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満月の夜~始まりの日~
満月の日 第二話 -好奇心を持つ少年と警戒心を持つ少年-
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「でね、ここからが本題なんだけど、僕、ちょっとしたうわさを聞いたんだよね」
「へぇ、ここまでもったいぶったんだから、いつもよりマシな話なんだろうな?」
悪戯っぽい笑みを浮かべながら少年を挑発する。
「もちろん!多分、しょうも、きっと興味を持つさ!!」
しょう、と呼ばれた少年は挑戦的な笑みを浮かべて、少年の話に食いついている。
「実はこの話、ットで秘かに話題になってて、特にオカルトの類が好きな人を中心に有名みたい。結論から言うとそういう系の話ね。『信じるか信じないかはあなた次第です』ってやつ」
説明口調で話し始める少年。しょうと呼ばれた少年も訝しんで少年の話を聞いている。
「それで、僕らの家のすぐ近くで検証できるらしいのよ、それ。だから校内で結構噂になってたんだけど、しょうは知らなかったか。やり方もすごいシンプルだし、今日やろうかなーっと思ってるんだけどさ」
「ちょっと待った、それに俺も付き合え、と?」
あからさまに嫌そうな表情をし、反対の意思を示す少年。
「てか、それ、何の検証すんだよ」
「あはー、そこ聞いちゃう?!聞いたら怖すぎて行きたくなくなると思ったから言いたくないんだけどなぁ~。まぁ嫌って言っても連れていくけどね!」
「………。」
「まぁ、そういうことで諦めなよ、昇悟君」
それから暫くの間、無言が続いた。どうやら二人とも気まずくなったらしい。それとも、話し疲れたのかもしれない。あるいは両方か。辺りは陽が沈み、空は赤と青のグラデーションで染まりきっている。
「…検証の話なんだけどさ」
ようやく少年が口を開いた時には、すでに二人の家の近くまで歩いていた。
「…おう」
「満月の日の12時ちょうど、公園の茂みに二人以上で飛び込むと、どこかに跳ばされるらしいんだ」
少年は自分の家の前で立ち止まりながら少し早口で話す。
「それより、どうする?他に人、誘おうっか?」
「いや、俺からは特に。ていうか俺行くのか…。じゃあもういいよ、それで断る方が面倒だ」
一瞬、迷った表情をしたが、笑顔でそう答える。
「そっか、わかった」
少年もなにかに感づいたが、敢えて触れなかった。いや、もしかすると触れたくなかったのかもしれない。
しょうは続けてこう言う。
「それにどうせハッタリだろ、怖かねぇよ。12時、だよな?なら準備とかいろいろいるだろうし、11時にお前の家に迎えに行くから。親、上手く撒いてこいよ?」
余裕を持った声音で話す様はまるで、刑事のようだ。
「人の事心配できる程、しょうも余裕じゃないでしょ…っ!?」
「はぁー。それなんだが、うちはちょっと諸々、事情があってだな。親があんまり俺の事面倒見ないっていうか興味持たれてないんだ。だから抜け出すのは容易なんだよ」
少年は、まずい事を聞いたと思った。しょうの話したくないことを話させた、と。少年は精一杯笑顔を作ろうとしているが、苦笑いになってしまっている。
「あー、そうなんだ!んじゃ、今夜、よろしくね!もうすぐ『君の前で16連射をしたい』の放送、始まるから!!ばいばい!」
少年は早急に話を切り上げた。これ以上は少年に負荷を掛けると思ってのことだろう、そしてそのまま別れを告げ、去っていく。
「えっ……、ああ、お、おう……」
少年はただただ、急いで過ぎ去っていく友人の背中をポカーンと見つめていた。
「へぇ、ここまでもったいぶったんだから、いつもよりマシな話なんだろうな?」
悪戯っぽい笑みを浮かべながら少年を挑発する。
「もちろん!多分、しょうも、きっと興味を持つさ!!」
しょう、と呼ばれた少年は挑戦的な笑みを浮かべて、少年の話に食いついている。
「実はこの話、ットで秘かに話題になってて、特にオカルトの類が好きな人を中心に有名みたい。結論から言うとそういう系の話ね。『信じるか信じないかはあなた次第です』ってやつ」
説明口調で話し始める少年。しょうと呼ばれた少年も訝しんで少年の話を聞いている。
「それで、僕らの家のすぐ近くで検証できるらしいのよ、それ。だから校内で結構噂になってたんだけど、しょうは知らなかったか。やり方もすごいシンプルだし、今日やろうかなーっと思ってるんだけどさ」
「ちょっと待った、それに俺も付き合え、と?」
あからさまに嫌そうな表情をし、反対の意思を示す少年。
「てか、それ、何の検証すんだよ」
「あはー、そこ聞いちゃう?!聞いたら怖すぎて行きたくなくなると思ったから言いたくないんだけどなぁ~。まぁ嫌って言っても連れていくけどね!」
「………。」
「まぁ、そういうことで諦めなよ、昇悟君」
それから暫くの間、無言が続いた。どうやら二人とも気まずくなったらしい。それとも、話し疲れたのかもしれない。あるいは両方か。辺りは陽が沈み、空は赤と青のグラデーションで染まりきっている。
「…検証の話なんだけどさ」
ようやく少年が口を開いた時には、すでに二人の家の近くまで歩いていた。
「…おう」
「満月の日の12時ちょうど、公園の茂みに二人以上で飛び込むと、どこかに跳ばされるらしいんだ」
少年は自分の家の前で立ち止まりながら少し早口で話す。
「それより、どうする?他に人、誘おうっか?」
「いや、俺からは特に。ていうか俺行くのか…。じゃあもういいよ、それで断る方が面倒だ」
一瞬、迷った表情をしたが、笑顔でそう答える。
「そっか、わかった」
少年もなにかに感づいたが、敢えて触れなかった。いや、もしかすると触れたくなかったのかもしれない。
しょうは続けてこう言う。
「それにどうせハッタリだろ、怖かねぇよ。12時、だよな?なら準備とかいろいろいるだろうし、11時にお前の家に迎えに行くから。親、上手く撒いてこいよ?」
余裕を持った声音で話す様はまるで、刑事のようだ。
「人の事心配できる程、しょうも余裕じゃないでしょ…っ!?」
「はぁー。それなんだが、うちはちょっと諸々、事情があってだな。親があんまり俺の事面倒見ないっていうか興味持たれてないんだ。だから抜け出すのは容易なんだよ」
少年は、まずい事を聞いたと思った。しょうの話したくないことを話させた、と。少年は精一杯笑顔を作ろうとしているが、苦笑いになってしまっている。
「あー、そうなんだ!んじゃ、今夜、よろしくね!もうすぐ『君の前で16連射をしたい』の放送、始まるから!!ばいばい!」
少年は早急に話を切り上げた。これ以上は少年に負荷を掛けると思ってのことだろう、そしてそのまま別れを告げ、去っていく。
「えっ……、ああ、お、おう……」
少年はただただ、急いで過ぎ去っていく友人の背中をポカーンと見つめていた。
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