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第1章ーーお人好し追放されるーー
第4話〜お人好しは世界が変わっても変わらない〜
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異世界に来たは良いものの、この世界は僕が知っているラノベの世界では結構稀な王道物の世界だった。
異世界の勇者が人々を助け、世界を平和にする。
「フフッ。ラノベだよねぇ、本当に。」
あれからトイレのようなよく分からない和式便所で済ませたあと、メイドさんに連れられ部屋へは来たが、正直僕も怖い。思わず涙が出そうになる。
だけど、300万人。例え今まで知らなかったとしても、そんな人数の人々が亡くなっているんだ。多分これからも増えるだろう。そして、僕はその人たちを救える立場にある。
「気分転換に外の風でも浴びるかな。」
窓から見える外。異世界だからか夜は真っ暗で星々がとても綺麗に輝いている。まるで手で掴めるみたいに。
「勇者か。」
手が震えて止まらない。怖い。僕は本当にやれるだろうか。
「!?誰ですか!」
「儂だ。どうだ、この世界の星は綺麗だろう?」
後ろから気配がし、振り返ると、先程の王様がいた。
「・・・何故ここに?」
というか、どうやって入った・・・あぁ、カギ無いっけこの部屋。
「お主を見てな、気に入ったからじゃよ。」
僕を?
「あの時、お主はお主自身のことを考えていなかった。儂らに無かったものじゃ。お主の言った通り、儂らは儂らの世界を守ろうと必死でお主ら勇者の立場や気持ちなど考えていなかった。そして、
あの目・・・お主は先代に似ておる。」
僕の目が?
「先代とは貴方の前の国王様ですか?」
「あぁ。自分よりも家族を、そして国民を第一に考え、愛せ。そう先代は仰った。儂ももう歳かのぅ。そんな事さえも忘れてしまっていた。先代が言いたかったのはきっとお主の生き方のようなものなのじゃろうな。」
僕の生き方か。いや、いつも学校行って勉強して、ラノベ読んで寝てるだけだけど。そんな、偉大な人の言葉に合う人間では無いと思うんだけど僕。
「そう言えば、その言葉は僕たちの世界にもありますよ。似たようなものが。」
「そうかそうか。どういうものなのじゃ?」
「自分よりも、隣の人を愛しなさいっていうようなものです。宗教にもなってるくらいですよ。」
国王は笑った。そして、彼は上を向いた。僕も同じく向いた。星々は変わらず夜空を照らしている。本当に今が戦争中なのかすら忘れてしまうみたいに。
それに・・・良かった。この世界は確かに王道だけど、決して主人公が悪くなるような世界ではない。国王様のように、しっかりした人も中にはいるんだ。だからこそ、恥ずかしかったけど、聞きたかった。
「僕はみんなの為になるでしょうか。」
「?」
ふと、そう言うと国王様が僕を横目で見た。
「僕がみんなの代わりに、みんなを守りたいです。出来ますか?」
△▽
儂が彼がナミ殿と話した内容を小耳に挟んだ時、やはり子供かと思った。
だが、バーランドと話したいと言った時の彼の顔は懐かしさを感じさせた。
そして、その目を見た時儂は驚いた。その彼をただの彼と思えなくなっていた。
あの時、彼は何を思ったのじゃろうか。やはり、彼こそが先代の生き写しなのでは無いだろうか。
儂がここに来たのはただの気まぐれ。面白そうな少年が来たというだけの好奇心に過ぎなかった。だが、それでも儂は彼と話して思ってしまった。
(彼こそが、本物の勇者という存在なのかもしれない。)
儂はそう思って・・・言った。いや、言ってしまった。
「あぁ。きっと慣れるじゃろう。これからよろしく頼むぞ。勇者コトハよ。」
儂はこの言葉を聞いたコトハに謝らねばならない。翌日、儂は昨日と同じ顔をした、先代に、父に似た顔を造った彼を裏切った。そして、自分の言葉に嘘をついてまで、感情を殺して言った。
「何処へなりとも行くが良い。お主は勇者ではない」と。
異世界の勇者が人々を助け、世界を平和にする。
「フフッ。ラノベだよねぇ、本当に。」
あれからトイレのようなよく分からない和式便所で済ませたあと、メイドさんに連れられ部屋へは来たが、正直僕も怖い。思わず涙が出そうになる。
だけど、300万人。例え今まで知らなかったとしても、そんな人数の人々が亡くなっているんだ。多分これからも増えるだろう。そして、僕はその人たちを救える立場にある。
「気分転換に外の風でも浴びるかな。」
窓から見える外。異世界だからか夜は真っ暗で星々がとても綺麗に輝いている。まるで手で掴めるみたいに。
「勇者か。」
手が震えて止まらない。怖い。僕は本当にやれるだろうか。
「!?誰ですか!」
「儂だ。どうだ、この世界の星は綺麗だろう?」
後ろから気配がし、振り返ると、先程の王様がいた。
「・・・何故ここに?」
というか、どうやって入った・・・あぁ、カギ無いっけこの部屋。
「お主を見てな、気に入ったからじゃよ。」
僕を?
「あの時、お主はお主自身のことを考えていなかった。儂らに無かったものじゃ。お主の言った通り、儂らは儂らの世界を守ろうと必死でお主ら勇者の立場や気持ちなど考えていなかった。そして、
あの目・・・お主は先代に似ておる。」
僕の目が?
「先代とは貴方の前の国王様ですか?」
「あぁ。自分よりも家族を、そして国民を第一に考え、愛せ。そう先代は仰った。儂ももう歳かのぅ。そんな事さえも忘れてしまっていた。先代が言いたかったのはきっとお主の生き方のようなものなのじゃろうな。」
僕の生き方か。いや、いつも学校行って勉強して、ラノベ読んで寝てるだけだけど。そんな、偉大な人の言葉に合う人間では無いと思うんだけど僕。
「そう言えば、その言葉は僕たちの世界にもありますよ。似たようなものが。」
「そうかそうか。どういうものなのじゃ?」
「自分よりも、隣の人を愛しなさいっていうようなものです。宗教にもなってるくらいですよ。」
国王は笑った。そして、彼は上を向いた。僕も同じく向いた。星々は変わらず夜空を照らしている。本当に今が戦争中なのかすら忘れてしまうみたいに。
それに・・・良かった。この世界は確かに王道だけど、決して主人公が悪くなるような世界ではない。国王様のように、しっかりした人も中にはいるんだ。だからこそ、恥ずかしかったけど、聞きたかった。
「僕はみんなの為になるでしょうか。」
「?」
ふと、そう言うと国王様が僕を横目で見た。
「僕がみんなの代わりに、みんなを守りたいです。出来ますか?」
△▽
儂が彼がナミ殿と話した内容を小耳に挟んだ時、やはり子供かと思った。
だが、バーランドと話したいと言った時の彼の顔は懐かしさを感じさせた。
そして、その目を見た時儂は驚いた。その彼をただの彼と思えなくなっていた。
あの時、彼は何を思ったのじゃろうか。やはり、彼こそが先代の生き写しなのでは無いだろうか。
儂がここに来たのはただの気まぐれ。面白そうな少年が来たというだけの好奇心に過ぎなかった。だが、それでも儂は彼と話して思ってしまった。
(彼こそが、本物の勇者という存在なのかもしれない。)
儂はそう思って・・・言った。いや、言ってしまった。
「あぁ。きっと慣れるじゃろう。これからよろしく頼むぞ。勇者コトハよ。」
儂はこの言葉を聞いたコトハに謝らねばならない。翌日、儂は昨日と同じ顔をした、先代に、父に似た顔を造った彼を裏切った。そして、自分の言葉に嘘をついてまで、感情を殺して言った。
「何処へなりとも行くが良い。お主は勇者ではない」と。
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