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みん

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義母と妹

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リビングルームに入ると、既に父と義母と妹が椅子に座っていた。義母と妹はニヤニヤと嗤い、父に至っては無表情だ。

「フェリシティさん、遅かったわね。滅多に食堂にも来ないし…使用人達の手を煩わせないようにして欲しいわ。」

ー“顔を合わせて一緒に食べたくない”と言ったのは、誰だったかしら?ー

「………」

「ふん。返事もできないのね?まぁ良いわ。旦那様がお待ちなのよ。早く座りなさいな。」

今日の義母は、いつもよりも口撃が強い。私が、第一王子の婚約者にならなかったからだろう。それと、義母はまだ、第一王子が立太子しなかった事は知らない筈だ。
後は、父が義母自分の味方だと信じているから。

「フェリシティさん、第一王子の婚約者に選ばれなくて残念だったわね。笑わないお人形さんは、つまらないものね。王妃教育も…幼馴染み故に配慮されたとか…それじゃあ、仕方無いわよね。」

ふふっ─と、義母は嗤う。

「そんな問題有りなフェリシティさんでも、喜んで貰ってくれるって仰る方が居るのよ。それは──コールドラン子爵よ!」

“コールドラン子爵”

って…確か……50歳も超えた人じゃなかった?本妻が病気で亡くなった後、迎えた嫁も3、4人いるとかいないとか……。があるとかないとか……そんな相手に17歳のむすめを放り込むと?

「──コールドラン子爵と言えば…最近大きな事業が成功して、更に財力と貴族社会での力をつけて来た家だったな。」

「えぇ!そうですわ!そのコールドラン子爵と縁続きになれますのよ!良い縁組みだと思いませんこと?」

義母は、父が同意したと思ったのか、パアッと更に笑みを深めて父を見る。妹は相変わらずニヤニヤと私を見ているだけだ。

「そうだな。コールドラン子爵の…興味があるな。」

「では、この縁組みのお話、進めても────」
「しかし、残念ながら、フェリシティの相手はもう決まっているから、相手をアナベルに替えてもらおうか。」

「「──は?」」

無表情のまま言い放った父の言葉に、間抜けな声を出したのは義母と妹だった。

「フェリシティ…さん…に…相手がいる?」

「あぁ、そうだ。言ってなかったか?」

「え?だって…フェリシティさんは、昨日迄は第一王子の婚約者候補でしたわよね?それなのに、昨日の今日で…とは…」

「これは覆る事はないよ。既に、国王陛下からの許可を得ているからね。それに──コールドラン子爵との婚約の話だが…。実は、既にシリルから聞いていたんだ。」

「シリルから!?」

ギョッと驚く義母。きっと、義母は兄にも言っていなかったんだろう。
兄は、本当に色々と凄い人なのかもしれない。

「だからね。フェリシティの婚約の許可を貰うついでに、コールドラン子爵とアナベルのの許可も国王陛下から貰って来たんだ。」

……ですって!?」

今迄ニヤニヤしていた妹が、今度は顔を真っ青にして震え出した。

「そうだ。ではなくてだ。良かったなぁ。お前達2人が、フェリシティを思って、この相手なら良い─と選んだ相手なのだろう?ならば、その相手と婚姻できて……嬉しく無い筈はないな?」

「─っ!ちがっ──!」
「そ……そうですわね!ベル、良かったわね!」
「お母様!?」

父に取り繕うとする義母に、焦っている妹。それを笑いを堪えて見ている私。

「何で、お姉様に相手がいるの!?嘘に決まっているわ!」
「─嘘ではないよ。フェリは、今日、正式に俺の婚約者になったからね。」

妹が父に向かって叫び出した時、リオが部屋に入って来た。

「なっ!リオ様!?」
「──アナベル嬢に、愛称で呼ぶ許可をした覚えはないが?」
「──っ!」

リオの圧倒的な笑みで、妹はビクッと体を震わせて黙り込んだ。

「フェリは、これから俺と一緒にカルディーナ王国に移り住んでもらう。それに、フェリは既にエルダイン辺境伯の籍から抜けて、カルディーナ王国の伯爵家の養子に入っているから、何をどう足掻こうと、フェリがコールドラン子爵と婚姻する事は無い。」

「は?籍が抜けて?」

「あぁ、これも、ブリジットお前には言っていなかったか?フェリシティは、既に、カルディーナ王国の伯爵令嬢だよ。だから、もう、フェリシティに手を出さないようにな。さて、これからは忙しくなるな。フェリシティとアナベルを送り出す準備で……。」

と、リオの様な腹黒い笑顔ではないが、父もニッコリと笑う。

「あ、それともう一つ。ブリジット、お前もこのエルダイン辺境伯の籍から抜いたからね。」

「──は?」

「理由は、不貞行為と、辺境伯である私への虚偽と、フェリシティへの虐待等々─だね。それでも、コールドラン子爵が、母子揃って面倒を見てくれるらしいから、これからも2人一緒に居られるよ。良かったね。」

「──なっ!え?ちょっ──っ!?」

なおも叫ぼうとする義母と妹を、どこから現れたのか分からない人達に拘束されて、そのまま部屋から連れ去って行った。



、俺のなんだ。」

と、リオがコッソリ教えてくれた。



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