女性恐怖症の高校生

こじらせた処女

文字の大きさ
32 / 36

3-11

しおりを挟む

「なんでっ、わらうのぉっ、」
秋葉さんはクスクスと笑っている。そんで、ずっと俺の背中を撫でている。
「ごめんね、しんどいのにね。宇津希がちっちゃい子みたいで可愛くて」
「なに、それ、さいてい、ばか、」
「ふふっ、…そうだね、最低だね、ごめんね?」
「またわらったぁ、…、っひ、」
「ごめんごめん。でもね?ずっとこのままじゃお腹苦しいでしょ?もうちょっとだけ頑張れるね?」
「……っ、ん、」
「よしいい子」
頭をポンポンと叩かれて、腕を引かれて。後ろから抱き抱えられてまた、さすられるお腹。
「泣いてたら余計力入っちゃうよ?」
「っ、っん゛、」
息を止めても、深呼吸をしても、涙は止まったけどしゃっくりは依然出たまま。便器の前でいつもみたいに性器を持たされる。
「ここはトイレ。おしっこしていい場所。分かる?」
「…そんなの、わかって、」
「そうだね。わかってるよね。でもね、体は分かってないみたい」
「んっ、」
肩を何度か軽く叩かれて、摩られて、揉まれて。
「背中とー…腕も。緊張してる。手ぶらーんってしてみよっか」
「リラックスリラックス。足も広げてみ?」
無意識に寄っていた膝が開かれる。脚の付け根を軽く揉まれて初めて、そこに力が入っていたのだと実感した。
「あとはココ。お腹だけ」
未だ何度も撫でられているそこは、ぽっこりと膨らんだまま。冷えていた腹は随分と温まった。秋葉さんの手の感触にも慣れたぐらいに。
どうやってしてたっけ。どうやっておしっこを出してたっけ。考えれば考えるほど分かんなくなって、そしたらまた意識してしまって。
「しーしーって言ってみよっか」
「っ、ぇ、」
「おまじない。自分で言った方が効果あるよ?」
意味わかんない。そんな恥ずかしい言葉。一気に顔が熱くなって、嫌だと思わず呟いた。
「俺も一緒に言うからさ。ほら、しーしー、」
「っ、しぃ…しぃ…?」
「上手。しぃー、しぃー」
耳元でかかる息と、甘い声。何度も何度も2人で繰り返す、「おまじない」。

「……ぁ、ぁあっ、」
そう時間はかからなかった。全身に電流が流れたみたいに震えて、先端にぶわぁと熱が広がる。
やっと。やっとおしっこが出来る。チョロリと便器に吸い込まれる音が聞こえた。
「ぁっ、んっ、んんっ、んんんんっ、」
「こーら、焦らない。これでいいの」
止まってしまう、そう思って反射で気張ってしまったタイミングで、3本の指で優しくくるくると膀胱を撫でる秋葉さん。
「だって、こんなんじゃおわらないっ、」
「足が生えてる訳でもないんだから。便器は逃げません。ゆーっくりでいいの。ほら、しーしー言うの止まってるよ?」
俺の焦りとは裏腹に、間抜けな掛け声を続け、俺のお腹を変わることなく撫で続けている。

「しぃーー…しぃーー…」
じゅぃ…じゅぅ…

「しぃっ…しぃーー…ぁっ、、」
じゅぃぃい…じゅぅうううう…

「しぃっ、っし、ぃー、…っ、ぁ、あ、あ゛、」
じょぉ…じょぉお…

「あ、あっ、で、でぅ、」
しょおおおおおおおおおおおっ、

けたたましい水流が便器を叩く。びちゃびちゃと狂ったホースみたいに耐えてたものが溢れ出し、お腹のものが排出されている、お腹がみるみるうちに軽くなっていくから分かった。

「ぁっ、し、しぃ、」
「すっきりした?」
「…でた、」
「よく出来ました」
「、…ん、ぁっ、」
がくりと視界が低くなる。膝が崩れた。力、抜けた。
「っ、とと…大丈夫?打ってない?」
「ん、」
秋葉さんの腕でお腹を押さえられていなければ、今もなおガクガクと震えている足は地面に打ち付けられていただろう。
「お腹変になってない?」
「ん、」
放心してしまって頭がボーッとする。ふわふわして、夢の中にいるみたい。立つように促されて、パンツとズボンを履かせてもらっているのも、壊れ物に触るようにお腹を何度かさすられるのも。
「ご飯食べよっか」
頭を撫でて、背を押してくれるのも。



「宇津希ぃ…あとで食べな?」
手に持った箸が何度も落ちかける。うどんが滑り落ち跳ねた汁の熱さが頬にチリ…と伝わった。
「ん゛~…」
目の前のうどんがどうしようもなくぼやけている。まだ数口しか啜っていないのに。眠い。眠すぎる。こんなことは初めてで、手の甲をつねっても、お茶を一気に飲んでも治らない。
「起きたらまたあっため直したげるから。布団行きな?」
「…ん~、」
ここ数日の眠気が一気にのしかかっている。瞼を開けよう開けようと頑張っても意味がない。視界がぼやけていつもよりも狭い。
「はいおしまい。こっち、ごろーんして」
お箸を取り上げられて、背中を押されてベッドに誘導されて。挟み込まれた掛け布団を引っ張って俺の上にかけてくれる。
「んぅ、」
「はい、おやすみ」
温かい手が目元を覆う。瞼がじんわりと温められて、視界が遮られた。心地いい。布団越しにトントンってされるのも、優しい声でおやすみって言われるのも。ふわふわと宙に浮いているみたいで、あったかい。

しおりを挟む
感想 14

あなたにおすすめの小説

熱のせい

yoyo
BL
体調不良で漏らしてしまう、サラリーマンカップルの話です。

【BL】捨てられたSubが甘やかされる話

橘スミレ
BL
 渚は最低最悪なパートナーに追い出され行く宛もなく彷徨っていた。  もうダメだと倒れ込んだ時、オーナーと呼ばれる男に拾われた。  オーナーさんは理玖さんという名前で、優しくて暖かいDomだ。  ただ執着心がすごく強い。渚の全てを知って管理したがる。  特に食へのこだわりが強く、渚が食べるもの全てを知ろうとする。  でもその執着が捨てられた渚にとっては心地よく、気味が悪いほどの執着が欲しくなってしまう。  理玖さんの執着は日に日に重みを増していくが、渚はどこまでも幸福として受け入れてゆく。  そんな風な激重DomによってドロドロにされちゃうSubのお話です!  アルファポリス限定で連載中  二日に一度を目安に更新しております

怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人

こじらせた処女
BL
 幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。 しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。 「風邪をひくことは悪いこと」 社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。 とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。 それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?

笑って誤魔化してるうちに溜め込んでしまう人

こじらせた処女
BL
颯(はやて)(27)×榊(さかき)(24) おねしょが治らない榊の余裕が無くなっていく話。

Memory

yoyo
BL
昔の嫌な記憶が蘇って、恋人の隣でおねしょしてしまう話です

スライムパンツとスライムスーツで、イチャイチャしよう!

ミクリ21
BL
とある変態の話。

4人の兄に溺愛されてます

まつも☆きらら
BL
中学1年生の梨夢は5人兄弟の末っ子。4人の兄にとにかく溺愛されている。兄たちが大好きな梨夢だが、心配性な兄たちは時に過保護になりすぎて。

ナースコール

wawabubu
大衆娯楽
腹膜炎で緊急手術になったおれ。若い看護師さんに剃毛されるが…

処理中です...