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2.まさかの拉致監禁
夕食の知らせが来て食堂に行くと、ギルバートの隣にはサンドラが堂々と座っていた。
「急な呼び出しがあり参りましたが、ご用件は何でしょうか?」
こっちは穏便に? 婚約破棄したいの。さっさと要件言ってくんないと対応できないじゃん。
「さっさと座ってくれないか? 食事が冷めてしまう」
いや、貴族の食事なんていつだって冷めてるし。
「明日も学園がありますし、御用がないのであれば帰らせて頂きます」
ちらっと見ると、テーブルの反対端にチマっとエミリアのぼっち席が準備されている。
サンドラの髪を弄ったり手を握ったりしながら、ギルバートが冷ややかな声で、
「とにかく座ってくれ。説明は後でするから」
運ばれてきたのは硬くなったパンと野菜クズの浮いたスープのみ。
(凄いテンプレね。物置に粗食ときたら後は虐め?)
別に怪しい性癖はないけど、ここまできたら後はやっぱりシンデレラでしょ?
虐めにめげずに耐える主人公。
あれっ? 私って断罪される悪役令嬢ポジションじゃなかった?
となるとこの後の予測がつかない。ヤバいかも。
お人好しの両親に全然似てない私は超現実主義者。
最大の欠点は突発事項に弱い事。だからどんな時でも調査と準備は怠らないんだけど。
「これから俺の卒業パーティー迄、うちに住んでもらう。
一日中監視していればサンドラを虐める暇はないだろう?
君のように地味で冴えない人が婚約者だなんて恥ずかしくてしょうがないのに、その上性格も悪いなんて最悪だからね。
僕が矯正してあげるよ」
そう言うことか。うーん、面倒臭いなあ。とっととコイツら締め上げちゃおうかなあ。
確かに地味よね~、兎に角目立たず世間様の注目を引かないように頑張ってたし。
断罪&婚約破棄までは、ギルバートや他の人の関心を引きたくなかったんだもん。
なんでって、人にはそれぞれ理由があるのよね。ちょっとうっかりしてたらアンダーソン公爵に捕まっちゃったから。
あっ、でもギルバートのパパとママがいない。アンダーソン公爵達がいた方が一気に片がつくんだけど。
「アンダーソン公爵様と奥様はどちらにいらっしゃるのですか?」
「領地に帰ってるよ。卒業パーティーまで帰ってこないから、泣きつこうと思っても無理だから」
鬼の居ぬ間に好き放題やらかそうって魂胆ね。
「申し訳ありませんが、今日のところは一旦帰らせていただきます」
「えー、エミリア逃げ出すんだぁ。卑怯者だと思ってたけどぉ、臆病者だったのねー」
「こちらに泊まるのであれば、授業の道具や身の回りの物も必要ですので」
「お前のうちには連絡を入れてある。荷物は後で届くようになっているから」
うっ、意外に用意周到だな。今日のところは諦めて物置に泊まるしかなさそう。
父様や母様が抗議してくれるとは思えないもん。
部屋? に戻ると、毛布と一緒に雑巾と水の入ったバケツが置いてあった。
(ラッキー、埃まみれの床に寝るのはやだったのよね~)
鼻歌まじりに掃除をしてたら、突然ドアが開いてびっくりした。
「随分楽しそうですこと。物置に住むのがそんなに嬉しいのかしら?」
サンドラ登場、予想通りの展開に安心だわ。
「あなたが私を物置に住ませるよう指示なさいましたの?」
「叔父様も叔母さまもギルバートも、全員私の言いなりだもの。あんたはメイドとして公爵家の役に立つのがお似合いだわ」
「それで?」
「はあ? そこは抗議してくるとこでしょう?」
「抗議したら状況は変わりますの?」
「変わるわけないでしょ。あんたはメイドで私がギルバートの奥様になるの」
「結婚まで後一年もありますけど、それまでずっと私はここにいなくてはなりませんの?」
(断罪&婚約破棄はどうなった?)
(サンドラ、ちゃんとお仕事しようね)
「それはあんた次第だわ。まあ、一年はかからないけどね」
ニヤニヤと笑っているサンドラって可愛くないわー。いつもの語尾を伸ばす話し方もなくなってるし。
どうやら卒業パーティーの断罪はありそうね。だったら、明日学園に行ってから逃げ出すとするかな。
と、その前にもう一仕事しとこうかしら。
「ギルバートと結婚したくて、学園で私に虐められてたような演出をなさってましたの?」
「ふふっ、上手くいったでしょう? 教科書破ったり色々面倒くさかったんだから。
あんたが何にもやらないから、全部私がセッティングしてあげたのよ。
お礼を言って欲しいくらいだわ」
「今日の階段落ちも?」
「そうそう、あれは痛かったわ~。あんたが階段下にいたのは誤算だったけど、ギルバートは気付いてなかったからあんたに落とされたって信じてるしー」
ゲラゲラと下品に笑うサンドラの言質頂きました。
次の日、授業中に体調を崩した(振りをした)私はそのまま学園を抜け出した。
「急な呼び出しがあり参りましたが、ご用件は何でしょうか?」
こっちは穏便に? 婚約破棄したいの。さっさと要件言ってくんないと対応できないじゃん。
「さっさと座ってくれないか? 食事が冷めてしまう」
いや、貴族の食事なんていつだって冷めてるし。
「明日も学園がありますし、御用がないのであれば帰らせて頂きます」
ちらっと見ると、テーブルの反対端にチマっとエミリアのぼっち席が準備されている。
サンドラの髪を弄ったり手を握ったりしながら、ギルバートが冷ややかな声で、
「とにかく座ってくれ。説明は後でするから」
運ばれてきたのは硬くなったパンと野菜クズの浮いたスープのみ。
(凄いテンプレね。物置に粗食ときたら後は虐め?)
別に怪しい性癖はないけど、ここまできたら後はやっぱりシンデレラでしょ?
虐めにめげずに耐える主人公。
あれっ? 私って断罪される悪役令嬢ポジションじゃなかった?
となるとこの後の予測がつかない。ヤバいかも。
お人好しの両親に全然似てない私は超現実主義者。
最大の欠点は突発事項に弱い事。だからどんな時でも調査と準備は怠らないんだけど。
「これから俺の卒業パーティー迄、うちに住んでもらう。
一日中監視していればサンドラを虐める暇はないだろう?
君のように地味で冴えない人が婚約者だなんて恥ずかしくてしょうがないのに、その上性格も悪いなんて最悪だからね。
僕が矯正してあげるよ」
そう言うことか。うーん、面倒臭いなあ。とっととコイツら締め上げちゃおうかなあ。
確かに地味よね~、兎に角目立たず世間様の注目を引かないように頑張ってたし。
断罪&婚約破棄までは、ギルバートや他の人の関心を引きたくなかったんだもん。
なんでって、人にはそれぞれ理由があるのよね。ちょっとうっかりしてたらアンダーソン公爵に捕まっちゃったから。
あっ、でもギルバートのパパとママがいない。アンダーソン公爵達がいた方が一気に片がつくんだけど。
「アンダーソン公爵様と奥様はどちらにいらっしゃるのですか?」
「領地に帰ってるよ。卒業パーティーまで帰ってこないから、泣きつこうと思っても無理だから」
鬼の居ぬ間に好き放題やらかそうって魂胆ね。
「申し訳ありませんが、今日のところは一旦帰らせていただきます」
「えー、エミリア逃げ出すんだぁ。卑怯者だと思ってたけどぉ、臆病者だったのねー」
「こちらに泊まるのであれば、授業の道具や身の回りの物も必要ですので」
「お前のうちには連絡を入れてある。荷物は後で届くようになっているから」
うっ、意外に用意周到だな。今日のところは諦めて物置に泊まるしかなさそう。
父様や母様が抗議してくれるとは思えないもん。
部屋? に戻ると、毛布と一緒に雑巾と水の入ったバケツが置いてあった。
(ラッキー、埃まみれの床に寝るのはやだったのよね~)
鼻歌まじりに掃除をしてたら、突然ドアが開いてびっくりした。
「随分楽しそうですこと。物置に住むのがそんなに嬉しいのかしら?」
サンドラ登場、予想通りの展開に安心だわ。
「あなたが私を物置に住ませるよう指示なさいましたの?」
「叔父様も叔母さまもギルバートも、全員私の言いなりだもの。あんたはメイドとして公爵家の役に立つのがお似合いだわ」
「それで?」
「はあ? そこは抗議してくるとこでしょう?」
「抗議したら状況は変わりますの?」
「変わるわけないでしょ。あんたはメイドで私がギルバートの奥様になるの」
「結婚まで後一年もありますけど、それまでずっと私はここにいなくてはなりませんの?」
(断罪&婚約破棄はどうなった?)
(サンドラ、ちゃんとお仕事しようね)
「それはあんた次第だわ。まあ、一年はかからないけどね」
ニヤニヤと笑っているサンドラって可愛くないわー。いつもの語尾を伸ばす話し方もなくなってるし。
どうやら卒業パーティーの断罪はありそうね。だったら、明日学園に行ってから逃げ出すとするかな。
と、その前にもう一仕事しとこうかしら。
「ギルバートと結婚したくて、学園で私に虐められてたような演出をなさってましたの?」
「ふふっ、上手くいったでしょう? 教科書破ったり色々面倒くさかったんだから。
あんたが何にもやらないから、全部私がセッティングしてあげたのよ。
お礼を言って欲しいくらいだわ」
「今日の階段落ちも?」
「そうそう、あれは痛かったわ~。あんたが階段下にいたのは誤算だったけど、ギルバートは気付いてなかったからあんたに落とされたって信じてるしー」
ゲラゲラと下品に笑うサンドラの言質頂きました。
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