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元王子アール
700年前⑧
しおりを挟む民衆の囲いが薄くなっている場所を探しながら懸命に走る。
彼らはボクを追いかけながら、罵声と石を投げつけてくる。
何故だっ!?
何故だっ!?
何故だぁぁぁ!!!
父上やキーノ、ジーマ達が死んだのはツバキの魔法のせいでボクのせいじゃないっ!
なのに何でボクが謀反人の汚名を着せられてるんだっ!?
時々、石が頭にヒットするが即復活できるのでひたすらに走り続けた。
そのおかげで命からがら囲いを抜けて、追っ手を振り切ることができた。
必死に逃げてきたのでここがどこかは分からないが、次に見つけた街か村で助けを求めよう。
喉の渇きが激しかったので、散々悩んで決心した川の水をすくって飲みながら次の手を決めた。
それにしてもボクに石を投げつけてきた、あの生意気な少年。
アイツは勇者様が消えたとほざいていた。
ツバキがボクを置いて消える訳がない!
城が燃えて逃げている内に、ボクとはぐれてしまっただけだ!
助けを求めた後は、どうしてボクが謀反人なのかの情報と一緒にツバキの情報も集めねばならない。
ツバキ、必ずボクが迎えに行くからそれまで待っててね!
一昼夜あてもなく彷徨っていると、ついに街道を見つけた。
さらに1時間ほど歩くとついに目的の村を発見した!
村の入り口には村の名前の『タダーノ村』と看板が付いている。
実際に村に来たのは初めてだが、バカバッカ城の西にある村だと知っていた。
村に入り村人を探す。
「おーい、誰かいないか?」
大声で呼びかけながら歩いていると
「はいはい、こんな何もない村にどちら様…」
第一村人(40代ぐらいの女性)を発見した。
女性はまじまじとボクの顔を見つめている。
いくらボクがイケメンでもジロジロ見すぎだ。
「おい、ちょっと…」
「みんなー、みんな早く来てー!
ここに謀反人のアール元王子がいるわよー!
誰か早くー!!」
女がボクより大声で他の村人を呼び寄せる。
女の呼び声に男女入り混じった村人達が4、5人こちらに集まってきた。
「そんなに大声出して、どうしたんだい?」
「あら、そこに誰かいるわね?」
「あれっ、その髪の色に目の色ってまさか…」
「そうだよ!
バカバッカ城を滅ぼした謀反人の元王子だよ!!
城から逃げ出したみたいだ、早くとっ捕まえないと!」
ボクの金髪にエメラルドの瞳は王族特有のものだ。
それが仇になる日が来るなんて!
それよりも、そんなに大きくはない村にまでボクが謀反人として伝わっているとは!
早く逃げないとまた石を投げつけられてしまう!
来た道を急いでUターンして村から出る。
後ろを振り返ると集まってきていた村人達が追いかけてきた!
逃げろ、逃げろ、逃げろ!!!
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