クラス転移した世界で使えない僕は追い出されました。(仮題)

kashizaki

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第1章ーーお人好し追放されるーー

第5話〜お人好しは怖い者を見る〜

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「知らない天井だ。」 

本当は夢だったら良いのにと本気で思ったのは初めてだなぁ。正直、あんなに異世界に行って僕、最強!ってしたかった時もあったのに、実際こうやって来てみると、複雑だ。

「勇者ミカド様、お食事のお時間です。お着替えを済ませた後、廊下に出て頂ければご案内致します。」

「うわっ!びっくりした。あ、ありがとうございますぅ。」

僕が丁度良いタイミングで起きたのか、それとも僕が起きたことに気付いたのか、急に部屋のドアの向こうからそのような声が聞こえ、思わずベットの上で飛び跳ねた。

それより、昨日の国王様も今僕を呼んだ女性も僕の名前を何故わかるんだろう?
やっぱり異世界だし、魔法もあるそうだから、あの世にもチートと呼ばれた鑑定様があるのかな・・・。

僕はその後、昨日掛けておいた馴染んだ制服を着用し、廊下へ出ると、僕を呼んだ女性が立っていた。

「えっと、僕が着替えるまで待っていたんですか?」

てっきりみんなの部屋を回っているのかと思ったんだけど。

「ご心配なく。着替えは先日クリーニングの魔法で洗浄しておきました。臭いは大丈夫ですよ。」

「へぇ。クリーニングって言う魔法があ、じゃなくて、すみません。まさかずっと待ってると思わなくて、準備が遅くなりました!」

本当に自分の為に態々待っていると思わずそうして僕は綺麗に90度で謝った。日本人、常に謝ることを忘れるべからず。

「あら、本当に大丈夫ですよ。私は今日、貴方様の御奉仕の担当ですので、当たり前の事です。どうぞ頭をお上げください。」

「そ、そうですか。えっと他のみんなは?」

元也君や真矢さんは先に行ってしまったのだろうか。それに他のみんなも。

「皆さんはまだ何人かはご就寝ですが、何名かは先に食堂へ行かれました。お食事の後は鑑定師に勇者様方のお力を鑑定させて頂くので、ご協力お願い致します。」

あ、やっぱり鑑定あるんだ。じゃあ鑑定師っていう職務もあるくらいだし、この女性も国王様も僕の名前を知ったのは他の何かの魔法なんだろう。

「それより、本当に綺麗になってる。まるで新品みたいだ。凄いな、魔法は。」

ん?待てよ。この人、確か僕の服にクリーニングの魔法を掛けておいたって言ってたよね。でも、制服は確か僕の部屋に掛けてあったは・・・ず。

「どうか致しましたか勇者様?」

「いや、なんでもないですよ。(異世界怖い!!)」
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