ゲーム内転移ー俺だけログアウト可能!?ゲームと現実がごちゃ混ぜになった世界で成り上がる!ー

びーぜろ

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第398話 責任

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 社長は息を切らしながら言う。

「だって、しょうがないじゃないかっ! お前等があんな偏向報道ばかりするからっ……! いい加減にしろよ! 私の言う事は一切聞かないで勝手な言葉から抜かしてっ!! 私は言ったよなっ! 言ったよなっ! 取材の原則として一方の当事者に不利益な報道をする際は、必ずその人の言い分も聞いて反映しなければいけないって! 当たり前の事を当たり前に! それを徹底するよう言ったよなァァァァ!!」

 前社長はそれが原因で退任した。役員も社員も総入れ替え。
 なのにまたこの体たらく……!
 歴史は繰り返すといわれているが、早すぎるだろっ! 早すぎるっ!
 喉元を通り過ぎたと考えるのが早すぎるっ!

 その結果、偏向報道だ。

「お前等、この会社を潰す気かァァァァ!! 従わない場合、外資に株を売り渡すと報告を受けた。そうなれば、どうなるかなんて火を見るより明らかだろうがァァァァ!!」
「「「……っ!?」」」

 現在の法律に基けば、外国人株主の議決権比率が二十パーセントを超えた場合、放送免許剥奪となる。
 実際そう定められている。
 一応、やむを得ない事情で不適合となった事業者は認定または免許の取り消しを猶予するなどの措置を検討して貰えるが、金に糸目を付けず株を買い漁る姿勢からそれは不可能。なんなら、取締役の外国人比率を上げるとまで言われている。
 放送免許が剥奪されれば、会社が潰れるのは時間の問題だ。

「……同業他社も皆、同じ状況に追い込まれた。親会社の株が狙われたのだ。子会社である我々にはどうしようもない。それにもしだ。もし万が一、すべての放送局が放送免許を剥奪されたらどうする。社会は間違いなく混乱する。相手はそれを我が社だけに留めてやると暗に脅しているのだ。もうどうしようもない」
「も、もしそうだとしても、それをなんとかするのが社長としてのあんたの役割じゃないか!」
「開き直るな! 社長の椅子を賭けて交渉するなりやりようはいくらでもあるだろ!」
「お、お前ら……!」

 誰のせいでこんな事になって……!
 お前らが原因でこんな事になっているというのに言いたい放題言いやがって……
 もう破れかぶれだ。

「なら、お……やれ……!」
「え? なんです!? もっとハッキリ言ってください!」

 社員の遠慮ない言葉に辛うじて残っていた理性の糸がブチ切れる。
 もう我慢の限界だ。

「なら……ならば、お前がやれェェェェ!!」

 ハッキリ怒声を浴びせ掛けると、社員達は目を見開き黙り込む。
 普段、怒る所を見せた事がないから驚いているのだろう。
 だが、もうそんな事は知らん。
 私は出来もしない事を他人にやらせようとする大馬鹿者が大嫌いなのだ。
 私は社員を指差して言う。

「今日、臨時取締役会を開き代表交代の決議を略式で行う。監査役を含む取締役の殆どが一身上の都合で退任した。親会社もこちら側の意向を尊重すると言っている。だから問題ない。決議も必ず通す。社長のイスを賭けて交渉するなりやり方は幾らでもあるんだろ? 社長だ。今日からお前が社長だ! やれるもんならやって見ろ!」

 すると文句を言っていた社員は途端に俯き喋らなくなる。

「おいコラ! 何とか言ったらどうだッ! 社長の座をくれてやるって言っているんだよ! やれるんだろ? やれるんだよなァ! それだけの大口を叩くんだ。当然、やれるんだよなァァァァ!!」

 まだまだ気が治らない。
 私は俯いたまま黙り込む社員達に向かって怒鳴り散らす。

「やれるんだろ? 自分ならやれると思ったから言ったんだよな! まさか、お前ら、自分が出来ない事を私にやれと言ったのか? 自分が出来ない事を人にやらせようとして責め立てていたのか? できもしない癖に文句を言うなんて恥ずかしいと思わないのか?」
「……お、俺達は社長じゃない。そんな事を言う力なんて」
「だぁーかぁーらぁー! 社長の座ならくれてやると言っているだろうがァァァァ!」

 何度も同じ事を言わせるな。

「――社長の座があれば、お前らが今言ったこと全部できるんだろ? 社長の座を賭けてとか言う位だもんなぁ! だから社長の座をくれてやるって言ってるんだよ! お前らは難局を難局と認識していないんだろ? 私が何もせずこの結論に至ったと考えているんだろ? 自分が社長ならこうはならない。そう思うから私の決断を批判するんだろ? ならやって見ろよ。社長の地位ならいつでもくれてやる。やって見ろって言ってるんだよ!」

「「…………」」

 ついに何も言わなくなってしまった社員達を指差して怒鳴り散らす。

「決めた。君と君と君と君達を代表権のある役員に登用しよう。皆、社長だ。社長と同等の代表権を与える。逃げる事は許さん。文句には責任が伴う。もし職務放棄して逃げたら訴えてやるからな!」

 すると、社員の一人がポツリと言う。

「そんな……それじゃあ、まるでハラスメントじゃないですか……」
「はぁ?」

 ハラスメント?

「――では、お前達がやってるこれは何だァァァァ!? 社長一人を取り囲んで責め立てるのはハラスメントではないのかァァァァ!? 社員なら社長に何を言ってもいいと本気で思っているのか!? そんな訳がないだろ! 私も人間なんだよ! 責め立てられれば心が壊れるただの人間なの! 何がハラスメントだ。都合の良い時だけ弱者ぶるなァァァァ! それともなんだ。社長なんだから許容しろとでもいうのか? 言葉の集団リンチしておいて社長なんだから当然とか本気で思っているのか? 社長をなんだと思っているんだ? ハラスメントがどうだと叫びたいのはこっちの方なんだよ!! 誰のせいで……誰のせいでこんな事になってると思ってる。お前だ。お前らが偏見報道するからこんな事になっているんだ。私の意見は聞き入れない癖に何を言っている。言ったよな!? 確かに私は言ったよなァ! 偏見報道はやめろと社長就任挨拶の時言ったよなァァァァ!? 両論併記を心掛けろと……言う事を聞かなかったら社内規定に基づき厳罰に処すると言ったよなァァァァ! なのに報道の自由を盾にとって勝手な報道し、問題が発生すれば、その責任はすべて社長のせい? ふざけるなァァァァ!!!! お前らの勝手な暴走の責任はお前らが取れよ。お前らのくだらない思想が巻き起こした責任を社長であるこの私に押し付けるなァァァァ!!」

 私は拳でテーブルを叩き、泣きながら言う。

「――私だってなァ! 私だって、免許はく奪を回避したいさ! でも、できなかった! 前任者の過ちを繰り返さないよう体制を整える前に、偏向報道されたらどうすりゃいいんだよっ! お前等に分かるか? 私の悔しさがお前らに分かるか!? 過ちを繰り返さないようできる事から少しづつ改革を進めていたら、まだそんな日数もたっていないのに過去の過ちを忘れ、偏向報道を繰り返され、放送免許はく奪の憂き目にあったこの私の悔しさが分かるか!? わかる訳ないよなぁ!? 結局、大事なのは自分だけ……自分の主義主張を公共放送として偏向報道したいだけだもんなァァァァ!!」

 もうメチャクチャだ。感情がメチャクチャ。
 自分では制御できないぐらいムチャクチャ。

「私は責任を取り辞任する。会社も辞めるし、会社が損害賠償を支払えと言うなら弁護士を立て私が会社に与えた損害は支払おう。だがな、お前らも道連れだ。偏向報道を断行した責任は取ってもらう。責任者だけではない。この件に関わったお前ら全員にだ!! もしそれが嫌だと言うならお前らも弁護士を雇え。裁判以外にお前らの大好きな第三者委員会を立ち上げ第三者視点から徹底的に何が問題でこんな事になったのか調査してやる。弁護士会に調査委員の選定は頼まん。アレもお前らと同様の思想に染まり切っているからな。第三者委員会の委員には忖度なしで芸能界の闇を暴いたBAコンサルティングに依頼する。その結果の如何次第で記者会見も行う。説明責任を果たさなければならないからな。わかったか! わかったら首を洗って自宅謹慎していろ! この大馬鹿者共がァァァァ!!!!」

 裁判と第三者委員会による調査、そして説明責任を果たすための記者会見。
 問題を起こした企業が出ると、まるでオウムのようにマスコミが繰り返してきた言葉。
 まさか、自分がその対象になると思っていなかった社員達は社長から出たその言葉を聞き呆然とした表情を浮かべた。
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