酒を出した。
竈門の火は朝まで消えることなく、街の人全員が朝まで起きていた。
撤去作業を取り仕切っている人から話を聞いた。
彼はこの領地の領主の息子らしい。元領主の息子かな?と笑っていた。
領主一族が居た方が受けが良いだろうと父親が言ったらしく、先のことが何も決まっていなかった末の息子の彼が指名されたらしい。
最初は嫌だったのだが街の人たちと一緒に居るうちに親しくなってこの街の為に頑張ろうと思ったのだそうな。
街を管理してる人の娘さんと婚約したと言うのも有るらしいけど。
次の日、素材として使えそうな物を指定された場所に出す。
それと一緒に土地の所有権が書かれた書類ももらう。
「功績の割に申し訳なく思っている」
「むしろ貰い過ぎでは?」
宿屋と同じくらいの土地と思っていたのだけれど、その8倍くらい有った。
しかもこの街の中央付近になるらしい。
他国人の俺では管理も出来ないだろうからそのまま空き地にしていても構わないと言うのだけれど、出来るならたまに来てくれると嬉しいと言うので何かしらしようとは思う。
街の人たちに見送られて出る。
水のワイバーンを見せて貰った土地に直接降りても良い許可を貰ったので空を飛んで街を出た。
関わってしまったし、土地も持ってしまったのでたまに寄ろうと思う。
幸い水のワイバーンで降りる許可が出たのでその気になればうちの王都から1時間くらいだし。
*
別な街へ行って話を聞く。
最初の街と違って街を囲む壁が有り瓦礫も見えないが建物は少なく空き地が多いように見える。
壁の建直しを優先させたのかも知れない。それと堀で囲われた壁が中央にある。
もしかしてここは王都であれが城?
「他国の商人が復興支援してくれているのですか」
「ああ、彼らが居なかったら俺たちは餓死していたかも知れないな」
魔車に襲われてしばらくした後、この国の港町に穀物類を載せた船がやってきて格安で放出したそうだ。
そしてそのお礼にと王都に店を構える許可を出したのだとか。
それからは他国から穀物を買い付けて少し高値で売ってるらしいが、輸送費などを考えるとそこまで暴利でも無いらしく普通に感謝してるようだ。
怪しい…。
俺がクラーケンに襲われた全員を助けた時期を考えると彼らが食べたと言う物は本来は港街へ行く予定だった可能性もありそうな気がしてしまうな。
でも、もう5年前のことだから調べようがないが。
今更遅いが、あの時火の精霊がうちに来てなかったらもっと早く他大陸の人間のことを知ることが出来たかもと少しだけ後悔をする。
*****
今更ですが、幼い頃からの友人がスキル1つで態度を変えたことも有り他人に対して冷めているところがあります。
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