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満月の夜~始まりの日~
満月の日 第一話 -新しい日常って?-
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「ねぇ、ちょっと話があるんだけどさぁ…。」
突然そう切り出したのは学生服を着た少年だった。
「どうしたんだよ、またいつもの話じゃねぇよな?もう聞き飽きたからその話はやめろよ」
そう答える彼もまた、同じ恰好をしており、同じ学校の生徒だと分かる。
ここは、どこにでもある公立高校の、ちょうど中央にある教室。窓から顔を出せば、校舎に附いている大きな時計がすぐそばで確認できる。
「んいや、いつもの話なんだけど、面白い話もあるから聞いてってな」
「なんだよ・・・。」
嫌々そうに帰り支度をする少年。どうやらもう放課後のようだ。時計を見れば、もう7時。外は茜色の夕日に染まりきっている。
彼に続いて、自然ともう一人の少年もカバンに荷物を仕舞い込む。
そして、廊下を歩きながら少年は続ける。
「まぁいつも話すのは、学校とかマジおもんないわー、ほんと、さっさと大人になりたいぜー、僕を同じことの繰り返しの毎日から解放しろー、とかじゃん?」
「やっぱりそういう話か。結局、お前の求める日常ってなんなんだよ」
校舎を出れば、綺麗な景色が生徒達を出迎える。この校舎は山を一部切り崩して造られたため、非常に眺めが良いことでかなり有名だ。
夕日と、それに当たる町が、まるでビードロのような美しさを演出する。
「相変わらず、ここの景色は綺麗ですねぇ…。ん、ああ、質問、質問ね。」
少年はふん、と腕を組んでいて、不服そうだ。そのいで立ちからは、幼い雰囲気と大人びた雰囲気が重なっているように感じる。
「そうだなー、僕が解けない謎と、圧倒的知力を以ってしても解く事の出来ない、巨大パズルみたいな世界とかを旅したいかな。その為ならなけなしの小遣い、全部差し出すよ!!」
とても楽しそうに、なおかつ嬉しそうに声を弾ませて喋る少年。その姿はまるで幼児のようだ。
「お前の小遣い、いくらあるんだよ」
「現在200円です…。」
「おい…それじゃガチャガチャ回すのが限界だろ…。」
「そんな事どーでもいいんだよ!!なけなしの小遣いであることに意味があるの!」
少年はそう力説するが、怪訝そうに顔を歪められ、伝わってない事を察して項垂れてしまった。
「…おい、勝手に落ち込んでんじゃねーよ、これじゃいつもと変わんねーだろが。続きがあるんだろ?教えろよ」
「落ち込んでんじゃなくて、落胆してんの。微妙に違うって。ダンゴムシとワラジムシくらい」
「知らねーっての。それに例えが分からねーよ…。」
道端で見つけたダンゴムシを拾い上げながら少年は話す。
「でね、ここからが本題なんだけど、僕、ちょっとしたうわさを聞いたんだよね」
突然そう切り出したのは学生服を着た少年だった。
「どうしたんだよ、またいつもの話じゃねぇよな?もう聞き飽きたからその話はやめろよ」
そう答える彼もまた、同じ恰好をしており、同じ学校の生徒だと分かる。
ここは、どこにでもある公立高校の、ちょうど中央にある教室。窓から顔を出せば、校舎に附いている大きな時計がすぐそばで確認できる。
「んいや、いつもの話なんだけど、面白い話もあるから聞いてってな」
「なんだよ・・・。」
嫌々そうに帰り支度をする少年。どうやらもう放課後のようだ。時計を見れば、もう7時。外は茜色の夕日に染まりきっている。
彼に続いて、自然ともう一人の少年もカバンに荷物を仕舞い込む。
そして、廊下を歩きながら少年は続ける。
「まぁいつも話すのは、学校とかマジおもんないわー、ほんと、さっさと大人になりたいぜー、僕を同じことの繰り返しの毎日から解放しろー、とかじゃん?」
「やっぱりそういう話か。結局、お前の求める日常ってなんなんだよ」
校舎を出れば、綺麗な景色が生徒達を出迎える。この校舎は山を一部切り崩して造られたため、非常に眺めが良いことでかなり有名だ。
夕日と、それに当たる町が、まるでビードロのような美しさを演出する。
「相変わらず、ここの景色は綺麗ですねぇ…。ん、ああ、質問、質問ね。」
少年はふん、と腕を組んでいて、不服そうだ。そのいで立ちからは、幼い雰囲気と大人びた雰囲気が重なっているように感じる。
「そうだなー、僕が解けない謎と、圧倒的知力を以ってしても解く事の出来ない、巨大パズルみたいな世界とかを旅したいかな。その為ならなけなしの小遣い、全部差し出すよ!!」
とても楽しそうに、なおかつ嬉しそうに声を弾ませて喋る少年。その姿はまるで幼児のようだ。
「お前の小遣い、いくらあるんだよ」
「現在200円です…。」
「おい…それじゃガチャガチャ回すのが限界だろ…。」
「そんな事どーでもいいんだよ!!なけなしの小遣いであることに意味があるの!」
少年はそう力説するが、怪訝そうに顔を歪められ、伝わってない事を察して項垂れてしまった。
「…おい、勝手に落ち込んでんじゃねーよ、これじゃいつもと変わんねーだろが。続きがあるんだろ?教えろよ」
「落ち込んでんじゃなくて、落胆してんの。微妙に違うって。ダンゴムシとワラジムシくらい」
「知らねーっての。それに例えが分からねーよ…。」
道端で見つけたダンゴムシを拾い上げながら少年は話す。
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