クラス転移した世界で使えない僕は追い出されました。(仮題)

kashizaki

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第1章ーーお人好し追放されるーー

Episode1〜お人好しの過去〜

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「おい!酒持ってこい!!」
「あ゛ぁ!?俺に逆らうのか!!俺は家族の大黒柱なんだぞ!!!」

僕がまだ5歳の頃、既にこの家族は異常だと言うことに気付いていた。
毎日のように母と僕を殴る父。そのせいか、産まれたばかりの妹に母は疲れきって母乳が出せず、僕が代わりにミルクを上げていた。

「おい!なんで寝てんだァ!?ここは俺の家だぞ!!お前が勝手に寝ていい場所じゃねぇんだよ!!!」

僕が夜寝ていると、父はいつもそうだった。酒臭い父は母の静止を振り切って僕の部屋へ上がり込み、寝ている僕を叩き起した。
父は自営業だった。家で仕事をする父はいつも酒に酔っていて、パートから帰ってきた母や、幼稚園から帰ってきた僕をその暴言と暴力でストレスの発散に使っていた。

そして、それは妹にまで及んだ。

僕が7歳になった頃、小学校から帰って、台所へ行くとその光景はあった。

「お、お父さん何してるの?」

「あ゛?何言ってんだこの餓鬼がうるせぇから俺が代わりにミルクを上げようとしてんだろ!!」

そう言った父の手に持っていた物は温かなミルクではなく、普段父が飲んでいたアルコール濃度が高い酒だった。妹はもう2歳の後半、ミルクなんて必要としていない。

「お兄ちゃん、助けてぇ。」

それを無理矢理僕の前で妹の口に酒瓶を突っ込もうとした瞬間、僕の何かが切れた。

「あ゛ぁぁぁぁ!!!」

僕は父を後ろからその場にあった調理用包丁で突き刺した。

それから30分も経たないで、母親が帰ってきた時、父は直ぐに病院へ運ばれ、
一緒に行った病院には警察が来ていた。勿論、僕や母に事情を聞くためだ。

だけど、僕の身体のあちこちや、母の身体に様々な痣があったことから、警察の男はそれを見て、見る目を変えていた。


その後、父は一命を取り留めた。僕が子供だからひ弱で包丁が内臓まで届いてなかったのと、30分も経たずに、母が帰ってきたのが、父を救った原因だった。

だが、父はその後、直ぐに警察に連行されることとなった。幼児虐待、暴行を始め、僕と母の証言で、様々な罪に問われたからだ。

その後、僕と母、そして妹は三人暮らしとなった。それから父とは会っていない。父がどうなったかも教えられていない。ただ、僕は父の最後に僕を見た怨みの目と、僕が父を、家族を刺した感触だけが残った。

それから僕は母の代わりに家の掃除や洗濯、朝晩の食事をしているーーー




バーランドさんの目は父に似ていた。だからこそ、警戒してたのにな。

そして、誰彼構わない所のも・・・。
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