手で触れた液体をお酒にする変な能力を手に入れだけどわりとなんとかなりそうです

水野(仮)

文字の大きさ
4 / 18

何故か洋酒は作らされるらしい

しおりを挟む
10歳になった。

あの後、白魔法と紅魔法も覚えたので麹の種類なのはほぼ確定した。
もちろん訓練したけど攻撃魔法にはならなかった。
芋、麦、米、蕎麦などじゃなく何故麹の種類なのか、それがわからない。

白魔法米、黒魔法芋と指定することで味の固定化が出来るようになったのは助かった。氷結は一覧表見ないと思い出せない物も有るしさ。
ただ、米や芋の種類はわからないので日本で売っている日本酒や焼酎と同じ物なのかはわからない。



沢山のお酒を作り、それを飲んで楽しそうにしている人たちを見て思うことがある。
俺に何かがあって酒魔法の使い手が消えてしまったらアル中達はどうなってしまうのだろうと。



「発酵と蒸留と熟成と言う魔法を覚えてるみたいだけど、何かわかる?」
「わかりません」
「蒸留はポーションを作るのに必要な工程ね。わざわざ魔法にする必要はないと思うのだけれど、何故魔法になったのかしら? 発酵と熟成は知らないわね」

両方ともお酒を作るのにも必要な工程ですが、俺が知ってたらおかしいので黙っておく。

「発酵はお酒を作る時に必要な作業ですな。熟成は酒を寝かせることを言いますな」
「お酒を寝かせる?」
「年代物のワインと言ったらわかりますかな?」
「味や香りが変わると父が言っていたのを聞いたことがあるわね」

何時から居たんですか騎士団長。

「お酒を作るのに蒸留が必要なのでしょうか?」

執事もどこから?

「お酒を蒸留して熟成しなさいと言うことなのかしらね?」
「ワインとエールを用意しましょう」

俺の意思は?



「蒸留!」

用意されたワイン樽の1つに蒸留魔法を掛ける。
確かブランデーになるんだっけ?

「ワインの風味が抜けて純粋なお酒になるのかしら?」
「純粋なお酒ってなんです姉上」
「開けてみないとわからないわ」
「そうですな、飲んでみないとわかりませんな」

騎士団長、そのグラスは何処から?

騎士団長と執事さんが匂いを嗅いだり光に透かしたりして調べている。

「香りは良いですし、特におかしなところも見当たりませんな」
「あとは味ですな」

そう言って騎士団長は飲んだ。

「あっ」

問題無いとは思うけど知らないはずなので驚いた声を出しておく。
だが、騎士団長はむせた。
思ったより強かったからかな?

「大丈夫なの」
「こ、れは、なかなかに強い。ふぅ、おそらく黒白魔法で出したものより強い酒になってますな」

それを聞いて執事は少量を口に含んだ。

「なるほど、これはなかなか。ですが、悪くないですな」 
「うむ、悪くない。この喉に感じる熱さは他にないものだ」

どうやら好評のようだ。

「あとは熟成だけど、蒸留した樽に熟成魔法を掛ければ良いのかしら?」
「どうなのでしょう?」
「試してみてから考えてみましょうか」
「そうですな」

俺は蒸留した樽に熟成魔法を使った。



ワインとエールの蒸留と熟成作業を我が家と関係のある商会へ任せることになった。
この商会は俺の作ったお酒などを取り扱っていたところで、俺と同じ不安も感じていたらしい。
少しずつ俺の作る酒の量を減らし、最終的には手を引くつもりだ。

「だから、色々と新商品を考えてみてください」
「新商品ですか?」
「蒸留を重ねた強い酒を果汁と混ぜてみるとか」
「濃い酒なら果汁が薄まりにくいですな、ふむ」

これで俺に何かあっても酒飲みたちが暴動を起こすことはないかなと思う。
似たようなものがあればおそらく平気。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです

NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた

一家処刑?!まっぴらごめんですわ!!~悪役令嬢(予定)の娘といじわる(予定)な継母と馬鹿(現在進行形)な夫

むぎてん
ファンタジー
夫が隠し子のチェルシーを引き取った日。「お花畑のチェルシー」という前世で読んだ小説の中に転生していると気付いた妻マーサ。 この物語、主人公のチェルシーは悪役令嬢だ。 最後は華麗な「ざまあ」の末に一家全員の処刑で幕を閉じるバッドエンド‥‥‥なんて、まっぴら御免ですわ!絶対に阻止して幸せになって見せましょう!! 悪役令嬢(予定)の娘と、意地悪(予定)な継母と、馬鹿(現在進行形)な夫。3人の登場人物がそれぞれの愛の形、家族の形を確認し幸せになるお話です。

冤罪で辺境に幽閉された第4王子

satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。 「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。 辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

処刑回避のために「空気」になったら、なぜか冷徹公爵(パパ)に溺愛されるまで。

チャビューヘ
ファンタジー
「掃除(処分)しろ」と私を捨てた冷徹な父。生き残るために「心を無」にして媚びを売ったら。 「……お前の声だけが、うるさくない」 心の声が聞こえるパパと、それを知らずに生存戦略を練る娘の、すれ違い溺愛物語!

つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました

蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈ 絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。 絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!! 聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ! ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!! +++++ ・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)

処理中です...