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ある日の休み時間、東雲くんは深刻な顔をして、重いため息をついていた。
隣の席である私は放っておけなかった。
「どうしたの?」
「……息詰まっている」
寝ても覚めても執筆のことを考えている東雲くんなので、それだけでスランプなのだと察した。
「今回は役に入り込めていないの?」
「……うん。あまりにも自分とかけ離れていて、まだ理解が追いついていない」
「どんなキャラクターなの? 聞いてもいいなら」
そこで、東雲くんの目が泳ぐ。
言いづらそうにつぶやいた。
「……プレイボーイだって。編集さんから、今度は火遊びをテーマにしたオムニバスの話を持ってこられて。なぜかプレイボーイを指定された」
「プレイボーイ……。それはまた面倒だね」
普段あまり聞かない言葉だった。
遊び人、女たらし、チャラ男?
……ヤリ◯ンは口に出せたものじゃないな。
東雲くんの編集さんには会ったことがあるけど、絶対に面白がっていると思う。
「吉田さん」
「何?」
「放課後、付き合ってくれないかな?」
「ん?」
何にだろうと首を傾げていると、真面目な顔をして、とんでもない提案をされた。
「疑似デートをして欲しい」
「……あらまあ」
私は素頓狂な返事をするしかなかった。
……東雲はづき先生のためなら、首は縦に振るしか選択はないのだけど。
その役目が私でいいのかなって思うけど、付き合える人間は私しかいないんだ。
* * *
あっという間に時間が流れた、放課後。
授業そっちのけで役作りに励んでいたらしい東雲くんは、「ついてこいよ」と強気に私を街に連れ出した。
迷うことなく進む足取りに、目的地を確かめてみる。
「東雲くん、これはどこに向かってるの?」
「静が行きたがってた、パンケーキの店に行くぞ。並ぶみたいだけど、俺が一緒なら文句ないよな?」
……あらら。
名前呼び、一人称の変化、俺様キャラ?
素の東雲葉月くんは消失しているらしい。
でも、ひと言だけ突っ込みを入れさせてほしい。
隣の席である私は放っておけなかった。
「どうしたの?」
「……息詰まっている」
寝ても覚めても執筆のことを考えている東雲くんなので、それだけでスランプなのだと察した。
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「……うん。あまりにも自分とかけ離れていて、まだ理解が追いついていない」
「どんなキャラクターなの? 聞いてもいいなら」
そこで、東雲くんの目が泳ぐ。
言いづらそうにつぶやいた。
「……プレイボーイだって。編集さんから、今度は火遊びをテーマにしたオムニバスの話を持ってこられて。なぜかプレイボーイを指定された」
「プレイボーイ……。それはまた面倒だね」
普段あまり聞かない言葉だった。
遊び人、女たらし、チャラ男?
……ヤリ◯ンは口に出せたものじゃないな。
東雲くんの編集さんには会ったことがあるけど、絶対に面白がっていると思う。
「吉田さん」
「何?」
「放課後、付き合ってくれないかな?」
「ん?」
何にだろうと首を傾げていると、真面目な顔をして、とんでもない提案をされた。
「疑似デートをして欲しい」
「……あらまあ」
私は素頓狂な返事をするしかなかった。
……東雲はづき先生のためなら、首は縦に振るしか選択はないのだけど。
その役目が私でいいのかなって思うけど、付き合える人間は私しかいないんだ。
* * *
あっという間に時間が流れた、放課後。
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迷うことなく進む足取りに、目的地を確かめてみる。
「東雲くん、これはどこに向かってるの?」
「静が行きたがってた、パンケーキの店に行くぞ。並ぶみたいだけど、俺が一緒なら文句ないよな?」
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でも、ひと言だけ突っ込みを入れさせてほしい。
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