練習なんかじゃ終われない!

リツカ

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「んっ、ぐ……あっ!」

 硬い熱の塊が後孔の縁を押し広げてナカに入ってくるときの感覚にはまだ慣れない。
 ずるりと奥に届いたそれが動きをとめた隙に光秋は大きく呼吸をして、しがみついた枕に顔を埋める。
 苦しくて、気持ちよくて、背中に感じる重みがひどく愛おしかった。

「みっちゃん、痛くない?」
「ん……」

 リョクの指先が、気遣うように光秋の頬を撫でる。
 その後、頬に添えられた手に促された光秋が背後を振り返ると、優しくついばむように何度も口付けられた。
 リョクの唇の柔らかさに、光秋はうっとりとする。

「はっ、ふ……」
「キス気持ちいーねぇ」
「ん、あっ……もっと……」

 光秋のおねだりに、リョクは目を細めて笑う。
 その瞳の奥にどろりとした欲望を見つけた光秋は、リョクのものが突き入れられた腹の奥がずくりと疼くのを感じた。
 リョクの舌先が光秋の唇をこじ開けて、口内へと入ってくる。歯列を舐め、上顎をくすぐった舌が光秋の舌に絡められ、いやらしい水音が頭に響く。

「ん、ぅ……あっ、ん!」

 キスの最中、腹の奥で静止していたリョクの性器がゆっくりと動きだした。
 奥を小刻みにとんとんとノックするようなその律動に、光秋はリョクの下でもがくように身動ぐ。

「いっ……あっ、あっ!」
「ほら、みっちゃん、キスも続けて」
「ひ、あ、あっ、む、むりぃ……」
「無理じゃない」
「んっ、ぅ……はっ、あ……」

 少し強引に唇を奪われ、そのままねっとりと深いキスを与えられる。
 キスも、奥を突く動きも優しくて、その甘い快感に光秋の頭の中はとろとろにとけてしまいそうだった。

「ふ、ぅ……はぁ……あっ、ん、う、あっ、ああ……!」
「みっちゃん、ほんとかわいいね」

 ようやくキスに満足したのか、軽いリップ音とともにリョクの唇が離れていった。
 かと思いきや、今度は光秋の体に回された手が、優しく光秋の胸を揉みしだきはじめる。ひとより厚みのある胸筋にリョクの指が食い込むように沈んで、少し痛いくらいだった。

「んっ、や……そ、それ、やだぁ……っ」
「えー? 雄っぱい触られるのやなの?」
「や、やだ……おっぱいやだ……」

 光秋が枕に顔を埋めて泣きそうな声で言うと、背後からごくりと唾を呑む音が聞こえた。同時に、ナカのものがグッと膨らんで、光秋は「ひっ!」と悲鳴のような声をもらす。
 
「たっく……えろすぎんだって」
「んっ、あ、やだっ……おっきくしないでっ」
「みっちゃんがそうやってエロいこと言いながら締め付けてくるからでかくなってんの」
「う……ぁ、あっ……!」

 背後から光秋の胸を鷲掴みにしていたリョクの手が、今度は光秋の胸の突起に標的を移した。綺麗に整えられた爪先が優しく、それこそただ掠めるような動きで光秋の乳頭を引っ掻く。
 もどかしいほどの微かな刺激に、光秋の口からは泣きそうな吐息がこぼれた。

「ふっ、う……それ、やだ……っ」
「やだって、なにがやなの? もっとちゃんと触れってこと?」
「あっ、ああッ!」

 リョクの指の腹が、グリッと光秋の乳首を押し潰した。そのうえ、硬くなった突起を指でくにくにと転がすように弄びはじめる。
 じんじんと痺れるような快感に、光秋の体がびくびくと震えた。

「は、っあ、ん……! ひっ、あ!」
「ほんと感度いいよね。そのうち胸だけでイけるんじゃない? ……俺以外に触らせちゃダメだからね」
「あっ、あっ……ん、ぅ」
「──返事」
「ッ~~ひ、あッ! あっ、ああッ!」

 今まで優しくナカを突いていたリョクの性器が、ふいにガンッと光秋の奥を穿った。
 一瞬、目の前に光が弾ける。光秋は目を見開いたまま、唇を震わせた。

「っ、あ……あ……」
「ほら、返事は?」
「ん、ぅ…………へ、んじ……?」
「俺以外に触らせないって、ちゃんと言って。みっちゃんに触っていいのは俺だけだよね?」
「……ん……リョクくんだけ、リョクくんだけだから……っ、ああ……!」

 求められるがままに返事をすると、突然リョクの性器がずるりと引き抜かれた。
 快感と同時に訪れた喪失感に、光秋の体がふるりと震える。満たしていたものを失った腹のナカが、不満そうにきゅうきゅうと蠢いていた。
 もどかしくて、切なくて、いっそう光秋の腹の底が熱くなる。

「あっ……なんでぇ……」
「ごめん、急に顔見たくなって」

 そう言いながら、リョクは光秋の体を反転させた。
 光秋の顔を見下ろすリョクの顔には、いつもの笑みも余裕もない。
 興奮で上気した頬や、欲情を隠しきれないギラついた瞳──リョクをそうさせたのが自分なのだと思うと、光秋の胸は火照るように熱くなった。

「……リョクくん、続きして……ナカ、もっかい挿れて……ンッ、お、あっ、あああッ!」

 光秋が濡れた声でねだった直後、再び光秋に組み付いたリョクが、一気に光秋の後孔を突いた。
 体をベッドに押さえ付けられ、先ほどよりもずっと激しい律動でナカを犯される。ぴったりと性器に吸い付いている肉壁を擦り上げられるたび、どうしようもない快感が光秋を襲った。

「あっ、ひ、あッ、イク、イクッ……!」
「みっちゃん……ッ」
「ン、ッ~~~~……!!」

 上擦った声で名前を呼んだ直後、大きく腰を引いたリョクは、容赦なく光秋のナカを突き上げた。
 後孔の奥の突き当たりを亀頭でガンッと穿たれ、光秋の背中が仰け反る。

 目の奥でばちりと火花が散って、頭の中が真っ白になった。
 自身の腹の奥で大きな熱の塊がびくり、びくりと跳ねるのを感じながら、光秋は半開きの唇を震わせる。

「はっ、あ……あ、ンッ……」
「みっちゃん……前触らないでイけるようになったんだね」

 掠れた声でうれしそうに言いながら、リョクは光秋の首筋にキスをした。
 肌を吸われるかすかな刺激さえ、絶頂したばかりの光秋の体には毒だった。

「んぅ……あ、ああ……っ」

 ナカからリョクの性器がずるりと引き抜かれ、光秋の太ももが痙攣するように震える。
 体を起こしたリョクは手早くゴムを取り外しながら、フーッと熱い息を吐いた。

「すっげぇ出た」

 リョクは照れくさそうな笑みを浮かべて、ゴムの口を結ぶ。
 ゴムの先に溜まった白濁を見た光秋は、再び腹の奥がきゅんっと疼くのを感じた。貪欲な自分の体が気恥ずかしくて、身じろぎながら枕に顔を埋める。

「みっちゃん、まだ時間あるけど、もう一回する?」
「……休憩したい」
「わかった。水持ってこようか?」
「うん、ありがと……」

 光秋が頬を緩めてお礼を言うと、リョクは光秋の頬にキスを落とす。そして、脱ぎ捨てていた下着だけ履くと、軽い足取りで寝室から出ていった。
 残された光秋はとろんとした表情で、ぼうっと天井を見上げる。

 ──きもちよかった……

 徐に下腹部に手を伸ばすと、ねっとりとした気持ちの悪い液体が手に触れた。光秋自身が吐き出した精液だ。
 光秋はベッドサイドに置いてあったティッシュでそれを拭い、ゴミ箱に捨てる。

 とうとう直接性器に触れられることなく、射精できるようになってしまった。というか、今となっては性器よりも後孔のナカを刺激される方が感じる体になってしまっている。
 心だけじゃなく体まで落とされて、はたしてこれからどう生きていけばいいのか──腹の底でくすぶる熱と不安をともに吐き出すように、光秋は深いため息をついた。

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