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家に帰ると、珍しく月奈の靴が玄関にあった。
足音を立てないようにして廊下を歩いていくと、楽しそうな話し声が聞こえてきた。どうやら通話中のようだった。
「昨日声を掛けてきた人たち、悪くなかったよねー。N高だっていうし、遊んであげてもいいかも」
……また男絡みか。
高校に入ってから、特に酷くなった気がする。
「でもさ、やっぱり煌大先輩だよ。一番タイプは」
「……」あの瞳を思い出して、月奈が横にいる姿を想像してしまった。
どんな目で月奈を見つめるのかとか。
なんで、こんなこと……。
意識しないようにするほど、あの瞳を思い出してしまう。
瞳だけは、綺麗だったと思う。
「何してるの、そんなところで。邪魔なんだけど」
「……あっ」
いつの間にか月奈は通話を終え、部屋から出てきていた。
冷淡な目が向けられ、舌打ちをされる。
月奈はメイクを濃くし、ハンドバッグを持っていた。
「どこに行くの?」
「うるさいな! 私に口出ししないでよ!」
ハンドバッグが振り下ろされ、額にぶつかった。
痛みに思わず瞼を閉じる。
バタバタと足音が聞こえ、目を開けると月奈の姿はもうなかった。
バタンッとドアが閉まる音を聞きながら、私は額に触れる。
「殴る必要は、ないんじゃないの……」
責める相手がいないから、不満は独り言になってしまった。
* * *
結局のところ、何度か顔は合わせたものの、夏休みに入るまでに裕人先輩からお誘いはなかった。
美化委員会の活動として、花壇に水やりがあるのでたまたま校内で出会うことはあるかもしれない。
秋の文化祭や体育祭のことで生徒会はよく集まっているようだから。
そんなことを考えながら、如雨露を片付けていると、「あっ」という声が聞こえてきた。
外で汗を流していた私と違い、涼しい顔をしたコウダイ先輩だった。
「ちょっと待っていて!」
そう言い残して走り去ったかと思えば、数分後にはスポーツドリンクのペットボトルを持って帰ってきた。
「これ、あげる。この間のお詫び、みたいな」
邪気のない笑顔に怯む。
受け取るまで引っ込めるつもりはない様子で、おずおずと受け取った。とても冷えていて美味しそうだった。
「ありがとうございます。……先輩のほうが汗だくになってますけど」
「あっ、本当だ。授業以外でこんなに走ったの久しぶりかも」
楽しそうに笑われて、調子が狂ってしまいそうになる。
こんなに笑いながら話しかけてくる人は珍しい。
気恥ずかしさを誤魔化すようにキャップを開けて、喉を鳴らして潤していく。
その様子を見つめるコウダイ先輩に気づいて、飲みながら視線を向けた。
「美味しい?」
「はい」
「良かった」
3分の2ほど一気に飲み干して、キャップを閉じる。
「……いらないなら、もらっていい? あんまりにも美味しそうだから、喉乾いちゃった」
「飲みかけですけど……」
「気にしないよ」
こっちは気にするけど、買ってきたのはこの人だ。
ペットボトルを見つめながら、手渡す。
コウダイ先輩は迷うことなく口をつけて飲んだ。喉仏が上下する。
「うまっ。分けてくれてありがとう!」
「……いえ」
女子との距離感がおかしいって言われていたけれど、何なんだろう、この人……。
ちょっと怖いかも。
妙に落ち着かない気分になる。
「……」
コウダイ先輩が私の顔を見つめたまま、首を傾げた。
「何ですか?」
「名前なんだっけ? 聞いてないよね?」
「……言ってないですね」
この人の中では、重要度の低いことなのだと感じた。
「俺はね、吉光煌大。煌めくと大きいで、煌大」
煌大っていう漢字なんだ。煌大先輩。
漢字が分かるだけで、形が濃くなった気がする。
「夕奈です。前野夕奈。月奈と一文字違いで、ユウは夕日のユウ」
「いい名前だね」
どうだろう。そう思ったことはない。
近くで見て気になったことを聞いてみる。
「先輩の、その髪は地毛ですか?」
「うん、生まれつき。目も変でしょ? これカラコンとかじゃないんだ」
変だなんて言いながら、先輩は笑っている。
これは……言われ慣れてる人の反応だと思う。
「変だとは思いません。とても、綺麗だと思いました」
本心から伝えても、お世辞にしか聞こえないかも。
その証拠に、「ありがとー」と返してきた煌大先輩の声は軽い。
真っ直ぐに見る。
灰色と水色。アンバランスな色なのに、なんでこんなに引き込まれるんだろう。
「……夕奈ちゃん?」
たじろいだ先輩のほうが視線を逸らした。
不躾に見すぎたかもしれない。
「私は好きですよ、その瞳」
「……君って、ちょっと変わってるって言われない?」
「言われたことはないです」
「そう……」
煌大先輩の耳は少し赤くなっていた。
それが暑さのせいだったのかは知らない。
* * *
勉強で埋め尽くされた真子と違い、私にはそれなりに時間があった。
今日は両親が揃って夕飯を食べることになり、ここ数年では数えるほどの出来事だった。
……月奈がいないのはいつものことだ。
「次はどこに出張に行くの?」
「九州のほうに3週間ほど。福岡や大分に行くことになっている」
父の好きなものが並んだ食卓で、母は矢継ぎ早に質問していく。
そのせいで父の箸の進みは何度も止まっている。
「温かいお茶を入れてくれないか」
「はいはい、待っていてね」
お湯を沸かしに母が席を立つと、父は息を吐いた。
「お土産を買ってくるから、夕奈は何が食べたい? この間買ってきたダックワーズはどうだった?」
「美味しかったよ。お母さんがほとんど食べちゃったけど」
「……全くあいつは。今度は2つ買ってくるから」
……2つ。3つじゃないんだね。
「あんまり気にしなくていいよ。お父さんが買ってくるものが正解だから」
「そうか、そうか」
目尻の皺を濃くする父は「あとで小遣いをやろう。夏休みだもんな」と小声で伝えてきた。母には内緒らしい。
「お待たせ。お父さんの好きな鮭明太を買っていたのを忘れていたわ。食べるでしょう?」
「……ああ」
再び、母の父への質問攻めが始まった。
付き合いきれないから、先にご馳走様を言って部屋に戻った。
一度も月奈の話題は出ることがなかった。
* * *
もうすぐ7月も終わろうとしている。
特に夏休みらしいこともせず、このまま8月も同じように過ぎていくのかなと思った。
塾の帰りに入ったカフェで考える。
父からもらった一万円札、何に使おうかな……。
大金のように見えて、使い方を考えないとすぐに使い切ってしまいそう。
その時、久しぶりに真子からメッセージが届いた。
勉強疲れを嘆く愚痴と、裕人先輩のことが綴られていた。
「一緒に映画に行ったら、か」
映画とその他の費用を一万円から引いて、微妙な気持ちになった。
裕人先輩は素敵な人だと思うけど、そこで止まってしまう。
あの真子の口振りでは、裕人先輩と関係を深めれば、私の将来は決まってしまう。
お医者さんの奥さんとなって、跡取りを産んで、その子を先輩や真子のように育てる。
出来なくはないと思う。
……けど、それは私では力不足じゃない?
まだ高校生だというのに、真子が外堀を埋めようとしてくるのが重荷であるし、それに気がかりもある。
私に気づいてほしくないだろうけど、真子は……。
ぼんやりと窓の外に目を向けると、毛先をピンク色に染めたロングヘアーが横切っていった。
持っていたハンドバッグには見覚えがありすぎた。
「……月奈」
急いでグラスを返却口に置き、その姿を追った。
見間違いじゃなければ、月奈と一緒にいた人達の中に、煌大先輩もいた。
なんで追いかけようと思ったのかは分からない。
ただ、またあの瞳を見たくなった。遠くからでもいいから。
足音を立てないようにして廊下を歩いていくと、楽しそうな話し声が聞こえてきた。どうやら通話中のようだった。
「昨日声を掛けてきた人たち、悪くなかったよねー。N高だっていうし、遊んであげてもいいかも」
……また男絡みか。
高校に入ってから、特に酷くなった気がする。
「でもさ、やっぱり煌大先輩だよ。一番タイプは」
「……」あの瞳を思い出して、月奈が横にいる姿を想像してしまった。
どんな目で月奈を見つめるのかとか。
なんで、こんなこと……。
意識しないようにするほど、あの瞳を思い出してしまう。
瞳だけは、綺麗だったと思う。
「何してるの、そんなところで。邪魔なんだけど」
「……あっ」
いつの間にか月奈は通話を終え、部屋から出てきていた。
冷淡な目が向けられ、舌打ちをされる。
月奈はメイクを濃くし、ハンドバッグを持っていた。
「どこに行くの?」
「うるさいな! 私に口出ししないでよ!」
ハンドバッグが振り下ろされ、額にぶつかった。
痛みに思わず瞼を閉じる。
バタバタと足音が聞こえ、目を開けると月奈の姿はもうなかった。
バタンッとドアが閉まる音を聞きながら、私は額に触れる。
「殴る必要は、ないんじゃないの……」
責める相手がいないから、不満は独り言になってしまった。
* * *
結局のところ、何度か顔は合わせたものの、夏休みに入るまでに裕人先輩からお誘いはなかった。
美化委員会の活動として、花壇に水やりがあるのでたまたま校内で出会うことはあるかもしれない。
秋の文化祭や体育祭のことで生徒会はよく集まっているようだから。
そんなことを考えながら、如雨露を片付けていると、「あっ」という声が聞こえてきた。
外で汗を流していた私と違い、涼しい顔をしたコウダイ先輩だった。
「ちょっと待っていて!」
そう言い残して走り去ったかと思えば、数分後にはスポーツドリンクのペットボトルを持って帰ってきた。
「これ、あげる。この間のお詫び、みたいな」
邪気のない笑顔に怯む。
受け取るまで引っ込めるつもりはない様子で、おずおずと受け取った。とても冷えていて美味しそうだった。
「ありがとうございます。……先輩のほうが汗だくになってますけど」
「あっ、本当だ。授業以外でこんなに走ったの久しぶりかも」
楽しそうに笑われて、調子が狂ってしまいそうになる。
こんなに笑いながら話しかけてくる人は珍しい。
気恥ずかしさを誤魔化すようにキャップを開けて、喉を鳴らして潤していく。
その様子を見つめるコウダイ先輩に気づいて、飲みながら視線を向けた。
「美味しい?」
「はい」
「良かった」
3分の2ほど一気に飲み干して、キャップを閉じる。
「……いらないなら、もらっていい? あんまりにも美味しそうだから、喉乾いちゃった」
「飲みかけですけど……」
「気にしないよ」
こっちは気にするけど、買ってきたのはこの人だ。
ペットボトルを見つめながら、手渡す。
コウダイ先輩は迷うことなく口をつけて飲んだ。喉仏が上下する。
「うまっ。分けてくれてありがとう!」
「……いえ」
女子との距離感がおかしいって言われていたけれど、何なんだろう、この人……。
ちょっと怖いかも。
妙に落ち着かない気分になる。
「……」
コウダイ先輩が私の顔を見つめたまま、首を傾げた。
「何ですか?」
「名前なんだっけ? 聞いてないよね?」
「……言ってないですね」
この人の中では、重要度の低いことなのだと感じた。
「俺はね、吉光煌大。煌めくと大きいで、煌大」
煌大っていう漢字なんだ。煌大先輩。
漢字が分かるだけで、形が濃くなった気がする。
「夕奈です。前野夕奈。月奈と一文字違いで、ユウは夕日のユウ」
「いい名前だね」
どうだろう。そう思ったことはない。
近くで見て気になったことを聞いてみる。
「先輩の、その髪は地毛ですか?」
「うん、生まれつき。目も変でしょ? これカラコンとかじゃないんだ」
変だなんて言いながら、先輩は笑っている。
これは……言われ慣れてる人の反応だと思う。
「変だとは思いません。とても、綺麗だと思いました」
本心から伝えても、お世辞にしか聞こえないかも。
その証拠に、「ありがとー」と返してきた煌大先輩の声は軽い。
真っ直ぐに見る。
灰色と水色。アンバランスな色なのに、なんでこんなに引き込まれるんだろう。
「……夕奈ちゃん?」
たじろいだ先輩のほうが視線を逸らした。
不躾に見すぎたかもしれない。
「私は好きですよ、その瞳」
「……君って、ちょっと変わってるって言われない?」
「言われたことはないです」
「そう……」
煌大先輩の耳は少し赤くなっていた。
それが暑さのせいだったのかは知らない。
* * *
勉強で埋め尽くされた真子と違い、私にはそれなりに時間があった。
今日は両親が揃って夕飯を食べることになり、ここ数年では数えるほどの出来事だった。
……月奈がいないのはいつものことだ。
「次はどこに出張に行くの?」
「九州のほうに3週間ほど。福岡や大分に行くことになっている」
父の好きなものが並んだ食卓で、母は矢継ぎ早に質問していく。
そのせいで父の箸の進みは何度も止まっている。
「温かいお茶を入れてくれないか」
「はいはい、待っていてね」
お湯を沸かしに母が席を立つと、父は息を吐いた。
「お土産を買ってくるから、夕奈は何が食べたい? この間買ってきたダックワーズはどうだった?」
「美味しかったよ。お母さんがほとんど食べちゃったけど」
「……全くあいつは。今度は2つ買ってくるから」
……2つ。3つじゃないんだね。
「あんまり気にしなくていいよ。お父さんが買ってくるものが正解だから」
「そうか、そうか」
目尻の皺を濃くする父は「あとで小遣いをやろう。夏休みだもんな」と小声で伝えてきた。母には内緒らしい。
「お待たせ。お父さんの好きな鮭明太を買っていたのを忘れていたわ。食べるでしょう?」
「……ああ」
再び、母の父への質問攻めが始まった。
付き合いきれないから、先にご馳走様を言って部屋に戻った。
一度も月奈の話題は出ることがなかった。
* * *
もうすぐ7月も終わろうとしている。
特に夏休みらしいこともせず、このまま8月も同じように過ぎていくのかなと思った。
塾の帰りに入ったカフェで考える。
父からもらった一万円札、何に使おうかな……。
大金のように見えて、使い方を考えないとすぐに使い切ってしまいそう。
その時、久しぶりに真子からメッセージが届いた。
勉強疲れを嘆く愚痴と、裕人先輩のことが綴られていた。
「一緒に映画に行ったら、か」
映画とその他の費用を一万円から引いて、微妙な気持ちになった。
裕人先輩は素敵な人だと思うけど、そこで止まってしまう。
あの真子の口振りでは、裕人先輩と関係を深めれば、私の将来は決まってしまう。
お医者さんの奥さんとなって、跡取りを産んで、その子を先輩や真子のように育てる。
出来なくはないと思う。
……けど、それは私では力不足じゃない?
まだ高校生だというのに、真子が外堀を埋めようとしてくるのが重荷であるし、それに気がかりもある。
私に気づいてほしくないだろうけど、真子は……。
ぼんやりと窓の外に目を向けると、毛先をピンク色に染めたロングヘアーが横切っていった。
持っていたハンドバッグには見覚えがありすぎた。
「……月奈」
急いでグラスを返却口に置き、その姿を追った。
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