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第388話 窮地に陥る百条委員会の委員長
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仁海との会食を終えた翌日、東京都議会議員の一人にして百条委員会の委員長を務める奥村は、ただ英数字を羅列するだけのパソコンを見て絶句する。
ノートパソコンの電源ボタンを押し、起動を待っている間にインスタントコーヒーを入れに行けばこの状況……。
時折、画面が真っ赤に染まり、コンピュータウイルスに感染してしまったかの様に髑髏マークが表示され、警告音が鳴り響く。
「い、一体、何が起こって……」
よりにもよって、百条委員会の資料を纏める為、使っていたパソコンがウイルスに侵されてしまった。
事態はそれだけに留まらない。
数分間……。たった数分間呆然としている間に、ノートパソコンが異常な警告音を発し、ボンッ!と音を立て壊れてしまう。
幸いな事に百条委員会で使っていた資料はクラウドにも保存してある。
それについては何とかなるだろう。問題はこのノートパソコンがコンピューターウイルスに感染していたという事だ。
アダルトなサイトにアクセスしていたのが拙かっただろうか。それとも、迷惑メールの本文にあったアドレスにアクセスしたのが拙かったのだろうか……。
いや、今はそんな事よりもこのノートパソコンに格納されていたデータが外に流出していないかどうかの方が問題だ。
このパソコンには、非公開のデータや都民にはとても見せる事のできないパワハラやおねだり疑惑の発端となった告発文書が格納されている。
あの資料が流出してしまえば、百条委員会が疑惑段階で軽率に不信任決議案を通した事がバレてしまう。
ついでに、これまで区が発注した工事の入札に関する情報を親族に横流しし、見返りを受けていた事まで発覚してしまう。
それだけは拙い。非常に拙い。
現に東京都千代田区では、同様の事をした区議会議員が懲役二年、執行猶予四年の判決を受けている。
バレれば、官製談合防止法違反及びあっせん収賄の罪に問われてしまう事は間違いない。
「…………っ!」
しかし、行動に移したくとも何をしたらいいかが分からない。
「おおおお、落ち着け……こんな時、どうすれば……私はどうしたらいい……!」
まずは警察か?
ウイルスバスターが役に立たず、パソコンから機密文書が流出しましたとでも通報すればいいのか??
いや、混乱しているな。そんなほぼ自白に近い通報できる筈がない。となれば、情報が漏洩した事を公表しなければ……。
百条委員会の資料が流出したとなれば、どんな叱責が飛んでくるか分からない。しかし、流出した事を週刊誌や新聞にすっぱ抜かれれば、政治家生命が断たれる可能性がある。
「わ、私の復讐はまだ終わっていない! こんな所で終わってたまるか!」
奥村は急ぎ、丸井に電話する。
「……丸井君。大変だ。百条委員会の資料が流出した。その件について何か聞いていないか?」
あくまでも自分が原因ではない様にそう尋ねると、丸井は慌てた様子を浮かべる。
『な、何故、その事をご存知なのですか!?』
「うん?」
どういう事だ? 話が噛み合わないな。
今、何故、その事をご存じなのですかとか言わなかったか?
「…………」
試しに、何も喋らないでいると気まずい空気感が流れ、丸井が焦った様子で謝罪する。
『も、申し訳ございません! どうやらパソコンがウイルスに感染していた様でして……』
「……っ!」
つまりはあれか?
こいつも私と同様、パソコンにウイルスが感染し、百条委員会の資料を流出させたと……そういう事なのか?
「君は……大変な事をしてくれたね……」
千載一遇。責任転嫁のチャンス到来。
奥村はここぞとばかりに丸井を叱責する。
「ウイルスに感染して情報を流出させるなんて、君は少し情報リテラシーがなってないんじゃないか? この責任、どう取るつもりだ。まさか、私が聞かなければ、しらばっくれるつもりだったんじゃないだろうな?」
『も、申し訳ございません!』
「私に謝罪されても困る。とにかく、情報が流出してしまった事は確かなんだ。今すぐにこの事を公表し謝罪しなさい」
そうすれば私の情報漏洩の事実は隠せる。
『し、しかし、そんな事をすれば、私は……』
醜い。あまりに醜い自己保身だ。
「この期に及んで自己保身に走るか……事は一刻を争う。マスコミが完全にこちら側の味方という訳じゃないんだぞ? 旗色が悪くなれば奴らはすぐに寝返る。自ら情報漏洩があった事を告白するのと、マスコミに嗅ぎつけられ情報漏洩を報じられるのとでは話が違う。君が自己保身に走り情報漏洩を隠匿するという事は百条委員会の信頼性を毀損する事に繋がるんだぞ! 何故、その事が分からない!」
『で、ですが、私は……』
「ですがじゃない! 今すぐ会見を開きなさい! もし君が情報漏洩の事実を公表しないというのであれば、私がその事を公表する。潔く自分で公表するか、他人に公表されるか、どちらの選択が自分にとって最良か何て子供でも分かる事だろう。大人になってまで恥を晒すんじゃない!」
お前が情報漏洩の責任すべてを引き取らなければ、百条委員会の委員長である私の管理責任が問われるだろうが!
当然、次の選挙にも影響する。
モブの分際で私の人生を掻き乱すな!
『わ、わかりました。少し時間を下さい』
馬鹿な事を言うな。
「……こちらで記者会見の準備をしておく。二時間後、指定の会場に来なさい」
『そ、そんな、これには私の人生が掛かって……』
そんな事は知った事ではない。
大事なのは自分の人生だ。
それにこいつが情報漏洩したのは紛れもない事実。
「二度は言わない。二時間後、指定の会場に来なさい。そこですべてを打ち明けるんだ。嫌なら来なくても構わないぞ。その時は私自ら情報漏洩の事実を公表するまでの事だ」
私も多少のダメージを受ける事になるが、情報漏洩の当事者になるより遥かにマシだ。
その際、漏洩した資料は丸井の妄想が多分に含まれた恣意的な文章であり、百条委員会の公式資料でない事を広くアピールしよう。
私の汚職資料も私を貶める為、丸井が創作した資料であるとのアピールも必要だな。
情報漏洩により丸井の信頼は失墜する。今更、一つや二つ名誉が棄損した所で変わりはしない。
「……これでよし」
パソコンが壊れてしまった為、大まかな会見内容を紙に書くと、会見場所と共に丸井の事務所にFAXした。
◆
二時間後。機材のチェックをする記者達を前に奥村は呟く様に言う。
「……やはり、丸井は来なかったか」
何となくそんな気はしていた。そこに驚きはない。
おそらく、送信したFAXの内容を受け入れる事ができなかったのだろう。
情報漏洩以外の罪も背負わせたのだから当然だ。
しかし、情報漏洩をしたからにはその罪も背負って貰わなければこちらが困る。
「えー、本日はお集まり頂きありがとうございます。本日、百条委員会の構成員である丸井議員のパソコンより百条委員会の資料が流出した事実が判明いたしました。丸井議員には情報漏洩の責任を取り、百条委員会の委員から辞任して頂きます――」
丸井議員に責任すべてを押し付ける記者会見を開いた数時間後、奥村の意に反し、丸井議員の訃報と百条委員会の構成員全員のパソコンから情報流出があった旨のニュースが全国放送で報じられた。
ノートパソコンの電源ボタンを押し、起動を待っている間にインスタントコーヒーを入れに行けばこの状況……。
時折、画面が真っ赤に染まり、コンピュータウイルスに感染してしまったかの様に髑髏マークが表示され、警告音が鳴り響く。
「い、一体、何が起こって……」
よりにもよって、百条委員会の資料を纏める為、使っていたパソコンがウイルスに侵されてしまった。
事態はそれだけに留まらない。
数分間……。たった数分間呆然としている間に、ノートパソコンが異常な警告音を発し、ボンッ!と音を立て壊れてしまう。
幸いな事に百条委員会で使っていた資料はクラウドにも保存してある。
それについては何とかなるだろう。問題はこのノートパソコンがコンピューターウイルスに感染していたという事だ。
アダルトなサイトにアクセスしていたのが拙かっただろうか。それとも、迷惑メールの本文にあったアドレスにアクセスしたのが拙かったのだろうか……。
いや、今はそんな事よりもこのノートパソコンに格納されていたデータが外に流出していないかどうかの方が問題だ。
このパソコンには、非公開のデータや都民にはとても見せる事のできないパワハラやおねだり疑惑の発端となった告発文書が格納されている。
あの資料が流出してしまえば、百条委員会が疑惑段階で軽率に不信任決議案を通した事がバレてしまう。
ついでに、これまで区が発注した工事の入札に関する情報を親族に横流しし、見返りを受けていた事まで発覚してしまう。
それだけは拙い。非常に拙い。
現に東京都千代田区では、同様の事をした区議会議員が懲役二年、執行猶予四年の判決を受けている。
バレれば、官製談合防止法違反及びあっせん収賄の罪に問われてしまう事は間違いない。
「…………っ!」
しかし、行動に移したくとも何をしたらいいかが分からない。
「おおおお、落ち着け……こんな時、どうすれば……私はどうしたらいい……!」
まずは警察か?
ウイルスバスターが役に立たず、パソコンから機密文書が流出しましたとでも通報すればいいのか??
いや、混乱しているな。そんなほぼ自白に近い通報できる筈がない。となれば、情報が漏洩した事を公表しなければ……。
百条委員会の資料が流出したとなれば、どんな叱責が飛んでくるか分からない。しかし、流出した事を週刊誌や新聞にすっぱ抜かれれば、政治家生命が断たれる可能性がある。
「わ、私の復讐はまだ終わっていない! こんな所で終わってたまるか!」
奥村は急ぎ、丸井に電話する。
「……丸井君。大変だ。百条委員会の資料が流出した。その件について何か聞いていないか?」
あくまでも自分が原因ではない様にそう尋ねると、丸井は慌てた様子を浮かべる。
『な、何故、その事をご存知なのですか!?』
「うん?」
どういう事だ? 話が噛み合わないな。
今、何故、その事をご存じなのですかとか言わなかったか?
「…………」
試しに、何も喋らないでいると気まずい空気感が流れ、丸井が焦った様子で謝罪する。
『も、申し訳ございません! どうやらパソコンがウイルスに感染していた様でして……』
「……っ!」
つまりはあれか?
こいつも私と同様、パソコンにウイルスが感染し、百条委員会の資料を流出させたと……そういう事なのか?
「君は……大変な事をしてくれたね……」
千載一遇。責任転嫁のチャンス到来。
奥村はここぞとばかりに丸井を叱責する。
「ウイルスに感染して情報を流出させるなんて、君は少し情報リテラシーがなってないんじゃないか? この責任、どう取るつもりだ。まさか、私が聞かなければ、しらばっくれるつもりだったんじゃないだろうな?」
『も、申し訳ございません!』
「私に謝罪されても困る。とにかく、情報が流出してしまった事は確かなんだ。今すぐにこの事を公表し謝罪しなさい」
そうすれば私の情報漏洩の事実は隠せる。
『し、しかし、そんな事をすれば、私は……』
醜い。あまりに醜い自己保身だ。
「この期に及んで自己保身に走るか……事は一刻を争う。マスコミが完全にこちら側の味方という訳じゃないんだぞ? 旗色が悪くなれば奴らはすぐに寝返る。自ら情報漏洩があった事を告白するのと、マスコミに嗅ぎつけられ情報漏洩を報じられるのとでは話が違う。君が自己保身に走り情報漏洩を隠匿するという事は百条委員会の信頼性を毀損する事に繋がるんだぞ! 何故、その事が分からない!」
『で、ですが、私は……』
「ですがじゃない! 今すぐ会見を開きなさい! もし君が情報漏洩の事実を公表しないというのであれば、私がその事を公表する。潔く自分で公表するか、他人に公表されるか、どちらの選択が自分にとって最良か何て子供でも分かる事だろう。大人になってまで恥を晒すんじゃない!」
お前が情報漏洩の責任すべてを引き取らなければ、百条委員会の委員長である私の管理責任が問われるだろうが!
当然、次の選挙にも影響する。
モブの分際で私の人生を掻き乱すな!
『わ、わかりました。少し時間を下さい』
馬鹿な事を言うな。
「……こちらで記者会見の準備をしておく。二時間後、指定の会場に来なさい」
『そ、そんな、これには私の人生が掛かって……』
そんな事は知った事ではない。
大事なのは自分の人生だ。
それにこいつが情報漏洩したのは紛れもない事実。
「二度は言わない。二時間後、指定の会場に来なさい。そこですべてを打ち明けるんだ。嫌なら来なくても構わないぞ。その時は私自ら情報漏洩の事実を公表するまでの事だ」
私も多少のダメージを受ける事になるが、情報漏洩の当事者になるより遥かにマシだ。
その際、漏洩した資料は丸井の妄想が多分に含まれた恣意的な文章であり、百条委員会の公式資料でない事を広くアピールしよう。
私の汚職資料も私を貶める為、丸井が創作した資料であるとのアピールも必要だな。
情報漏洩により丸井の信頼は失墜する。今更、一つや二つ名誉が棄損した所で変わりはしない。
「……これでよし」
パソコンが壊れてしまった為、大まかな会見内容を紙に書くと、会見場所と共に丸井の事務所にFAXした。
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「……やはり、丸井は来なかったか」
何となくそんな気はしていた。そこに驚きはない。
おそらく、送信したFAXの内容を受け入れる事ができなかったのだろう。
情報漏洩以外の罪も背負わせたのだから当然だ。
しかし、情報漏洩をしたからにはその罪も背負って貰わなければこちらが困る。
「えー、本日はお集まり頂きありがとうございます。本日、百条委員会の構成員である丸井議員のパソコンより百条委員会の資料が流出した事実が判明いたしました。丸井議員には情報漏洩の責任を取り、百条委員会の委員から辞任して頂きます――」
丸井議員に責任すべてを押し付ける記者会見を開いた数時間後、奥村の意に反し、丸井議員の訃報と百条委員会の構成員全員のパソコンから情報流出があった旨のニュースが全国放送で報じられた。
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