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前編
是非ともコツを聞かせて欲しい
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たーたったらー。
僕は結局心臓の持病有りということで無事に………無事?に王子様のご学友候補から外されることになった。
ご学友候補というのは、そこから先で言えば国を支える臣下となるべき存在の候補なのだ。
つまり出世街道の近道!
だからこそ、持病がある役立たずな人間は候補にすらなることが出来ない。
まぁイコールで、出世も出来ないってことなんだけどね。
王子様は僕の二ヶ月後がお誕生日の同じ年なので、どっち道もうすぐ王宮には行かなきゃいけないんだけど。
でもご学友候補になれない子供は、挨拶してお終いだ。
もう既に側近になることが決まってる、王子様の従兄弟にあたるあの人には、会わなくて済む。
そうだよね………。
もう僕に呼び掛けてはもらえない。
もう僕を見てはくれない。
覚悟してたのに、自覚すると辛い。
あの人は結婚してから一度だって僕の傍に居てくれなかったけど、お忙しいからと思いつつ送った手紙にも一度も返事はくれなかったけど。
それでも僕は、好きだった。
学生の頃から、ずっと―――
「ルイ。居るかい?」
「は、はい!どうぞ!」
じんわりと自覚して泣きそうになっていると、ノックと共に兄さまの声が聞こえて来た。
入室の許可を言いながら、僕が扉を開けるべきだからと駆け寄る。
兄さまとあの人は同じ騎士だった。
あの人に劣らないその武勇で、本当は騎士団の偉い人になってもおかしくなかった兄さま。
僕がその未来を、奪ってしまった。
「どうかしました?」
「ううん。もうすぐ学園に戻らないといけないから、その前に可愛い弟を愛でようと思ってね。」
扉を開けながら用件を伺えば、兄さまはそう言いながらにっこりと笑った。
学園は僕達の家がある場所よりも遠く、とてもじゃないけど通えないから寮生活になる。
今回は家族の急病ということで学園側の意向で暫くのお休みを頂けたらしいのだけど、それも後三日の話だ。
王子様のお誕生日式典は、学園の生徒は学園から通うことになっているから会場で少し会える位だろうか。
うん、寂しい。
「にいさま………さみしぃ………」
「ああ、そんな声出さないでルイ。行きたくなくなっちゃう。」
ぎゅうぎゅうと僕を抱き締めて、兄さまは切なそうにそう言った。
困らせたい訳じゃないけど、理性と感情が追い付かない。
今の僕が子供だからだろうか。
兄さまが、ぴすぴすとみっともなく鳴らす僕の頭を優しく撫でてくれる。
以前の僕も、大好きだった仕草。
「後三日しかないけど、いっぱい遊ぼう。」
「………はい。」
「ふふっ。じゃあそうと決まれば泣き止んでごらん。時間は有限だ、泣いてる暇なんてないよ。」
僕の眦を撫でて、兄さまは笑う。
美し過ぎて眩しい。
兄さまは本当に父様にそっくりだから、母様はこのご尊顔を平然とした顔をしながら至近距離で拝んでるんだよなと思うと凄い以外言いようがない。
是非ともコツを聞かせて欲しい位だ。
「何して遊ぶ?」
「えーっと、えーっと」
おにごっこ、かくれんぼ、たんけんごっこ………
兄さまとやりたいことを、指折り数える。
そうだ、妹も呼ばないと!
そう言って兄さまの手を引いて走り出そうとする僕に苦笑しながらも、兄さまは黙って僕の後ろをついてきてくれた。
大きな掌が、優しく僕の手を包む。
この温もりが当たり前じゃないことを、僕はもう嫌だという程に知っていた。
僕は結局心臓の持病有りということで無事に………無事?に王子様のご学友候補から外されることになった。
ご学友候補というのは、そこから先で言えば国を支える臣下となるべき存在の候補なのだ。
つまり出世街道の近道!
だからこそ、持病がある役立たずな人間は候補にすらなることが出来ない。
まぁイコールで、出世も出来ないってことなんだけどね。
王子様は僕の二ヶ月後がお誕生日の同じ年なので、どっち道もうすぐ王宮には行かなきゃいけないんだけど。
でもご学友候補になれない子供は、挨拶してお終いだ。
もう既に側近になることが決まってる、王子様の従兄弟にあたるあの人には、会わなくて済む。
そうだよね………。
もう僕に呼び掛けてはもらえない。
もう僕を見てはくれない。
覚悟してたのに、自覚すると辛い。
あの人は結婚してから一度だって僕の傍に居てくれなかったけど、お忙しいからと思いつつ送った手紙にも一度も返事はくれなかったけど。
それでも僕は、好きだった。
学生の頃から、ずっと―――
「ルイ。居るかい?」
「は、はい!どうぞ!」
じんわりと自覚して泣きそうになっていると、ノックと共に兄さまの声が聞こえて来た。
入室の許可を言いながら、僕が扉を開けるべきだからと駆け寄る。
兄さまとあの人は同じ騎士だった。
あの人に劣らないその武勇で、本当は騎士団の偉い人になってもおかしくなかった兄さま。
僕がその未来を、奪ってしまった。
「どうかしました?」
「ううん。もうすぐ学園に戻らないといけないから、その前に可愛い弟を愛でようと思ってね。」
扉を開けながら用件を伺えば、兄さまはそう言いながらにっこりと笑った。
学園は僕達の家がある場所よりも遠く、とてもじゃないけど通えないから寮生活になる。
今回は家族の急病ということで学園側の意向で暫くのお休みを頂けたらしいのだけど、それも後三日の話だ。
王子様のお誕生日式典は、学園の生徒は学園から通うことになっているから会場で少し会える位だろうか。
うん、寂しい。
「にいさま………さみしぃ………」
「ああ、そんな声出さないでルイ。行きたくなくなっちゃう。」
ぎゅうぎゅうと僕を抱き締めて、兄さまは切なそうにそう言った。
困らせたい訳じゃないけど、理性と感情が追い付かない。
今の僕が子供だからだろうか。
兄さまが、ぴすぴすとみっともなく鳴らす僕の頭を優しく撫でてくれる。
以前の僕も、大好きだった仕草。
「後三日しかないけど、いっぱい遊ぼう。」
「………はい。」
「ふふっ。じゃあそうと決まれば泣き止んでごらん。時間は有限だ、泣いてる暇なんてないよ。」
僕の眦を撫でて、兄さまは笑う。
美し過ぎて眩しい。
兄さまは本当に父様にそっくりだから、母様はこのご尊顔を平然とした顔をしながら至近距離で拝んでるんだよなと思うと凄い以外言いようがない。
是非ともコツを聞かせて欲しい位だ。
「何して遊ぶ?」
「えーっと、えーっと」
おにごっこ、かくれんぼ、たんけんごっこ………
兄さまとやりたいことを、指折り数える。
そうだ、妹も呼ばないと!
そう言って兄さまの手を引いて走り出そうとする僕に苦笑しながらも、兄さまは黙って僕の後ろをついてきてくれた。
大きな掌が、優しく僕の手を包む。
この温もりが当たり前じゃないことを、僕はもう嫌だという程に知っていた。
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