聖女の秘密

水田 みる

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元王子アール

200年前②

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 それからボク達は一旦街を出て、周りに何もない野原に移動した。 


「じゃあ始めるぞ。」


剣士の男が言うなりボクのクビを刎ねた。

一瞬痛みを感じた後に、すぐに復活する。

ボクの返事の前に始めるなよな、無礼な奴だ。

男は焦った様に今度はボクの心臓に剣を刺す。


「ぐうっ…!」


痛みは感じたが復活した。


「おいっ!復活はするんだけど痛みは感じるんだぞ!!」


抗議しないとまだ何か攻撃してきそうな剣士がようやく手を止める。


「…す、すまない。」

「…あの、最後に私が試してもいいですか?」


剣士の謝罪の後に魔法使いがボクに許可を求めた。

剣士も最初から聞いてくれたら、心の準備が出来たものを。

そして魔法使いは明らかに毒だという液体が入った小瓶をボクに渡す。

ボクは少しためらった後に一気飲みをした。

ぐうっ、苦味が酷いし喉が焼ける様な痛さだ!

意識が一瞬なくなった後に苦味と痛みがなくなる。

魔法使いは驚愕を隠そうともせずに


「…嘘でしょう…」


呟いていた。

こうしてボクが不死身である事を認められた。

ボクが仲間に入った事で自己紹介が行われる。

先ずはボクから名乗る。


「ボクはアルト、各地を旅してるしがない旅人だよ。」


ボクは偽名を名乗る。

500年前のあの悲劇からボクの本名アールは、不吉な名前だと忌み嫌われてこの国から消えたのだ。

500年経った今でもそう言い伝えられている。

剣士の男はドーソ、魔法使いの男はウィザと名乗った。

そして


「俺はカトウ サツキです。

よろしくお願いします。」


勇者である少年はそう名乗った。



ーーそれから、ボク達は北の大地に向けて旅立った。

旅の間に話を聞くと、サツキを召喚したのは皇帝直々だったそうな。

4人で取り留めのない話をしながらの旅はあっという間だった。

今でこそ地毛の金髪で外を歩けるようになったが、旅の当初は再び茶髪のウィッグを買って常に人の目を気にして旅をしていた。

それ故にずっと一人で、それがボクにとって当たり前だった。

けれど500年振りの誰かとの旅は、とても楽しかった。

ボクが自分で思っている以上に人恋しかったんだろう。

その旅は北の大地に着いて終わりを告げる。

500年前と変わらず凄まじい瘴気が溢れている。

勇者サツキがいるから今度こそ中に入れるだろう。

やっと…やっとツバキに逢える!!!


「みんな行きましょう!」


サツキが皆を勇気づけて北の大地へと足を踏み出した。

その瞬間大きな光がボク達を包み込んだ。

500年前と全く同じ様に…













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