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第七章 教会編
第196話 その後①
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「さあ、悠斗様。食事ができました。ルチア様もそちらにお座り下さい。」
屋敷神の代わりに食事を作ってくれた土地神が笑顔を浮かべダイニングにあるテーブルに料理の配膳をしていく。
「ありがとう土地神。すごーく美味しそうな香りだね。」
「すごーく美味しそうなのではなく、美味しいのですよ悠斗様。今日は色々あって疲れたでしょう。ルチア様も遠慮なさらずどんどん食べて下さい。」
「はい。ありがとうございます。」
俺とルチアがスプーンを手に取り、じっくりと煮込まれたシチューを口に入れると、優しい味が口の中に広がっていく。
「美味しい……。」
ルチアがそう呟くと、土地神はルチアに向かって頭を下げる。
「ルチア様。本日は一時的とはいえ、客人であるルチア様を危険に合わせてしまい申し訳ございません。」
「い、いえっ、そんな事は! 頭を上げて下さい! むしろ、ご迷惑をお掛けしてしまい申し訳ございません。それに、助けて頂いて本当に感謝しております。」
不思議な光景だ……。
二人揃って謝り合っている。
シチューを口に運びながらその光景を眺めていると、不意に空間が歪み、ダイニングにロキが顕れた。
「ただいま~♪いや~終わった終わった♪悠斗様~ボクやったよ! 万能薬の販路は開拓したし、ボクにも使徒ができたし万々歳だね♪これから忙しくなるよ~。」
「えっ、万能薬の販路ってどういう事?」
「教会の権威を回復する為に、悠斗様から万能薬を買って、無料配布する事にしたんだ♪これなら、悠斗様もハッピー、教会の権威も回復してハッピーだよね♪今はボクの使徒ソテルがその音頭を取ってる所。教会組織はこれから嫌でも変わっていくよね。」
販路を開拓してくれたのは嬉しいけど……。それって今以上に万能薬を作らないといけないって事⁉︎
「ううっ……できれば一言相談して欲しかったよ。」
終わった事は仕方がない。
こうなったら聖属性魔法を信頼できる従業員に付与して、万能薬専門の部署を作ろう……。
「ロキ様、先程、僕の使徒ソテルと仰いましたが、それは……。」
「気になる~気になっちゃう~♪そう、ソテルは正式にボクの第一使徒となりました! 彼女にはボク直々に話をしておいたから、もうそんな狂気的な行動はしないと思うよ♪多分ね。」
ロキのいう多分はまるで信用できない。
「あっ、ボクのいう事信用できないって顔してるね♪大丈夫、大丈夫。使徒の行動は事前に把握できる様手を打つつもりだし、次何か問題を起こそうものならボク直々に対処するからさ♪これで安心だね。」
「では、私も聖国に戻ってそのお手伝いを……。」
ルチアの言葉をロキが止める。
「う~ん。今はやめておいた方がいいかな? 此処からだと聖国は遠いし、今教会は良くも悪くも変わろうとしている。ボクの使徒によってね♪神へ祈りを捧げたりするのは、此処にある教区教会で済むしね。元々此処にある教区教会はソテルが治めていたし、ボクからソテルに話を通してあげるよ♪今日から君がフェロー王国王都にある教区教会の責任者さ。しっかり神に祈りを捧げるんだよ♪じゃないとボクが他の神に叱られちゃうからね。」
「はっ、はい!」
「あとね~これはボクからのお願いなんだけど、君にはスラムの子たちにも、生活魔法を与えてあげて欲しいんだ♪喜捨なしでね。」
「喜捨なしでですか⁉︎」
「そうだよ~♪元々、喜捨は貧者にするものだよ。貧者じゃない教会が貧者から喜捨取ってどうするのさ。それに少なくとも、生活魔法が使える様になるだけでも生活って全然変わってくると思うんだよね♪」
なるほど、ロキのいう事はもっともだ。
生活魔法が使える。ただそれだけで生活は一変する。
「承知いたしました。」
ルチアもロキの言葉に頷いている。
いつもチャランポランな自由神としか思っていなかったけど、こういう事もちゃんと言えるんだなと、少し感心してしまった。
「ああ、あとソテルに殺されちゃった人たちだけど、人外に生き返らせたからね♪大丈夫、大丈夫。欲に塗れた教皇や、次代の教皇になる為、ロビー活動に夢中だった枢機卿も、異端審問官もみーんなボクの使徒ソテルが管理してるから♪心を入れ替え働いてくれるボクの使徒に任せればみーんな解決さ♪」
と思ったら、一番最後にとんでもない爆弾を放り込んできた。
今回暴走して教会の権威を失墜まで追い込んだ人に任せて本当に大丈夫だろうか?
何かがあった時、真っ先に爆発しそうで怖い。
「ロキさん? それ本当に大丈夫なの……? それってただ教会組織をロキさんの傀儡化しただけじゃあ……。」
「まあそうともいうね。信者に祈りを捧げて貰っているのに何もしない無能な神々より、有能だけど余り働かないボクが、有能な使徒を使って教会組織を見守る方がいいと思うんだよね♪」
確かにそうかも知れないけど、なんか釈然としない。というよりその神々も、そんな事をロキに言われたくないと思う。
こうして教会はロキに乗っ取られ、ユートピア商会は知らず知らずの内に、教会への販路を獲得したのだった。
屋敷神の代わりに食事を作ってくれた土地神が笑顔を浮かべダイニングにあるテーブルに料理の配膳をしていく。
「ありがとう土地神。すごーく美味しそうな香りだね。」
「すごーく美味しそうなのではなく、美味しいのですよ悠斗様。今日は色々あって疲れたでしょう。ルチア様も遠慮なさらずどんどん食べて下さい。」
「はい。ありがとうございます。」
俺とルチアがスプーンを手に取り、じっくりと煮込まれたシチューを口に入れると、優しい味が口の中に広がっていく。
「美味しい……。」
ルチアがそう呟くと、土地神はルチアに向かって頭を下げる。
「ルチア様。本日は一時的とはいえ、客人であるルチア様を危険に合わせてしまい申し訳ございません。」
「い、いえっ、そんな事は! 頭を上げて下さい! むしろ、ご迷惑をお掛けしてしまい申し訳ございません。それに、助けて頂いて本当に感謝しております。」
不思議な光景だ……。
二人揃って謝り合っている。
シチューを口に運びながらその光景を眺めていると、不意に空間が歪み、ダイニングにロキが顕れた。
「ただいま~♪いや~終わった終わった♪悠斗様~ボクやったよ! 万能薬の販路は開拓したし、ボクにも使徒ができたし万々歳だね♪これから忙しくなるよ~。」
「えっ、万能薬の販路ってどういう事?」
「教会の権威を回復する為に、悠斗様から万能薬を買って、無料配布する事にしたんだ♪これなら、悠斗様もハッピー、教会の権威も回復してハッピーだよね♪今はボクの使徒ソテルがその音頭を取ってる所。教会組織はこれから嫌でも変わっていくよね。」
販路を開拓してくれたのは嬉しいけど……。それって今以上に万能薬を作らないといけないって事⁉︎
「ううっ……できれば一言相談して欲しかったよ。」
終わった事は仕方がない。
こうなったら聖属性魔法を信頼できる従業員に付与して、万能薬専門の部署を作ろう……。
「ロキ様、先程、僕の使徒ソテルと仰いましたが、それは……。」
「気になる~気になっちゃう~♪そう、ソテルは正式にボクの第一使徒となりました! 彼女にはボク直々に話をしておいたから、もうそんな狂気的な行動はしないと思うよ♪多分ね。」
ロキのいう多分はまるで信用できない。
「あっ、ボクのいう事信用できないって顔してるね♪大丈夫、大丈夫。使徒の行動は事前に把握できる様手を打つつもりだし、次何か問題を起こそうものならボク直々に対処するからさ♪これで安心だね。」
「では、私も聖国に戻ってそのお手伝いを……。」
ルチアの言葉をロキが止める。
「う~ん。今はやめておいた方がいいかな? 此処からだと聖国は遠いし、今教会は良くも悪くも変わろうとしている。ボクの使徒によってね♪神へ祈りを捧げたりするのは、此処にある教区教会で済むしね。元々此処にある教区教会はソテルが治めていたし、ボクからソテルに話を通してあげるよ♪今日から君がフェロー王国王都にある教区教会の責任者さ。しっかり神に祈りを捧げるんだよ♪じゃないとボクが他の神に叱られちゃうからね。」
「はっ、はい!」
「あとね~これはボクからのお願いなんだけど、君にはスラムの子たちにも、生活魔法を与えてあげて欲しいんだ♪喜捨なしでね。」
「喜捨なしでですか⁉︎」
「そうだよ~♪元々、喜捨は貧者にするものだよ。貧者じゃない教会が貧者から喜捨取ってどうするのさ。それに少なくとも、生活魔法が使える様になるだけでも生活って全然変わってくると思うんだよね♪」
なるほど、ロキのいう事はもっともだ。
生活魔法が使える。ただそれだけで生活は一変する。
「承知いたしました。」
ルチアもロキの言葉に頷いている。
いつもチャランポランな自由神としか思っていなかったけど、こういう事もちゃんと言えるんだなと、少し感心してしまった。
「ああ、あとソテルに殺されちゃった人たちだけど、人外に生き返らせたからね♪大丈夫、大丈夫。欲に塗れた教皇や、次代の教皇になる為、ロビー活動に夢中だった枢機卿も、異端審問官もみーんなボクの使徒ソテルが管理してるから♪心を入れ替え働いてくれるボクの使徒に任せればみーんな解決さ♪」
と思ったら、一番最後にとんでもない爆弾を放り込んできた。
今回暴走して教会の権威を失墜まで追い込んだ人に任せて本当に大丈夫だろうか?
何かがあった時、真っ先に爆発しそうで怖い。
「ロキさん? それ本当に大丈夫なの……? それってただ教会組織をロキさんの傀儡化しただけじゃあ……。」
「まあそうともいうね。信者に祈りを捧げて貰っているのに何もしない無能な神々より、有能だけど余り働かないボクが、有能な使徒を使って教会組織を見守る方がいいと思うんだよね♪」
確かにそうかも知れないけど、なんか釈然としない。というよりその神々も、そんな事をロキに言われたくないと思う。
こうして教会はロキに乗っ取られ、ユートピア商会は知らず知らずの内に、教会への販路を獲得したのだった。
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