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第1章ーーお人好し追放されるーー
第9話〜お人好しは恨まれる〜
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「「「「「「「「は?」」」」」」」」
「鑑定師よ、魔法のミスだろう。もう一度魔法を執り行うのだ。」
全員が凍りついた状態を破ったのは国王の冷静な声だった。
「そ、そうだな。確かにおかしいと思ったのだ。」
「鑑定師よ、もう一度行え。」
だが、それでも鑑定師は、全員下を向いて、黙った。
「どうしたのだ?魔力が無くなったか?それなら誰かポーションを」
その姿を見て、そう思った国王は、そう促そうとすると、一人の鑑定師がそれを横から入る形で言った。
「ま、魔力は足りています。も、申し訳ございません!ですが、魔法は成功しています!鑑定書にもそう出ていて!」
「成功だと?嘘をつくな。鑑定書が何なのだ?もう一度とり行え。」
少し苛立ちを覚えた国王は、そう言って立ち上がった。
そして、国王は、その鑑定師の手に持つ鑑定書と思われる紙を奪い取り、それを見た。
「鑑定書は嘘偽りございません。鑑定書の何処にも文字が書かれていないのです。つまりは才能が無い証拠で、それに、一度鑑定すると、鑑定書を使う場合、その者自身に大きな変化がないと、もう一度調べることはできません。」
「魔法の失敗だろう?今の鑑定は不発だったそうだろう!?」
ついに焦りが生じる国王に、鑑定師はタジタジになりながら、それでもハッキリと喋る。
「鑑定書には、その文字を写し出すために特殊な魔法が付与されています。その紙には既にその魔法が効果を発動し終えただの結果を表す紙になっています。つまりは・・・」
「認めろと!?勇者コトハが何の才能もない、そもそもこの世界でも稀な、人間の才能なしだと!!」
王の僅かな感情の揺らぎを感じ取った貴族たちは騒ぎ出す。
「どういう事ですか国王様!この者は勇者ではないのですか!?」
「ではこの者は何も使えない人間以下の人間と!?」
「た、確か王国憲法の六十九条に、才能が0と見なされた者は、即刻死刑とするとあったな。」
だが、その言葉を耳にした国王は思わず切れた。
「そんな古臭い考えなど無いに等しい!エスド卿よ口を慎め!!」
「も、申し訳ございません!」
だが、その中で笑う者が一人いた。
「もしや、勇者殿の召喚時、隠れて勇者の中に入ったのでは?」
「「「「「!!?」」」」」
「バーランド、それは有り得な」
「昨日の事です。国王様にそこの才能がないゴミは、暴言を吐かれました。よもや国王様に魔王と同じだなどと言うとは・・・。」
「何だと・・・!?それは本当か偽勇者!!」
「我らが王を魔王だと!?貴様、即刻死刑だ!!」
「よもや勇者の友でも関係ない。我らが王を汚した。これは死に値する。」
場が一転した。先程まで御門に興味を寄せていた貴族たちは、今、御門という人間を殺そうとまでしていた。
「そうです!そして、私はその者をそこでそのまま殺そうとしました。ですが、この国の心深き王は、この者を許したのです!ですが、黙っていられましょうか?私たちの主君である王が汚され、黙ることが出来るでしょうか!?いや、出来ないでしょう!!」
「みな、待て!それは違う!!コトハ殿の言っていることにはしっかり訳があった。決して儂をそうとは!」
「そうです、御門君はそんな事をしません!二年間御門君を見てきましたが、彼が自分から暴言を吐くなんて理由があったハズです!」
・・・奈美先生。
「そうだぜ!こいつはどこまでもお人好しで、どこまでも自分を優先に出来ねぇやつだ!16年間こいつと一緒だった。だからこそ分かる!!今会ったばっかのお前たちよりは何千倍も御門を理解してるよ!!」
「私も10年間一緒でした!御門君が否定しないところを見ると本当かも知れないけど、必ず意味があったはずです!そのバー何とかが間違ってるに違いありません!!」
「「「「「そうだそうだ!!」」」」」
・・・みんな。!?バーランドさん、なんで笑って・・・。
「どうやら勇者殿らは洗脳されているようだ。」
「「「「「「「!!?」」」」」」」
この人は何を言って
「だが、それも終わりです。連れてこい!」
そして、バーランドさんが連れてこさせたのは、僕が初めて見る薄汚れた男だった。
△▽
「鑑定師よ、魔法のミスだろう。もう一度魔法を執り行うのだ。」
全員が凍りついた状態を破ったのは国王の冷静な声だった。
「そ、そうだな。確かにおかしいと思ったのだ。」
「鑑定師よ、もう一度行え。」
だが、それでも鑑定師は、全員下を向いて、黙った。
「どうしたのだ?魔力が無くなったか?それなら誰かポーションを」
その姿を見て、そう思った国王は、そう促そうとすると、一人の鑑定師がそれを横から入る形で言った。
「ま、魔力は足りています。も、申し訳ございません!ですが、魔法は成功しています!鑑定書にもそう出ていて!」
「成功だと?嘘をつくな。鑑定書が何なのだ?もう一度とり行え。」
少し苛立ちを覚えた国王は、そう言って立ち上がった。
そして、国王は、その鑑定師の手に持つ鑑定書と思われる紙を奪い取り、それを見た。
「鑑定書は嘘偽りございません。鑑定書の何処にも文字が書かれていないのです。つまりは才能が無い証拠で、それに、一度鑑定すると、鑑定書を使う場合、その者自身に大きな変化がないと、もう一度調べることはできません。」
「魔法の失敗だろう?今の鑑定は不発だったそうだろう!?」
ついに焦りが生じる国王に、鑑定師はタジタジになりながら、それでもハッキリと喋る。
「鑑定書には、その文字を写し出すために特殊な魔法が付与されています。その紙には既にその魔法が効果を発動し終えただの結果を表す紙になっています。つまりは・・・」
「認めろと!?勇者コトハが何の才能もない、そもそもこの世界でも稀な、人間の才能なしだと!!」
王の僅かな感情の揺らぎを感じ取った貴族たちは騒ぎ出す。
「どういう事ですか国王様!この者は勇者ではないのですか!?」
「ではこの者は何も使えない人間以下の人間と!?」
「た、確か王国憲法の六十九条に、才能が0と見なされた者は、即刻死刑とするとあったな。」
だが、その言葉を耳にした国王は思わず切れた。
「そんな古臭い考えなど無いに等しい!エスド卿よ口を慎め!!」
「も、申し訳ございません!」
だが、その中で笑う者が一人いた。
「もしや、勇者殿の召喚時、隠れて勇者の中に入ったのでは?」
「「「「「!!?」」」」」
「バーランド、それは有り得な」
「昨日の事です。国王様にそこの才能がないゴミは、暴言を吐かれました。よもや国王様に魔王と同じだなどと言うとは・・・。」
「何だと・・・!?それは本当か偽勇者!!」
「我らが王を魔王だと!?貴様、即刻死刑だ!!」
「よもや勇者の友でも関係ない。我らが王を汚した。これは死に値する。」
場が一転した。先程まで御門に興味を寄せていた貴族たちは、今、御門という人間を殺そうとまでしていた。
「そうです!そして、私はその者をそこでそのまま殺そうとしました。ですが、この国の心深き王は、この者を許したのです!ですが、黙っていられましょうか?私たちの主君である王が汚され、黙ることが出来るでしょうか!?いや、出来ないでしょう!!」
「みな、待て!それは違う!!コトハ殿の言っていることにはしっかり訳があった。決して儂をそうとは!」
「そうです、御門君はそんな事をしません!二年間御門君を見てきましたが、彼が自分から暴言を吐くなんて理由があったハズです!」
・・・奈美先生。
「そうだぜ!こいつはどこまでもお人好しで、どこまでも自分を優先に出来ねぇやつだ!16年間こいつと一緒だった。だからこそ分かる!!今会ったばっかのお前たちよりは何千倍も御門を理解してるよ!!」
「私も10年間一緒でした!御門君が否定しないところを見ると本当かも知れないけど、必ず意味があったはずです!そのバー何とかが間違ってるに違いありません!!」
「「「「「そうだそうだ!!」」」」」
・・・みんな。!?バーランドさん、なんで笑って・・・。
「どうやら勇者殿らは洗脳されているようだ。」
「「「「「「「!!?」」」」」」」
この人は何を言って
「だが、それも終わりです。連れてこい!」
そして、バーランドさんが連れてこさせたのは、僕が初めて見る薄汚れた男だった。
△▽
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