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30.タイトル詐欺で大団円
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「ケイン・ローゼンタール閣下、リリベル夫人⋯⋯そしてアーシェ様。ようこそおいで下さいました。『ラ・ぺルーズ』のノア・スコッツフィールドと申します」
「オーナー自らお出迎えとは恐縮ですな」
ケインが珍しくつっけんどんな言い方でアーシェの前に立った。
「ザッカリー・キャンストル閣下にご予約をいただきましてから今日の日を楽しみにしておりました。あの日から本物のアーシェ様にお会いしたいと切望しておりましたので」
(へ? あ~、そうだったぁ! あの事件の時オーナーが対処されたってお父様が仰ってたのすっかり忘れてたよお~)
「その節は元婚約者がご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした」
深々と頭を下げたアーシェの手に『違います』と言いながら触れかけたノアだったが、見事なタイミングでケインにはたき落とされた。
「失礼致しました。私の説明が曖昧でございました。コーヒーハウスとティーハウスをオープンされた日からと申し上げるつもりでおりましたのに言葉が足ら⋯⋯」
「さて、申し訳ないが先に案内していただけるかな!?」
「失礼致しました。どうぞこちらへ」
(お父様ったらなんだか妙にオーナーに突っかかって⋯⋯そんなにお腹が空いたのかなぁ? 私としてはお店の事とか聞けたらラッキーだから、話しかけるきっかけがあれば良いんだけどなあ)
少しいらついた様子のケインと笑いを堪えたリリベルの後をついていくアーシェの頭の中には疑問と質問が渦巻いていた。
(お母様が笑いを堪えてるのって、なんで? 何年もの間飽きさせないコツとかあるのかなあ? 内装とかって変えないほうがいいもの? お父様が前を塞ぐから見えにくいし歩きにくいんだけど⋯⋯)
初めて入った店の中をチラチラと見ながら歩くアーシェはケインとノアの密やかな攻防に最後まで気付くことはなかった。
店の奥の個室にはザッカリーと妻のカーラとひとり息子のビリーが並んで座り、その横に満面の笑みを浮かべたエマーソンとランドルフが座っていた。
全員が席を立ちアーシェに笑顔を向けた。
「今日はおめでとう」
恥ずかしそうにビリーが花束を渡してくれた。
「お、おめでとうございますと⋯⋯はじめまして」
「とても綺麗なお花をありがとう。ビリーのお父様の幼馴染のアーシェです」
王都で不動の人気を誇る『ラ・ぺルーズ』の特別料理がいつもより豪華になっている事に気づいたのは2人だけ。
(くっそイラつく⋯⋯オーナーの指示だな)
(すっごく笑える⋯⋯オーナーの指示だわ)
それ以外のメンバーは『ラ・ぺルーズ』に初めて来た者ばかりなので純粋に料理を楽しんでいた。
「うん! こりゃあ美味いな」
(このソースは⋯⋯オレンジがちょっぴり入ってる?)
「予約待ちじゃなけりゃ毎日でも来たいくらいじゃのう」
(キャンセルが出た時とかってどう⋯⋯)
「予約待ちしても来たいと思う理由が分かりますね」
(ううっ、やっぱり⋯⋯オーナーの話を聞きたいかも)
食事の最後に出てきたケーキは2種類。バタークリームを使って作られた艶やかでリアルな花が乗ったフラワーケーキはそれぞれの前に並び、サイドテーブルの上には大きくて四角いケーキが置かれた。
「父様、すごいおっきいね! お花もきれい」
ケーキを運んできたオーナーに微笑むビリーとオーナーを睨むケイン。
ザッカリーが『そうだね』と言いながらビリーの頭を撫でたが、今まで出てきた料理に比べるとそれほど個性があるとは思えない。その上、ケインの行動が怪しすぎる。
(これは注意しておいた方が良さそうだな。地雷を踏み抜きそうなお祖父様とエマーソン様に要注意だ)
「宜しければ近くでご覧くださいませ」
果物や生クリームで綺麗に飾られてはいるがメッセージも書かれていないので誕生日以外でもそのまま使えそうだと誰もが思った。
(ケーキの下にあるのってパラフィン紙かしら)
アーシェとリリベルが顔を見合わせた時、オーナーとパティシエがパラフィン紙の端を掴んで小さく頷き合った。
「二十歳のお誕生日、おめでとうございます」
ゆっくりとV字に開かれていったケーキの断面に書かれていたのは⋯⋯。
『HAPPY BIRTHDAY TO ASHE』
「こりゃあ凄い! こんなサプライズは見たことがないぞ」
「普通のケーキかと思うとった⋯⋯よおできとる」
「アーシェ様の為に当店のパティシエと共に考案致しました」
口をぽっかりと開けてケーキを見つめるアーシェをオーナーのノアが嬉しそうに見つめ、それに気付いてノアを睨みつけたケインの足をリリベルが踏みつけた。
「うぐっ!」
「⋯⋯すごいわ! あの、あなたが考案されたパティシエさんかしら?」
「はい、オーナーと一緒に考案させていただきました」
緩やかな笑顔をアーシェに向けたのはケインと近い年頃の男性だった。
「すごく素敵なサプライズをありがとうございます。忘れられない誕生日になりましたわ。そして、オーナーさん⋯⋯あの⋯⋯あの、できればなんですけど⋯⋯こ、今度少しだけお時間をいただけたら⋯⋯せっかくお会いできたので、その⋯⋯む、無理なら断っていただいても構いませ⋯⋯」
「無理じゃないです! 全く無理じゃない⋯⋯それどころか感謝感激です! 今日は何があっても誰に阻止されても絶対に、絶対に私の方からお願いしようと思っておりましたので! あ~も~、アーシェ様の方からお声をかけていただけるなんて夢のようです」
嬉しそうな顔でアーシェの両手を握りしめたノアがケインに向けて目を細めて無言でマウントを取ると、『チッ!』と舌打ちの音が聞こえてきた。
店舗の開設で走り回るアーシェを何度も見かけるうちにその笑顔に惹かれてローゼンタール伯爵家に面会を申し込んだノアは、強力な壁⋯⋯父親に最もらしい理由をつけられて断られ続けていた。
『婚約者に裏切られた心の傷がまだ』
『仕事をはじめたばかりで忙しく』
『予想以上の盛況ぶりでますます忙しく』
店舗がオープンし街中で見かける事が減り店の周りを彷徨いて不審者扱いされたのもノアで、とうとう王都の警備をしている第三騎士団に職質されてしまった。
(店が女性専用じゃなければ突撃とかできたかも⋯⋯あ~、通報があったって言われたらもう店の周りには行けないよお)
正々堂々の申し込みを阻まれるなら街中で偶然の出会いを狙おうとしたノアだったが、何故か絶妙なタイミングで必ず邪魔が入るのは頑丈な父親の鉄壁の守り。
(絶対今日はって張り切ってたら、アーシェ様の方からデートの誘いを! もしかしてそれが分かってたからローゼンタール閣下は却下し続けてた? 家族の前で堂々とデートを申し込んでくれるくらいだから、これはもう⋯⋯やったぁ、もう最高だよ~)
ノアの顔が朱に染まり頭の中に花びらが舞い落ちはじめた。
「俺の方は今日でも明日でも毎日でも構いませんから、ご都合の良い日を教えていただければすぐにお迎えにあがります。ご両親様への正式な挨拶や申し入れもさせていただ⋯⋯」
「あ、あの『ラ・ぺルーズ』成功の秘訣をお教えいただきたいなんて無茶なお願いしておきながら申し訳ないのですが、私の方は大した知識があるわけではないので⋯⋯」
「せ、成功の秘訣?」
「プッ!」
目を見開いてショックを受けているノアに向けてケインが満面の笑みを浮かべてサムズアップしているのが見えた。
ケインとノアの長い戦いは相変わらずの見事な腕前で鉄扇2本を投げつけたリリベルが終わらせた。
チョコレートパウダーの発明から20年後には板チョコレートが発売されることになる。記念すべき初めての板チョコをアーシェが一緒に食べたのは⋯⋯。
相変わらずの惚けた爺さんふたりが無意識にノアの前に立ち塞がって邪魔をしたり、セドリックがそれに巻き込まれてザッカリーに泣きついたり⋯⋯アーシェの心を獲得したのは誰だったのか?
それはまた別のお話で。
「オーナー自らお出迎えとは恐縮ですな」
ケインが珍しくつっけんどんな言い方でアーシェの前に立った。
「ザッカリー・キャンストル閣下にご予約をいただきましてから今日の日を楽しみにしておりました。あの日から本物のアーシェ様にお会いしたいと切望しておりましたので」
(へ? あ~、そうだったぁ! あの事件の時オーナーが対処されたってお父様が仰ってたのすっかり忘れてたよお~)
「その節は元婚約者がご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした」
深々と頭を下げたアーシェの手に『違います』と言いながら触れかけたノアだったが、見事なタイミングでケインにはたき落とされた。
「失礼致しました。私の説明が曖昧でございました。コーヒーハウスとティーハウスをオープンされた日からと申し上げるつもりでおりましたのに言葉が足ら⋯⋯」
「さて、申し訳ないが先に案内していただけるかな!?」
「失礼致しました。どうぞこちらへ」
(お父様ったらなんだか妙にオーナーに突っかかって⋯⋯そんなにお腹が空いたのかなぁ? 私としてはお店の事とか聞けたらラッキーだから、話しかけるきっかけがあれば良いんだけどなあ)
少しいらついた様子のケインと笑いを堪えたリリベルの後をついていくアーシェの頭の中には疑問と質問が渦巻いていた。
(お母様が笑いを堪えてるのって、なんで? 何年もの間飽きさせないコツとかあるのかなあ? 内装とかって変えないほうがいいもの? お父様が前を塞ぐから見えにくいし歩きにくいんだけど⋯⋯)
初めて入った店の中をチラチラと見ながら歩くアーシェはケインとノアの密やかな攻防に最後まで気付くことはなかった。
店の奥の個室にはザッカリーと妻のカーラとひとり息子のビリーが並んで座り、その横に満面の笑みを浮かべたエマーソンとランドルフが座っていた。
全員が席を立ちアーシェに笑顔を向けた。
「今日はおめでとう」
恥ずかしそうにビリーが花束を渡してくれた。
「お、おめでとうございますと⋯⋯はじめまして」
「とても綺麗なお花をありがとう。ビリーのお父様の幼馴染のアーシェです」
王都で不動の人気を誇る『ラ・ぺルーズ』の特別料理がいつもより豪華になっている事に気づいたのは2人だけ。
(くっそイラつく⋯⋯オーナーの指示だな)
(すっごく笑える⋯⋯オーナーの指示だわ)
それ以外のメンバーは『ラ・ぺルーズ』に初めて来た者ばかりなので純粋に料理を楽しんでいた。
「うん! こりゃあ美味いな」
(このソースは⋯⋯オレンジがちょっぴり入ってる?)
「予約待ちじゃなけりゃ毎日でも来たいくらいじゃのう」
(キャンセルが出た時とかってどう⋯⋯)
「予約待ちしても来たいと思う理由が分かりますね」
(ううっ、やっぱり⋯⋯オーナーの話を聞きたいかも)
食事の最後に出てきたケーキは2種類。バタークリームを使って作られた艶やかでリアルな花が乗ったフラワーケーキはそれぞれの前に並び、サイドテーブルの上には大きくて四角いケーキが置かれた。
「父様、すごいおっきいね! お花もきれい」
ケーキを運んできたオーナーに微笑むビリーとオーナーを睨むケイン。
ザッカリーが『そうだね』と言いながらビリーの頭を撫でたが、今まで出てきた料理に比べるとそれほど個性があるとは思えない。その上、ケインの行動が怪しすぎる。
(これは注意しておいた方が良さそうだな。地雷を踏み抜きそうなお祖父様とエマーソン様に要注意だ)
「宜しければ近くでご覧くださいませ」
果物や生クリームで綺麗に飾られてはいるがメッセージも書かれていないので誕生日以外でもそのまま使えそうだと誰もが思った。
(ケーキの下にあるのってパラフィン紙かしら)
アーシェとリリベルが顔を見合わせた時、オーナーとパティシエがパラフィン紙の端を掴んで小さく頷き合った。
「二十歳のお誕生日、おめでとうございます」
ゆっくりとV字に開かれていったケーキの断面に書かれていたのは⋯⋯。
『HAPPY BIRTHDAY TO ASHE』
「こりゃあ凄い! こんなサプライズは見たことがないぞ」
「普通のケーキかと思うとった⋯⋯よおできとる」
「アーシェ様の為に当店のパティシエと共に考案致しました」
口をぽっかりと開けてケーキを見つめるアーシェをオーナーのノアが嬉しそうに見つめ、それに気付いてノアを睨みつけたケインの足をリリベルが踏みつけた。
「うぐっ!」
「⋯⋯すごいわ! あの、あなたが考案されたパティシエさんかしら?」
「はい、オーナーと一緒に考案させていただきました」
緩やかな笑顔をアーシェに向けたのはケインと近い年頃の男性だった。
「すごく素敵なサプライズをありがとうございます。忘れられない誕生日になりましたわ。そして、オーナーさん⋯⋯あの⋯⋯あの、できればなんですけど⋯⋯こ、今度少しだけお時間をいただけたら⋯⋯せっかくお会いできたので、その⋯⋯む、無理なら断っていただいても構いませ⋯⋯」
「無理じゃないです! 全く無理じゃない⋯⋯それどころか感謝感激です! 今日は何があっても誰に阻止されても絶対に、絶対に私の方からお願いしようと思っておりましたので! あ~も~、アーシェ様の方からお声をかけていただけるなんて夢のようです」
嬉しそうな顔でアーシェの両手を握りしめたノアがケインに向けて目を細めて無言でマウントを取ると、『チッ!』と舌打ちの音が聞こえてきた。
店舗の開設で走り回るアーシェを何度も見かけるうちにその笑顔に惹かれてローゼンタール伯爵家に面会を申し込んだノアは、強力な壁⋯⋯父親に最もらしい理由をつけられて断られ続けていた。
『婚約者に裏切られた心の傷がまだ』
『仕事をはじめたばかりで忙しく』
『予想以上の盛況ぶりでますます忙しく』
店舗がオープンし街中で見かける事が減り店の周りを彷徨いて不審者扱いされたのもノアで、とうとう王都の警備をしている第三騎士団に職質されてしまった。
(店が女性専用じゃなければ突撃とかできたかも⋯⋯あ~、通報があったって言われたらもう店の周りには行けないよお)
正々堂々の申し込みを阻まれるなら街中で偶然の出会いを狙おうとしたノアだったが、何故か絶妙なタイミングで必ず邪魔が入るのは頑丈な父親の鉄壁の守り。
(絶対今日はって張り切ってたら、アーシェ様の方からデートの誘いを! もしかしてそれが分かってたからローゼンタール閣下は却下し続けてた? 家族の前で堂々とデートを申し込んでくれるくらいだから、これはもう⋯⋯やったぁ、もう最高だよ~)
ノアの顔が朱に染まり頭の中に花びらが舞い落ちはじめた。
「俺の方は今日でも明日でも毎日でも構いませんから、ご都合の良い日を教えていただければすぐにお迎えにあがります。ご両親様への正式な挨拶や申し入れもさせていただ⋯⋯」
「あ、あの『ラ・ぺルーズ』成功の秘訣をお教えいただきたいなんて無茶なお願いしておきながら申し訳ないのですが、私の方は大した知識があるわけではないので⋯⋯」
「せ、成功の秘訣?」
「プッ!」
目を見開いてショックを受けているノアに向けてケインが満面の笑みを浮かべてサムズアップしているのが見えた。
ケインとノアの長い戦いは相変わらずの見事な腕前で鉄扇2本を投げつけたリリベルが終わらせた。
チョコレートパウダーの発明から20年後には板チョコレートが発売されることになる。記念すべき初めての板チョコをアーシェが一緒に食べたのは⋯⋯。
相変わらずの惚けた爺さんふたりが無意識にノアの前に立ち塞がって邪魔をしたり、セドリックがそれに巻き込まれてザッカリーに泣きついたり⋯⋯アーシェの心を獲得したのは誰だったのか?
それはまた別のお話で。
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ありがとうございます。
コメントをいただけてとても嬉しかったです。返信が遅くなりごめんなさい🙇♀️🙇♀️
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ありがとうございます。お宝を探して草むらに顔を突っ込む3歳児のような爺さんズには賛否両論ありますがしっかりと自覚を持って反省の日々を送ってもらわなくては🧐恋愛ジャンルですね〜、周りのキャラに埋もれかけてモブ主人公の異名を取りそうなアーシェ頑張ります\(//∇//)\