転生した元社畜ですがタッチの差で勇者の座を奪われたので紆余曲折あって魔王代理になりました ~魔王城の雑用係の立身出世術~

きのと

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第2話 うさ耳の救世主

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口に無理やり液体を流し込まれて、俺は意識を取り戻した。

「あ、起きた!」

目の前にいたのはウサギの耳を生やした推定8歳の女の子だ。

「きみは?」
「ラヴィ。キラーラビットなのです!」

ラヴィによると、洞窟で休憩していたら、俺が落下してきた。
村人がやってくる気配がしたので、とりあえず洞窟の中に俺を引っ張り込んでくれたらしい。

「ありがとう、助かったよ。きみは恩人だ」
「まだ傷が治ってないです。もっと飲むです」

ポーションの瓶を口に突っ込んできた。

「げほっげほっ、大丈夫、自分で飲めるから!!」

ラヴィから瓶を取り上げる。


はあ、これからどうしよう。

「いくところ、ないですか?」
「うん、困ってる」
「じゃあラヴィと一緒にくるです!」

ラヴィに導かれ、着いたのは魔王城だった。
空には真っ黒い雲がぶ厚く立ちこめ、わずかしか光が差さない。
城の周りの堀には赤いマグマがぐつぐつと煮えたぎり、まがまがしい瘴気が濃い霧のように漂っている。

たじろぐ俺を気にすることもなく、ラヴィは外中央階段をぴょんぴょん登っていく。
彼女が門番のサイクロプスに挨拶すると、ゲームでは固く閉ざされていた門がいとも簡単に開いた。
漆黒の大広間の玉座で待っていたのは、城の主の魔王だった。
逞しい巨体は全身を真っ黒な毛で覆われ、金色の角と牙がきらりと光っていた。

「ラヴィ、その者は」
「魔王様、行くところがないので、魔王城で働かせてあげてください!」

魔王は俺を値踏みするように眼光鋭く睨みつけた。
プレイヤーとして対戦したことがあるが、実物を目の前にすると恐怖で背筋が凍りそうだ。

「許可する。お前が面倒を見てやれ」
「はい!かしこまり!!」


魔王の御前を辞退し、魔王城の中へ引っ張って行かれた。
まだ心臓がばくばくいってる。

「名前を聞いてなかったです!」
「ダイスケ。鏑木大輔」
「長くて覚えられないです!ダイでいいですか?」
「もちろん」
「じゃあ、ダイ、ついてくるです!」

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