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第14話 国王ですか? いいえ俺は大王になります
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神薬アムリタにより20代へと若返り、顔面を整形した大賢者スラングと共に彼方の世界に転移すると、呆然とした表情を浮かべる王様がいた。
「ゆ、勇者マコトよ。お主、もしや元の世界に戻る事ができるのか? それに隣にいるのは……まさか大賢者スラングか!?」
ハジマリノ王国の国王が恐る恐る呟くと、勇者マコトはこう口にした。
「ああ、そうっすね」
敬意のかけらもありはしない。
国王は手の平を頭に当てると、『はぁ~』と呟く。
「大賢者スラングの事は一時置いておこう。勇者マコトよ。お主の望みを言うが良い。私に叶える事ができる範囲であればできるだけ叶えよう。しかし……」
「しかし、なんでしょうか?」
勇者マコトがそう呟くと王様が土下座する。
「私から国王の座は奪わないで下さい!」
なんだ。そんな事か……。
『しかし……。』とか言葉を溜めるから何を言い出すのかと思った。
安心してほしい。
俺は大魔王コサカから世界を救った救世の英雄。
大魔王から世界を救った後、国政に打って出る程お人好しではない。
年がら年中回遊していないと死んでしまうマグロとは違う。ワーカーホリックとも違うのだ。
これからの人生はエロく、楽しく生きると決めている。
「安心して下さい国王陛下。俺は国王になる気なんてさらさらありません」
言い方が引っかかるものの、国王はガバリと顔を上げる。
「本当かっ! いえ、失礼致しました。本当ですか!?」
「はい。俺は国王になる気はありません。……俺は今この時よりハジマリノ王国の初代大王になります」
国王は勇者マコトの大王発言に驚愕の表情を浮かべる。
「ああ、安心して下さい。俺が欲しいのは権力だけですので、今まで国王陛下が行っていた政務をする気はありません。俺の要望としては、国王陛下よりも偉い立場を要求します」
「ち、ちょっと待ってくれ! 責任ある立場と仕事を要求するのであればともかく、仕事もせず
私より高い位を望むというのか!?」
国王は意味がわからないといった表情を浮かべると、勇者マコトは平然とした表情で答る。
「仕事もせず……? いえいえ、俺はここにいる誰よりも働き者ですよ。何せ大魔王コサカを南極大陸に封印し、南極大陸以外の全てを自由にする権利を得たのですから……」
そう勇者マコトは国に言われた通りの仕事を全うしている。それも誰にも成し遂げる事のできなかった偉業を……。
それを言われては国王も黙るしかなかった。
「う……むむっ」
国王は諦めの表情を浮かべると、嫌々それを認める発言をする。
「わ、わかった。いえ、わかりました。今この時をもってあなた様がこの国の大王です」
「ああ、責任のない重役ではありますが、権利だけはしっかり使わせて貰う事を約束しましょう」
国王はとんでもない事を平然と言う勇者マコトに頭を抱える。
「勇者マコト……いえ、大王陛下。これだけはお願いしてもよろしいでしょうか……」
勇者マコトは怪訝な表情を浮かべるも、国王の話を聞く事にした。
「なんですか?」
「決して民を悲しませる様な行為は行わない事。そして有事の際には、大王陛下の御力をお借りしたい事。それだけは何卒……何卒お願いします」
そんな事は当たり前の事だ。
民に嫌われても、国がなくなっても楽しい楽しいセカンドライフは送れない。
勇者マコトは、なんだそんな事かという表情を浮かべると国王に向かって話しかける。
「安心して下さい。民に嫌われ、有事で国が亡くなったら、どうやって楽しいセカンドライフを送れと言うんですか。民を悲しませる事はしません。当然、有事の際には俺自ら力を振るいましょう」
「おお、ありがとうございます」
行っている事はクズそのものだが、有事の際に力を振るってくれるのはありがたい。
国王は心の底から安堵する。
「それで、大王陛下。陛下が住む場所についてですが……。何文、突然の事でしたので用意しておりません。暫くの間、王城の貴賓室に……」
「いえ、それには及びません」
「えっ!?」
それは及びませんとはどう言う事だろうか……。
国王は恐る恐る口を開く。
「大王陛下。それには及びませんとはどういう……」
「俺は今日からかぐや姫の部屋で寝食を共にします」
愛娘、かぐやと寝食を共にする?
今コイツ愛しのかぐやちゃんと寝食を共にすると言ったのか此奴?
国王は怒りに震えながら呟く。
「だ、大王陛下……。今なんと?」
「うん? 聞こえなかったのか? 俺は今日からかぐや姫の部屋で寝食を共にすると言ったの……」
勇者マコトが言葉を言い切る前に、国王の怒りが爆発する。
「許さん。婚約も結んでいないのに寝食を共にするなど絶対に許さんぞ! それにかぐやちゃんはまだ仕上がっていないのだ。このままそなたに会わせるわけにはいかん!」
住む場所を用意していないと言ったから代替案を出したつもりが、国王が大激怒してしまった。
それに仕上がっていないとはどう言う事だろうか?
国王がブチ切れ、勇者マコトが混乱しているその時、王の間の扉が開かれる。
そこには膨よかな体付きとなったかぐや姫が佇んでいた。
「ゆ、勇者マコトよ。お主、もしや元の世界に戻る事ができるのか? それに隣にいるのは……まさか大賢者スラングか!?」
ハジマリノ王国の国王が恐る恐る呟くと、勇者マコトはこう口にした。
「ああ、そうっすね」
敬意のかけらもありはしない。
国王は手の平を頭に当てると、『はぁ~』と呟く。
「大賢者スラングの事は一時置いておこう。勇者マコトよ。お主の望みを言うが良い。私に叶える事ができる範囲であればできるだけ叶えよう。しかし……」
「しかし、なんでしょうか?」
勇者マコトがそう呟くと王様が土下座する。
「私から国王の座は奪わないで下さい!」
なんだ。そんな事か……。
『しかし……。』とか言葉を溜めるから何を言い出すのかと思った。
安心してほしい。
俺は大魔王コサカから世界を救った救世の英雄。
大魔王から世界を救った後、国政に打って出る程お人好しではない。
年がら年中回遊していないと死んでしまうマグロとは違う。ワーカーホリックとも違うのだ。
これからの人生はエロく、楽しく生きると決めている。
「安心して下さい国王陛下。俺は国王になる気なんてさらさらありません」
言い方が引っかかるものの、国王はガバリと顔を上げる。
「本当かっ! いえ、失礼致しました。本当ですか!?」
「はい。俺は国王になる気はありません。……俺は今この時よりハジマリノ王国の初代大王になります」
国王は勇者マコトの大王発言に驚愕の表情を浮かべる。
「ああ、安心して下さい。俺が欲しいのは権力だけですので、今まで国王陛下が行っていた政務をする気はありません。俺の要望としては、国王陛下よりも偉い立場を要求します」
「ち、ちょっと待ってくれ! 責任ある立場と仕事を要求するのであればともかく、仕事もせず
私より高い位を望むというのか!?」
国王は意味がわからないといった表情を浮かべると、勇者マコトは平然とした表情で答る。
「仕事もせず……? いえいえ、俺はここにいる誰よりも働き者ですよ。何せ大魔王コサカを南極大陸に封印し、南極大陸以外の全てを自由にする権利を得たのですから……」
そう勇者マコトは国に言われた通りの仕事を全うしている。それも誰にも成し遂げる事のできなかった偉業を……。
それを言われては国王も黙るしかなかった。
「う……むむっ」
国王は諦めの表情を浮かべると、嫌々それを認める発言をする。
「わ、わかった。いえ、わかりました。今この時をもってあなた様がこの国の大王です」
「ああ、責任のない重役ではありますが、権利だけはしっかり使わせて貰う事を約束しましょう」
国王はとんでもない事を平然と言う勇者マコトに頭を抱える。
「勇者マコト……いえ、大王陛下。これだけはお願いしてもよろしいでしょうか……」
勇者マコトは怪訝な表情を浮かべるも、国王の話を聞く事にした。
「なんですか?」
「決して民を悲しませる様な行為は行わない事。そして有事の際には、大王陛下の御力をお借りしたい事。それだけは何卒……何卒お願いします」
そんな事は当たり前の事だ。
民に嫌われても、国がなくなっても楽しい楽しいセカンドライフは送れない。
勇者マコトは、なんだそんな事かという表情を浮かべると国王に向かって話しかける。
「安心して下さい。民に嫌われ、有事で国が亡くなったら、どうやって楽しいセカンドライフを送れと言うんですか。民を悲しませる事はしません。当然、有事の際には俺自ら力を振るいましょう」
「おお、ありがとうございます」
行っている事はクズそのものだが、有事の際に力を振るってくれるのはありがたい。
国王は心の底から安堵する。
「それで、大王陛下。陛下が住む場所についてですが……。何文、突然の事でしたので用意しておりません。暫くの間、王城の貴賓室に……」
「いえ、それには及びません」
「えっ!?」
それは及びませんとはどう言う事だろうか……。
国王は恐る恐る口を開く。
「大王陛下。それには及びませんとはどういう……」
「俺は今日からかぐや姫の部屋で寝食を共にします」
愛娘、かぐやと寝食を共にする?
今コイツ愛しのかぐやちゃんと寝食を共にすると言ったのか此奴?
国王は怒りに震えながら呟く。
「だ、大王陛下……。今なんと?」
「うん? 聞こえなかったのか? 俺は今日からかぐや姫の部屋で寝食を共にすると言ったの……」
勇者マコトが言葉を言い切る前に、国王の怒りが爆発する。
「許さん。婚約も結んでいないのに寝食を共にするなど絶対に許さんぞ! それにかぐやちゃんはまだ仕上がっていないのだ。このままそなたに会わせるわけにはいかん!」
住む場所を用意していないと言ったから代替案を出したつもりが、国王が大激怒してしまった。
それに仕上がっていないとはどう言う事だろうか?
国王がブチ切れ、勇者マコトが混乱しているその時、王の間の扉が開かれる。
そこには膨よかな体付きとなったかぐや姫が佇んでいた。
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