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第4話
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「みんな集まってくれ、見てほしいものがある」
大吾が全員を会議室に集めた。
午前中に大吾の同じ大学出身の歴史学者と会ってきたのだという。専門は平安時代、現在は大学で教鞭をとっている。
「これなんだが」
一枚の写真がプロジェクターに映し出された。
草子というのだろうか、手すき和紙の片側を糸で閉じた昔の書物だ。
流れるような仮名文字でタイトルらしきものが書いてあるが、健人には一文字も読めない。
「これは阿貴の命婦という女官の日記だ」
大吾が説明する。
「書かれた時期ははっきりしないが、おそらく後朱雀天皇の正妻、藤原嫄子に仕えた女房のひとりではないかということだ。
日記と言っても日々の克明な記録ではなく、どちらかと言えば備忘録のような使い方をしていたようで、仕事のスケジュールや神事に必要な道具のリストなどが主に記されている。
他に同僚への愚痴や宮中のスキャンダル、また随筆や小説のようなものも書かれていて、どれが事実でどれが創作なのか判別できないため歴史的資料としての価値は低く、ほとんど研究されることはなかった」
タブレットを操作し、次の画像を出す。
黄ばんだ和紙に筆で絵のようなものが描かれていた。スワイプし、拡大する。
「これは!」
全員の目が釘付けになる。
「白点七曜紋」
黒塗りの丸を並べた家紋は星紋と呼ばれ、平安貴族から戦国武将まで好んで使われた。
9個の丸をならべた九曜紋、7個のものは七曜紋、また丸3個と漢数字の一を組み合わせた三ツ星一文字紋などもありバリエーションも豊富だ。
通常、丸は塗りつぶされているが、白点七曜紋は中心が白いままで黒く塗られていないのが特徴だ。
和久井の体内から発見された矢尻にこの星紋が彫られていた。
弓の名手は矢や矢尻に自分の名を書くこともあったため、射手となんら関係があるのではないかと推測されていた。
偶然、白点七曜紋を見つけた歴史学者が何かの手掛かりになるのではと大吾に連絡をくれたそうだ。
「阿貴の命婦の日記によると、白点七曜紋は白羽一族の家紋らしい」
「しらは?聞いたことないな」
自称歴史マニアの和久井が口をはさむ。
「時の帝・村上天皇と二大陰陽家・賀茂一族の女性が通じ、男子が生まれた。
しかし、帝にはすでに中宮藤原安子と麗景殿女御との間にそれぞれ男の子がいて、第一皇子、第二皇子が東宮の座を争っていた。
そこに第三皇子の誕生となっては世継ぎ争いが激化するのは必至だ。
とくに第一皇子は権力者だった右大臣藤原師輔の孫にあたる。自分の孫を確実に帝にするために、邪魔な第三皇子を亡き者にしようとするかもしれない。
賀茂家は陰陽師としての影響力はあったが役人としての地位は低いため、第一皇子、第二皇子を差し置いて東宮になる可能性はないに等しい。
そこで帝は男子を皇籍から外し臣下とした。白羽の姓を賜り、初代白羽成章となった。
そして帝とのつながりを極力隠すため、検非違使で代々大尉を務めていた坂上氏に預けられた」
「えー!坂田っておじゃるまるの祖先じゃん!」
薫子が嬉しそうに言う。
「え?アニメのおじゃるまるですか?」
突飛な発言に健人が戸惑う。
「続けていいか?」
大吾が咳ばらいをした。
「検非違使は今でいう警察のようなものだ。仕事は危険なうえ高度な武術が必要だったため成り手が少なく、人材が常に不足していたらしい」
和久井がうんうんとうなずいている。自分と重ねているのだろうか?
「武術の鍛錬に励んだ成章は筋がよかったらしく、検非違使の中で弓も剣も馬術もトップクラスの技術をもっていたらしい。
また賀茂家のルーツを持つ成章は呪術も使いこなし、悪鬼と呼ばれる鬼を捉えては改心させていた。心を入れ替えた悪鬼は鬼神と呼ばれ、中には白羽一族へ忠誠を誓い尽くすようになった者もいた。
鬼神の一人葛葉は成章の妻となり、男子を産む。2代目白羽の当主、和治の誕生だ。和治は鬼の力を得て父親を超える検非違使となった。
3代目には嫡男の惟光と二男の時任という兄弟がいたという。
惟光は弓の名人として、時任は剣豪として名高く、盗賊たちに恐れられていたらしい」
阿貴の命婦の白羽一族に関する記述はここで終わっている。
健人は休憩室に設置されたサーバーからコーヒーを注ぎ、長椅子に座っている薫子と和久井に渡した。自分はパイプ椅子にまたがって座る。
「どう思いますか、さっきの話」
「私、平安時代って源氏物語しか知らないのよね」
「薫子先輩が古典を読むとは意外です」
「母親が本を持っていたから借りて読んだの」
源氏物語を原作にした有名な少女漫画のタイトルを挙げた。
和久井が会話に割って入る。
「平安京というと、華やかで雅なイメージだよな。でも実際は夜盗が貴族の屋敷に放火し家財を盗むとか当たり前だったんだぜ」
「弓矢で夜盗を捕らえたりしたんですか?弓道は貴族のたしなみのようなもので、今でいうスポーツかと思っていました」
「いや、実戦でがんがん使われていたよ。戦場ではむしろ日本刀より花形だった」
平安時代の合戦は弓なしには語れない。室町時代になり鉄砲に代わられるまでは飛び道具の主役の座にあった。
竹と木で出来た日本の弓は大きさが2m、大型化することで攻撃力を高め、射程距離は50メートルあったという。
弓の技術は難しく、一人前の射手になるには長い間の訓練を要した。
当時、馬と弓矢を組み合わせた騎射は最強の技だった。
弓矢で武装し馬を駆る犯罪者軍団は群盗とよばれ悪行の限りを尽くしていたらしい。
ときには検非違使も犠牲になったと記録に残されている。
「鬼神とか悪鬼とか、鬼は実在したんでしょうか?」
「陰陽師はきいたことがあるだろう?」
「はい」
「百鬼夜行、魑魅魍魎が信じられていた時代だからな。有名な安倍晴明も母親は妖狐だって逸話もあるだろう?鬼を配下に持っていたというのは、そういう類の話じゃないのかな」
和久井は残りのコーヒーを飲み干すと立ち上がった。
「よし、もどるか」
健人は紙コップとパイプ椅子を片付ける。
怪奇現象を体験した第七係のメンバーは、大吾の話をただの荒唐無稽な物語で済ませることはできなかった。
かといって千年近くも昔の人物がどう関係してくるのか、さっぱり見当もつかない。考えるほど頭が混乱してきた。
大吾が全員を会議室に集めた。
午前中に大吾の同じ大学出身の歴史学者と会ってきたのだという。専門は平安時代、現在は大学で教鞭をとっている。
「これなんだが」
一枚の写真がプロジェクターに映し出された。
草子というのだろうか、手すき和紙の片側を糸で閉じた昔の書物だ。
流れるような仮名文字でタイトルらしきものが書いてあるが、健人には一文字も読めない。
「これは阿貴の命婦という女官の日記だ」
大吾が説明する。
「書かれた時期ははっきりしないが、おそらく後朱雀天皇の正妻、藤原嫄子に仕えた女房のひとりではないかということだ。
日記と言っても日々の克明な記録ではなく、どちらかと言えば備忘録のような使い方をしていたようで、仕事のスケジュールや神事に必要な道具のリストなどが主に記されている。
他に同僚への愚痴や宮中のスキャンダル、また随筆や小説のようなものも書かれていて、どれが事実でどれが創作なのか判別できないため歴史的資料としての価値は低く、ほとんど研究されることはなかった」
タブレットを操作し、次の画像を出す。
黄ばんだ和紙に筆で絵のようなものが描かれていた。スワイプし、拡大する。
「これは!」
全員の目が釘付けになる。
「白点七曜紋」
黒塗りの丸を並べた家紋は星紋と呼ばれ、平安貴族から戦国武将まで好んで使われた。
9個の丸をならべた九曜紋、7個のものは七曜紋、また丸3個と漢数字の一を組み合わせた三ツ星一文字紋などもありバリエーションも豊富だ。
通常、丸は塗りつぶされているが、白点七曜紋は中心が白いままで黒く塗られていないのが特徴だ。
和久井の体内から発見された矢尻にこの星紋が彫られていた。
弓の名手は矢や矢尻に自分の名を書くこともあったため、射手となんら関係があるのではないかと推測されていた。
偶然、白点七曜紋を見つけた歴史学者が何かの手掛かりになるのではと大吾に連絡をくれたそうだ。
「阿貴の命婦の日記によると、白点七曜紋は白羽一族の家紋らしい」
「しらは?聞いたことないな」
自称歴史マニアの和久井が口をはさむ。
「時の帝・村上天皇と二大陰陽家・賀茂一族の女性が通じ、男子が生まれた。
しかし、帝にはすでに中宮藤原安子と麗景殿女御との間にそれぞれ男の子がいて、第一皇子、第二皇子が東宮の座を争っていた。
そこに第三皇子の誕生となっては世継ぎ争いが激化するのは必至だ。
とくに第一皇子は権力者だった右大臣藤原師輔の孫にあたる。自分の孫を確実に帝にするために、邪魔な第三皇子を亡き者にしようとするかもしれない。
賀茂家は陰陽師としての影響力はあったが役人としての地位は低いため、第一皇子、第二皇子を差し置いて東宮になる可能性はないに等しい。
そこで帝は男子を皇籍から外し臣下とした。白羽の姓を賜り、初代白羽成章となった。
そして帝とのつながりを極力隠すため、検非違使で代々大尉を務めていた坂上氏に預けられた」
「えー!坂田っておじゃるまるの祖先じゃん!」
薫子が嬉しそうに言う。
「え?アニメのおじゃるまるですか?」
突飛な発言に健人が戸惑う。
「続けていいか?」
大吾が咳ばらいをした。
「検非違使は今でいう警察のようなものだ。仕事は危険なうえ高度な武術が必要だったため成り手が少なく、人材が常に不足していたらしい」
和久井がうんうんとうなずいている。自分と重ねているのだろうか?
「武術の鍛錬に励んだ成章は筋がよかったらしく、検非違使の中で弓も剣も馬術もトップクラスの技術をもっていたらしい。
また賀茂家のルーツを持つ成章は呪術も使いこなし、悪鬼と呼ばれる鬼を捉えては改心させていた。心を入れ替えた悪鬼は鬼神と呼ばれ、中には白羽一族へ忠誠を誓い尽くすようになった者もいた。
鬼神の一人葛葉は成章の妻となり、男子を産む。2代目白羽の当主、和治の誕生だ。和治は鬼の力を得て父親を超える検非違使となった。
3代目には嫡男の惟光と二男の時任という兄弟がいたという。
惟光は弓の名人として、時任は剣豪として名高く、盗賊たちに恐れられていたらしい」
阿貴の命婦の白羽一族に関する記述はここで終わっている。
健人は休憩室に設置されたサーバーからコーヒーを注ぎ、長椅子に座っている薫子と和久井に渡した。自分はパイプ椅子にまたがって座る。
「どう思いますか、さっきの話」
「私、平安時代って源氏物語しか知らないのよね」
「薫子先輩が古典を読むとは意外です」
「母親が本を持っていたから借りて読んだの」
源氏物語を原作にした有名な少女漫画のタイトルを挙げた。
和久井が会話に割って入る。
「平安京というと、華やかで雅なイメージだよな。でも実際は夜盗が貴族の屋敷に放火し家財を盗むとか当たり前だったんだぜ」
「弓矢で夜盗を捕らえたりしたんですか?弓道は貴族のたしなみのようなもので、今でいうスポーツかと思っていました」
「いや、実戦でがんがん使われていたよ。戦場ではむしろ日本刀より花形だった」
平安時代の合戦は弓なしには語れない。室町時代になり鉄砲に代わられるまでは飛び道具の主役の座にあった。
竹と木で出来た日本の弓は大きさが2m、大型化することで攻撃力を高め、射程距離は50メートルあったという。
弓の技術は難しく、一人前の射手になるには長い間の訓練を要した。
当時、馬と弓矢を組み合わせた騎射は最強の技だった。
弓矢で武装し馬を駆る犯罪者軍団は群盗とよばれ悪行の限りを尽くしていたらしい。
ときには検非違使も犠牲になったと記録に残されている。
「鬼神とか悪鬼とか、鬼は実在したんでしょうか?」
「陰陽師はきいたことがあるだろう?」
「はい」
「百鬼夜行、魑魅魍魎が信じられていた時代だからな。有名な安倍晴明も母親は妖狐だって逸話もあるだろう?鬼を配下に持っていたというのは、そういう類の話じゃないのかな」
和久井は残りのコーヒーを飲み干すと立ち上がった。
「よし、もどるか」
健人は紙コップとパイプ椅子を片付ける。
怪奇現象を体験した第七係のメンバーは、大吾の話をただの荒唐無稽な物語で済ませることはできなかった。
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