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カイン帰宅
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カインがモモの家に戻ってきた。
「ただいまー」
「おかえり、カイン」
モモは答えた。それにしても、これはどういう状況であろうか。
アズサとモモが抱き合っている。
モモの顔は上気しているし、アズサは満面の笑みで抱き着いている。
こんな風に俺はアズサに抱きしめられたことがあっただろうか。
いや、なかったはずだ。モモをうらやましいと思い、
モモを見てしまう。
「はいはい、愛しのアズサが私を抱きしめているからって、嫉妬しないの」
「いや、そうではないがな……」
「カイン、モモさんすごく優しいの。私モモさん大好きになっちゃた」
アズサがとてもうれしそうだ。それだけで俺も嬉しくなって、にやけてしまう。
その幸せそうな二人を見たモモは、少し意地悪をしたくなってしまった。
チュッ
「え?」
「友情の印よ」
モモがアズサのほっぺにキスをしたのだった。
「えー私嬉しい。わたしもする」
チュッチュ
なんだろう。この複雑な気持ちは。俺は股間がもぞもぞしだした。俺はやはり
変態に近づいているようだ。アズサのことになるとどうも反応が早い。
「ほら、カインも帰って来たし、もう家に帰りなさい。アズサさえよければまたうちに来てよ」
「本当ですか?ありがとうございます。本当にモモさん優しい」
「あのさー友達になるんだったら、その敬語もやめなさいよ」
「あ、そっか。ありがとう。モモさん」
「モモさんのさんも意味わからないから、モモでいいよ」
「わかった。モモ」
モモは、アズサを気に入っていたようだった。アズサに友達が
できたみたいでよかった。
「モモ助かった。ありがとう」
「いいわよ。ところでお目当てのモノは買えたの?」
「あー買えたよ」
「カイン、何買ってきたの」
「家に帰ってからのお楽しみだよ」
「うーカインのケチ。わかった。我慢する」
「ほら、そこいちゃつくのは帰ってやって」
そう言って、モモは俺たちを家から追い出した。
モモは、カインの思いをもっと引きずるかと思っていたが、
何か気分はすっきりしていた。
たぶん、自分に対して脈がないことくらい、薄々気づいていたからだろう。
しかし、長い片思いだったので、涙が止まらなかった。
でも、今日だけは許すことにしよう。
モモは1人で思い切り泣くことにした。
次の日には、カインへの思いを吹っ切って、父親に見合いをさせてくれと
頼めるほどになっていた。
「ただいまー」
「おかえり、カイン」
モモは答えた。それにしても、これはどういう状況であろうか。
アズサとモモが抱き合っている。
モモの顔は上気しているし、アズサは満面の笑みで抱き着いている。
こんな風に俺はアズサに抱きしめられたことがあっただろうか。
いや、なかったはずだ。モモをうらやましいと思い、
モモを見てしまう。
「はいはい、愛しのアズサが私を抱きしめているからって、嫉妬しないの」
「いや、そうではないがな……」
「カイン、モモさんすごく優しいの。私モモさん大好きになっちゃた」
アズサがとてもうれしそうだ。それだけで俺も嬉しくなって、にやけてしまう。
その幸せそうな二人を見たモモは、少し意地悪をしたくなってしまった。
チュッ
「え?」
「友情の印よ」
モモがアズサのほっぺにキスをしたのだった。
「えー私嬉しい。わたしもする」
チュッチュ
なんだろう。この複雑な気持ちは。俺は股間がもぞもぞしだした。俺はやはり
変態に近づいているようだ。アズサのことになるとどうも反応が早い。
「ほら、カインも帰って来たし、もう家に帰りなさい。アズサさえよければまたうちに来てよ」
「本当ですか?ありがとうございます。本当にモモさん優しい」
「あのさー友達になるんだったら、その敬語もやめなさいよ」
「あ、そっか。ありがとう。モモさん」
「モモさんのさんも意味わからないから、モモでいいよ」
「わかった。モモ」
モモは、アズサを気に入っていたようだった。アズサに友達が
できたみたいでよかった。
「モモ助かった。ありがとう」
「いいわよ。ところでお目当てのモノは買えたの?」
「あー買えたよ」
「カイン、何買ってきたの」
「家に帰ってからのお楽しみだよ」
「うーカインのケチ。わかった。我慢する」
「ほら、そこいちゃつくのは帰ってやって」
そう言って、モモは俺たちを家から追い出した。
モモは、カインの思いをもっと引きずるかと思っていたが、
何か気分はすっきりしていた。
たぶん、自分に対して脈がないことくらい、薄々気づいていたからだろう。
しかし、長い片思いだったので、涙が止まらなかった。
でも、今日だけは許すことにしよう。
モモは1人で思い切り泣くことにした。
次の日には、カインへの思いを吹っ切って、父親に見合いをさせてくれと
頼めるほどになっていた。
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