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第3章ーー五国VS魔王軍ーー
第25話〜お人好しは魔王軍四天王と激突する〜
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「あの、急にここには何をしに来たのでしょうか?」
ラフォトンの森は魔王でも行かないって冒険者ギルドのおじさんが言ってたと思ったのに、どうして。
「それがですね。最近私たちがここから10キロ程離れた所にあるモルトフォルト王国を攻めたのですが、どうもあの国の国王がしぶとく、最近では世界各地の国と連携をとるほど、しぶとく生き残っているのですよ。」
そうか。国王様が・・・。モルトフォルト王国・・・みんな元気かな。僕は今絶賛死にそうだよ。
「それは大変ですね。」
「大変も何も、最近その国の勇者たちが、周辺の魔物を狩りまくっているのですよ。そのせいで、使役する魔物を選ぶのにも一苦労ありまして。」
勇者!きっと、元也君か真矢さんが倒しているのだろう!凄いな。僕なんてビビりまくりなのに。
「ピンチですね。」
「いえ、それでも魔物共も腐るほど湧いてきますし、前線の変えもまだまだいますので、別にそれ程までは。というか、あなた随分と冷静ですね。人間の国が今まさに滅ぼされようとしていますのに。」
うん。何周か回って冷静になれたよこんちくしょう!
「アハハハ・・・。僕はある国に国外追放された身なので、あまり関係がないんですよ。」
「善人のように見えて意外と極悪人なのですか。人は見かけによりませんね。勉強になりました。クフフ。」
「(怖い怖い!!)そ、そうですか?あの、それでここには・・・。」
「あ、そうでしたね。実はですね。この森にいる彼の三王者殿方のお力添えを頂きに来たのですよ。」
「!!?そ、それはちょっと・・・。」
「大丈夫です。しっかり供物は用意してきましたとも。」
そうしてどこからともなく取り出したのは大量の魚やら、リンゴやら、何か分からない骨やら。
「これは・・・!」
「どうでしょう?どれも最高品質の物を用意しました。この魚はレインボーフィッシュと言って、とにかく中が肉厚で美味しい魚、こちらのリンゴは千年リンゴと言い、食べると千年は生きると言われていて、この骨はドラゴンの骨です!」
うわー凄い勢いのセールストークー・・・。
「これならあの三王者でも、血眼になって飛びつくでしょう!」
「そ、そうですね。頑張って下さい。それでは僕はこれで・・・。」
面倒事は嫌だ!死にたくない!僕はここから早く逃げなければ・・・!
「はいー!きっとあれらの力を借りれば、一瞬で王国は焦土と化すでしょう!きっと、良いモノになります!」
王国が・・・焦土?
「あの、そしたら国王様や、勇者、モルトフォルトの国民はどうなるのですか?」
「?何を言っているんです?全員皆殺し。生かす必要など無いでしょう?」
・・・そうだ。それはそうだ。フェルニアさん達が魔王軍についたら、王国は滅びる。全員死んでしまう。国王様も、クラスのみんなも、マカさんも、なんの罪も無い国民も。
でも、僕に何が出来る?今から森から出て、国王様にこのことを伝えに行くか?それともフェルニアさん達に行かないてくれとお願いするか?絶対に無理だ。
僕がそんなことをしたって何も変わらない。だって僕は才能が無いのだから。
「それでは行きますね。・・・確か祠がこの森にあったはず。すみませんが案内してもらえますか?」
あれ?この人は祠の場所を知らないのか?いや、考えるな。僕が何をしたってそんな。そんな。・・・・・・みんな。
「・・・出来ません。」
「は?」
確かに、僕には無理だ。・・・だけど、それで生きた所で、みんなが死ぬのは嫌だ!
「何ですかその目は?イラつきますね。下等生物のくせに。・・・いいでしょう。少し時間がかかりますが、あなたを殺してドラゴンに乗って探すとしましょうか。それに、人間の肉も供物としては良いかもしれませんねっ!」
その時、僕は本当に走馬灯を見た。前の世界の記憶。みんなと過ごした楽しい日々。家族の思い出。そして、今苦しんでいるだろうこの世界であった人の顔。
「あぁ。やっぱり僕は・・・。」
そう零した途端、僕の心臓めがけて、漆黒の矢が飛んできた。
ラフォトンの森は魔王でも行かないって冒険者ギルドのおじさんが言ってたと思ったのに、どうして。
「それがですね。最近私たちがここから10キロ程離れた所にあるモルトフォルト王国を攻めたのですが、どうもあの国の国王がしぶとく、最近では世界各地の国と連携をとるほど、しぶとく生き残っているのですよ。」
そうか。国王様が・・・。モルトフォルト王国・・・みんな元気かな。僕は今絶賛死にそうだよ。
「それは大変ですね。」
「大変も何も、最近その国の勇者たちが、周辺の魔物を狩りまくっているのですよ。そのせいで、使役する魔物を選ぶのにも一苦労ありまして。」
勇者!きっと、元也君か真矢さんが倒しているのだろう!凄いな。僕なんてビビりまくりなのに。
「ピンチですね。」
「いえ、それでも魔物共も腐るほど湧いてきますし、前線の変えもまだまだいますので、別にそれ程までは。というか、あなた随分と冷静ですね。人間の国が今まさに滅ぼされようとしていますのに。」
うん。何周か回って冷静になれたよこんちくしょう!
「アハハハ・・・。僕はある国に国外追放された身なので、あまり関係がないんですよ。」
「善人のように見えて意外と極悪人なのですか。人は見かけによりませんね。勉強になりました。クフフ。」
「(怖い怖い!!)そ、そうですか?あの、それでここには・・・。」
「あ、そうでしたね。実はですね。この森にいる彼の三王者殿方のお力添えを頂きに来たのですよ。」
「!!?そ、それはちょっと・・・。」
「大丈夫です。しっかり供物は用意してきましたとも。」
そうしてどこからともなく取り出したのは大量の魚やら、リンゴやら、何か分からない骨やら。
「これは・・・!」
「どうでしょう?どれも最高品質の物を用意しました。この魚はレインボーフィッシュと言って、とにかく中が肉厚で美味しい魚、こちらのリンゴは千年リンゴと言い、食べると千年は生きると言われていて、この骨はドラゴンの骨です!」
うわー凄い勢いのセールストークー・・・。
「これならあの三王者でも、血眼になって飛びつくでしょう!」
「そ、そうですね。頑張って下さい。それでは僕はこれで・・・。」
面倒事は嫌だ!死にたくない!僕はここから早く逃げなければ・・・!
「はいー!きっとあれらの力を借りれば、一瞬で王国は焦土と化すでしょう!きっと、良いモノになります!」
王国が・・・焦土?
「あの、そしたら国王様や、勇者、モルトフォルトの国民はどうなるのですか?」
「?何を言っているんです?全員皆殺し。生かす必要など無いでしょう?」
・・・そうだ。それはそうだ。フェルニアさん達が魔王軍についたら、王国は滅びる。全員死んでしまう。国王様も、クラスのみんなも、マカさんも、なんの罪も無い国民も。
でも、僕に何が出来る?今から森から出て、国王様にこのことを伝えに行くか?それともフェルニアさん達に行かないてくれとお願いするか?絶対に無理だ。
僕がそんなことをしたって何も変わらない。だって僕は才能が無いのだから。
「それでは行きますね。・・・確か祠がこの森にあったはず。すみませんが案内してもらえますか?」
あれ?この人は祠の場所を知らないのか?いや、考えるな。僕が何をしたってそんな。そんな。・・・・・・みんな。
「・・・出来ません。」
「は?」
確かに、僕には無理だ。・・・だけど、それで生きた所で、みんなが死ぬのは嫌だ!
「何ですかその目は?イラつきますね。下等生物のくせに。・・・いいでしょう。少し時間がかかりますが、あなたを殺してドラゴンに乗って探すとしましょうか。それに、人間の肉も供物としては良いかもしれませんねっ!」
その時、僕は本当に走馬灯を見た。前の世界の記憶。みんなと過ごした楽しい日々。家族の思い出。そして、今苦しんでいるだろうこの世界であった人の顔。
「あぁ。やっぱり僕は・・・。」
そう零した途端、僕の心臓めがけて、漆黒の矢が飛んできた。
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