7 / 110
雷鳴
6
しおりを挟む
それから。
考えれば全員、自分の教室の場所すら知らなかった。
そして思い出したのは荷物。これは確かテキトーに置いてきた昼を思い出し下駄箱へ取りに戻ったら。
「なっ、だこれはぁぁ!」
ナトリは絶叫した。
「やられたねー」
トートバッグには見事に、くしゃくしゃになったエロ本が3冊くらいぶち込まれていた。
被害を被ったのはナトリのバッグだった。
理由は簡単。
文杜はそもそも鞄とかバッグとか、そういう類いのものを持ち歩かない。体育着はギターケースにベースと共に突っ込み、空いていた何かの教室へ勝手に置いた。
真樹もリュックだがこれは帰りを考え、下駄箱の上に置いて貰った。
被害者ナトリは、下駄箱の一番綺麗な下の段を、「めんどくせぇ」の一言でロッカー代わりにし、バチと体育着しか入っていないくせに口が広く真新しい『Fender』のロゴが入った黒いトートバッグをそこに突っ込んだのが悪かった。
見事、バカ男子高校生共の餌食となった。
「…ぅ、げほっ、」
その事情に咳き込みながら真樹は腹を抱えて爆笑。
文杜も、「うわぁおっぱい」とか言いながらまるで汚いものかのようにエロ本の端っこを摘まんでぷらぷらしている。
確かにぼろっちいけど。使い込まれた感すげぇけど。なんなのそれ。
「君こんなん好きだっけぇ?えぇ?だいぶ熟女もんじゃねぇかこれ」
「知るかバカ!どっか突っ込んどけよ」
ちょっと顔を背けるナトリをからかうように、「ほれほれ」と文杜は摘まんで近付ける。心底ナトリが嫌そうなのに文杜は思わずニヤリと笑った。
「えぇ?そこに突っ込んであったじゃない」
「お前エイトビートかますぞクソ狂犬ん!んなんくれてやるわ!」
「その焦り方がまたなんとも言えず童貞臭いね、でも可愛くないなぁナトリは」
と言いながらちらっと文杜は真樹を見た。恐る恐る狂犬を見上げる様、想像した通りだ。
「見る?おっぱい」
「ごふっ、」
今度は咳込みながら口を押さえて真樹は吹き出した。かなりウケている。
だっておっぱい。このクソ狂犬野郎からすげぇ興味なさそうに、というか虫けらかよ、くらいの目付きで「おっぱい」。
なんなのそれエキセントリック。てかお前は何様だよ。
「えぇ?嘘ぉ、マジで真樹ちゃん。やめよう。多分黒」
「文杜ー、本気で脳ミソ直でエイトビートすっぞコラァ。おいチビてめぇも頷いてんじゃねぇよ捨てなさい、燃やしなさい。お兄ちゃん怒るよ真面目に」
「ナトリやっぱ童貞じゃない?」
真樹にウケた。いい加減に咳込みすぎてこいつ死にそう。けど地味に文杜は嬉しい。
「ねぇ文杜ぶっ殺していいかなマジで。知ってる?フィリピンにはなぁ、大人になるとき皮切る儀式あんだよやる?やっちゃう?多分カッター真樹持ってるよな?」
「誰が仮性包茎だコラぶっ飛ばすぞクソハゲ台湾!Mother Fuck!」
「あんだとバイチー!ウォリーニー!」
「あちょっ、それはごめんなさい、俺君とはそういった」
「字が違ぁぁう!誘ってない!入れてない!日!日本、ジャパン!そしてスラング!バカかてめぇ!」
ついに真樹はしゃがみ込んで「ひっ、ひっ~」と、涙まで浮かべて下駄箱に寄りかかっている。そんなにおかしいかこの下ネタ合戦。だいぶ頭が沸いている。
というか。
三人それぞれはっと我に返って唖然とした。そして。
「寒ぃぃぃ!」
「ぇっくし、」
これはエロ本を早々に誰かの靴箱へさっさと腹いせにつっこんで保健室に直行せねば低体温で死んでしまう。特に真樹。ナトリは殺しても死なないけど多分真樹ちゃんは死んでしまう。
狂犬、思わず鞄からエロ本三冊抜き取り、その辺にぺしんとぶん投げた。
「早く行くよナトリ!真樹死ぬってえぇぇぇぇ!」
ぶん投げた拍子に、わりとエグいページが開かれ、文杜も絶叫した。
「うるさっ!何?どうしたのバ…」
「なんでこんなグロっ!完璧にこれあのズルむ、やべぇぇ…」
突如顔が真っ青というか、なんでそこに文杜が驚愕なのか、アテがあるようなないような、取り敢えず文杜の心身に何かしらあったらしい。
「大丈夫かお前やべぇぞ。悪かったよ傷抉って。お前のがやべぇから保健室早く行こうってチビ!見るなバカ!18禁だからそれって無修正じゃねぇかぁぁぁ!」
今度はナトリが頭を抱えた。
やべぇ、だっていまガチで見たらなにこれ初。衝撃なんですけど。案外よくないかもショック!けどなにこの怖い物見たさスキャンダル過ぎて泣きそう。どうしよう。
やれやれ困った。
取り敢えず釘付けになって固まってしまった狂犬と台湾人の背中に真樹は頭突きを一発ずつかました。
鼻水は拭けたが軽く脳震盪でぼーっとした。我に返った二人に引きずられながら真樹はあっさりと保健室に連行されたのだった。
考えれば全員、自分の教室の場所すら知らなかった。
そして思い出したのは荷物。これは確かテキトーに置いてきた昼を思い出し下駄箱へ取りに戻ったら。
「なっ、だこれはぁぁ!」
ナトリは絶叫した。
「やられたねー」
トートバッグには見事に、くしゃくしゃになったエロ本が3冊くらいぶち込まれていた。
被害を被ったのはナトリのバッグだった。
理由は簡単。
文杜はそもそも鞄とかバッグとか、そういう類いのものを持ち歩かない。体育着はギターケースにベースと共に突っ込み、空いていた何かの教室へ勝手に置いた。
真樹もリュックだがこれは帰りを考え、下駄箱の上に置いて貰った。
被害者ナトリは、下駄箱の一番綺麗な下の段を、「めんどくせぇ」の一言でロッカー代わりにし、バチと体育着しか入っていないくせに口が広く真新しい『Fender』のロゴが入った黒いトートバッグをそこに突っ込んだのが悪かった。
見事、バカ男子高校生共の餌食となった。
「…ぅ、げほっ、」
その事情に咳き込みながら真樹は腹を抱えて爆笑。
文杜も、「うわぁおっぱい」とか言いながらまるで汚いものかのようにエロ本の端っこを摘まんでぷらぷらしている。
確かにぼろっちいけど。使い込まれた感すげぇけど。なんなのそれ。
「君こんなん好きだっけぇ?えぇ?だいぶ熟女もんじゃねぇかこれ」
「知るかバカ!どっか突っ込んどけよ」
ちょっと顔を背けるナトリをからかうように、「ほれほれ」と文杜は摘まんで近付ける。心底ナトリが嫌そうなのに文杜は思わずニヤリと笑った。
「えぇ?そこに突っ込んであったじゃない」
「お前エイトビートかますぞクソ狂犬ん!んなんくれてやるわ!」
「その焦り方がまたなんとも言えず童貞臭いね、でも可愛くないなぁナトリは」
と言いながらちらっと文杜は真樹を見た。恐る恐る狂犬を見上げる様、想像した通りだ。
「見る?おっぱい」
「ごふっ、」
今度は咳込みながら口を押さえて真樹は吹き出した。かなりウケている。
だっておっぱい。このクソ狂犬野郎からすげぇ興味なさそうに、というか虫けらかよ、くらいの目付きで「おっぱい」。
なんなのそれエキセントリック。てかお前は何様だよ。
「えぇ?嘘ぉ、マジで真樹ちゃん。やめよう。多分黒」
「文杜ー、本気で脳ミソ直でエイトビートすっぞコラァ。おいチビてめぇも頷いてんじゃねぇよ捨てなさい、燃やしなさい。お兄ちゃん怒るよ真面目に」
「ナトリやっぱ童貞じゃない?」
真樹にウケた。いい加減に咳込みすぎてこいつ死にそう。けど地味に文杜は嬉しい。
「ねぇ文杜ぶっ殺していいかなマジで。知ってる?フィリピンにはなぁ、大人になるとき皮切る儀式あんだよやる?やっちゃう?多分カッター真樹持ってるよな?」
「誰が仮性包茎だコラぶっ飛ばすぞクソハゲ台湾!Mother Fuck!」
「あんだとバイチー!ウォリーニー!」
「あちょっ、それはごめんなさい、俺君とはそういった」
「字が違ぁぁう!誘ってない!入れてない!日!日本、ジャパン!そしてスラング!バカかてめぇ!」
ついに真樹はしゃがみ込んで「ひっ、ひっ~」と、涙まで浮かべて下駄箱に寄りかかっている。そんなにおかしいかこの下ネタ合戦。だいぶ頭が沸いている。
というか。
三人それぞれはっと我に返って唖然とした。そして。
「寒ぃぃぃ!」
「ぇっくし、」
これはエロ本を早々に誰かの靴箱へさっさと腹いせにつっこんで保健室に直行せねば低体温で死んでしまう。特に真樹。ナトリは殺しても死なないけど多分真樹ちゃんは死んでしまう。
狂犬、思わず鞄からエロ本三冊抜き取り、その辺にぺしんとぶん投げた。
「早く行くよナトリ!真樹死ぬってえぇぇぇぇ!」
ぶん投げた拍子に、わりとエグいページが開かれ、文杜も絶叫した。
「うるさっ!何?どうしたのバ…」
「なんでこんなグロっ!完璧にこれあのズルむ、やべぇぇ…」
突如顔が真っ青というか、なんでそこに文杜が驚愕なのか、アテがあるようなないような、取り敢えず文杜の心身に何かしらあったらしい。
「大丈夫かお前やべぇぞ。悪かったよ傷抉って。お前のがやべぇから保健室早く行こうってチビ!見るなバカ!18禁だからそれって無修正じゃねぇかぁぁぁ!」
今度はナトリが頭を抱えた。
やべぇ、だっていまガチで見たらなにこれ初。衝撃なんですけど。案外よくないかもショック!けどなにこの怖い物見たさスキャンダル過ぎて泣きそう。どうしよう。
やれやれ困った。
取り敢えず釘付けになって固まってしまった狂犬と台湾人の背中に真樹は頭突きを一発ずつかました。
鼻水は拭けたが軽く脳震盪でぼーっとした。我に返った二人に引きずられながら真樹はあっさりと保健室に連行されたのだった。
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム
ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。
けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。
学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!?
大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。
真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
母の下着 タンスと洗濯籠の秘密
MisakiNonagase
青春
この物語は、思春期という複雑で繊細な時期を生きる少年の内面と、彼を取り巻く家族の静かなる絆を描いた作品です。
颯真(そうま)という一人の高校生の、ある「秘密」を通して、私たちは成長の過程で誰もが抱くかもしれない戸惑い、罪悪感、そしてそれらを包み込む家族の無言の理解に触れます。
物語は、現在の颯真と恋人・彩花との関係から、中学時代にさかのぼる形で展開されます。そこで明らかになるのは、彼がかつて母親の下着に対して抱いた抑えがたい好奇心と、それに伴う一連の行為です。それは彼自身が「歪んだ」と感じる過去の断片であり、深い恥ずかしさと自己嫌悪を伴う記憶です。
しかし、この物語の核心は、単なる過去の告白にはありません。むしろ、その行為に「気づいていたはず」の母親が、なぜ一言も問い詰めず、誰にも告げず、ただ静かに見守り続けたのか——という問いにこそあります。そこには、親子という関係を超えた、深い人間理解と、言葉にされない優しさが横たわっています。
センシティブな題材を、露骨な描写や扇情的な表現に頼ることなく、あくまで颯真の内省的な視点から丁寧に紡ぎ出しています。読者は、主人公の痛みと恥ずかしさを共有しながら、同時に、彼を破綻から救った「沈黙の救済」の重みと温かさを感じ取ることでしょう。
これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。
どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる