クラス転移した世界で使えない僕は追い出されました。（仮題）

第1章ーーお人好し追放されるーー

第6話〜お人好しはみんなと異世界の食事を堪能する？〜

女性、聞いたけどマカさんに連れられて、食堂にやって来ました。そこには、幼馴染の二人やクラスメイトの姿があった。

「みんな！」

「おぉ！御門！どうした少し寝坊か？いや、まさか異世界でもこの短時間でメイドさんの一人や二人助けてきたのか？」

「べ、別に今日は遅れてないし、誰も助けてないよ。」

「「「嘘だろ！？」」」

「へ？」

どうしたの？みんなそんな信じられないものを見るような顔をして･･･

「やはり異世界だからか！？異世界になったからか？」

「そんな･･･。御門君が朝、誰か一人でも助ける事ができなかったなんて。」

「明日は雷だ！異世界だから分かんないけど俺は確信した！！」

急にあたふたするみんな。あぁ。また始まった。異世界に行ってもこのクラスは良い意味でも悪い意味でも変わらない。周りのメイドや執事さんたちも、みんなを見て慌てだして僕を見たので、いつもの事だと、手を振って宥めた。

「あ、そう言えば異世界の料理にかなり興味があったんです。今日の朝のご飯は何ですか？」

「今日のメイン食材はドラゴンのステーキとなっております。「ドラゴンのステーキ！？」へァッ！？」

ドラゴンのステーキ。それはラノベでは最高の食材とされていて、最高級の牛肉よりも柔らかく旨みの塊と称されている。そんなものを！今日食べれるなんて！！

「夢見た･･･あ、すみません。」

「い、いえぇ。」

あまりにもの喜びで、マカさんの肩を振り回し続けてしまった。恥ずかしい･･･。

と、やがて僕が恥ずかしさで悶えている頃にはみんなの狂喜乱舞も収まり、僕より後に起きたクラスのメンバーも全員集合した。

そして、みんなそれぞれ料理が出されるまで友達同士で笑い合っていた。実際僕も、笑い合っているかは分からないけど、幼馴染の二人と談笑していた。
いや、やはり笑えない。僕は笑うことが出来ない。というかイラついていた。

「しっかし、お前召喚されてそうそうトイレってプフフ！どうしまちたか～？可愛い可愛い琴葉ちゃんはチビっちゃいまちたかぁ？」

「可哀想よ元也君。琴葉は男の子なんだからぁ。･･･ブフゥ！･･･しょ、しょうがないでしょう？」

こいつらァ！！

「お待ち致しました勇者御一行様。本日のメイン料理、ドラゴンのステーキにございます。」

「「「「「来たァァ！！！」」」」」

あれ、意外とドラゴンのステーキ楽しみにしていた人多いんだ。

「ねぇ元也君。私、知らない料理を食べるのは好まないわ。変わりに食べてくれない？」

「ん？いいぜ！でもいいのか？ドラゴンのステーキだろ？すげー美味そうじゃねぇか。」

「別に私は食事自体はあまり好きではないもの。」

あ、真矢さん食べないんだ。

「あの、それなら僕も少し分け」

「「ダメだっ！」」

何故！？

「いや、だって御門だし、琴葉だし。」

どっちも僕だよ！このクラスに同じ名前の人いないよ！！

「その顔が太っちゃうのは世界の損失だし･･･。」

「「「「「うんうん。」」」」」

なぁ！？みんなも何で聞いてって、なんで頷いてんの！！？

「僕、そんなに太ったらやばい顔してる！？ぅ、うぅぅ。」

「あー元也と真矢が御門泣かしたぁ！」

「「「いーけないんだーいけないんだー。」」」

「「「子供かぁ！！」」」

そう、これが僕らのクラス。確かにみんな良い人なんだけど、何故か僕がいつもこうなってしまう。･･･ぅぅ。僕の昔のあだ名は弱虫だ･･･。いつか直さなければ。

ドラゴンのステーキは、美味しかったけど、涙で変な味がしました。