私は婚約者の好みではないらしい

りさ

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4.ライルside②

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「謝罪はお受けしましょう。表現の仕方はどうかと思いましたが、褒め言葉の部類でしょう?気にしておりませんわ。私に対する過分な評価、ありがとうございます。嬉しく存じますわ。」

と、先ほどの毅然とした態度とは打って代わり、柔らかい笑みを向けてくれた。

「それにこちらこそ、急に会話に割って入ってしまい申し訳ございませんでした。さぞ驚かれたことでしょう。」

と、クスクス笑って言う。あのタイミングは、わざとだったのだろうか。ビックリしたけれど・・。もしかして、性格少し悪い・・?好みど真ん中なのは嘘ではないが、何かが音を立てて崩れていく・・。

「ご好意はありがたいのですが、私には婚約者がおります。互いに信頼し合える、よい関係を築けていると自負しておりますわ。彼は、どこかの殿方のように私の陰口を言ったりしませんし。恥ずかしがりながらも私に愛を伝えてくださいます。そして私も、そんな彼を心から愛し、信頼しているのです。」

「っ、」

「ですので、あなた様のお気持ちにはお答え出来ません。よく思ってくださってありがたく存じますわ。」

「っ、いえ。本当に申し訳ありませんでした。」

くっ、見えないパンチで何度か殴られた気がする・・痛い。

「私はメディ家へ抗議する準備がありますので、これで失礼致しますわね。コーディ様も、特にリード家への対応は急いだ方がよろしいわ。婚約は続けたいのでしょう?」

「えぇ。このようなことになって、自分のばかさ加減をようやく知るなんて、遅すぎますが。」

と、自嘲気味に返した。

「ご自身でご自分の至らぬ点に気づくことは、多くのものには出来ないことです。気づけたのならば今後、どうするべきかお分かりでしょう?」

「えぇ、私ができることは少ないですが。婚約の解消は避けたいですが、リード侯爵には殴られる覚悟です。」

考えられる未来に気分が沈んでいく。

すると、潜めた声で

「ふふ、一番気をつけるべきは侯爵夫人よ?お気をつけあそばして。

それでは失礼致しますわ。」


と、去っていった。

・・冗談だと思いたいが、そうは聞こえなかったな・・。
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