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朝に愁いじ夢見るを
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穏やかな表情で、下の布がすりすりと…柔らかさから妙な感触に変容していくそれに感じた、そうだ、彼も私と同じ身体の仕組みであるのだと。
少し剥がれればわかってはいた、彼に乳房などはなかったけれど、薄い色。
その突起に触ってみれば、み空は伏し目になり、肌の色が薄く桃色に変わっていった。
私はとても不思議な気持ちになった。
み空も不思議な人物で、そうまでしたのにいじらしく、足の付け根あたりの布でさっと、照れたように隠そうとするのだ。
私はまるで当たり前のようにそれを制し、恐る恐るとそれに触れていた。
「…大丈夫だよ」
何も言えず伏し目のまま…切な気な表情のみ空に、私はつい声を掛けていた。
…綺麗だ。
そこは少し熱を帯び、硬くなりかけている。つまり、私を感じてくれているのだ。
伏し目なまま私をちらっと見たみ空も恐る恐る私の熱に触れ、ゆっくり、まるで壊れないようにと丁寧にねっとり扱っていく。
私の調子を、何も言わずにわかってくれているように。
先日の、ぴんと音が鳴り終わったのを思い出した頃、彼はふといじらしく演奏を一度止め、脱げ掛けた着物の袖口から何か…和紙を取り出し口に含んだ。
彼の口の中が動いているのが見える。
私は、先日三郎に精力剤を貰ったのを思い出した。
彼はふっと口の中に指を入れ濡らしたかと思えば、その小さな口に私の増大した熱をぱくりと咥え、垂れ下がった黒髪を邪魔そうに耳へ掛けていた。
「はっ…、」
熱い息や口の中は…どうやら少しヒリヒリもする。まるで内緒話をするようにみ空は丁寧に、舌で私を弄ぶ。
ぴん、と、あの指弾きの音が頭で響く。
やってしまったと「あぁすまん、」と、私の表情は青ざめていたはずだ。
しかしみ空は私を優しく眺め、口から一筋垂れた白濁を指で拭いペロッと舐めた。
私の一線は切れた後だったのだ。
私は本能的にみ空を抱き締め、「美味くなかっただろ」だなんて吐露し、口吸いをしていたり、調子を戻そうとするが、どうも変拍子だ。
どこかで、外れてしまったのだからと自己肯定をしている自分もいる。
逸物にはまだヒリヒリと刺激があり、ただそれだけであっという間にまた痛いほど起立している。
その先を待つ情緒もなく、み空は腰を上げ、ふうと息を吐いてから私の逸物の頭をぐっと一気に押し込めた。
こちらが声をなくす、一気に圧迫されまるで狭くて喉を詰まらせてしまった。
み空も少しだけ薄眉を寄せたので、「だいっ、じょぶか、」と、もう少し自然と言ってやろうかと思ったのだが、やはり喉が詰まる。
生まれて初めての感触だった。
中は、とても暖かい、いや、熱い。溶かされ、溺れそう。
声を掛けた私を見下ろしたみ空は少しだけ苦しそうなまま柔らかく笑い、そして私の頬に触れる。
まるで、「見てて」とでも言いたそうだと思いそこを眺めると、起立しかけたみ空の逸物がある。
私は自然とそれを…弄び、「見てるよ」とみ空の細い腰に手を添えてやった。
徐々に、徐々に食われてゆく私の陰茎もそのうちすっぽり収まり、その頃には互いに笑い合っていた。
主導権を握った彼がするすると事を円滑に進めてくれた。
……熱さが直に来る。そして妙な硬さ。
これほど、人の体内を感じたことがない。言葉などなくても見ればわかる、彼も私と同じ気持ちの熱さだ。
女は少し冷たいからだろうか。
そして何より、彼はここにいるのだと心まで締め付けられるような感覚。
み空に食まれた、舌で触れられた、その場所全てが熱く、私の心に痺れを注ぎ込まれたような気がした。
プチっと、太い糸が切れる音が頭に響いたときには多分、無我夢中だったようだ、始めとは全く違う体位で彼の背中を眺め、苦しくなる程み空の中に私の性を存在させていた。
見上げるように振り向いたみ空は息を小さく吐く。
その吐息すら私には惜しく感じた。側で、感じたいと。
疲れた表情も色っぽい。
み空の髪が掛かる背骨を舐め、口にしようとした言葉は恐らく「愛おしい」か何かで、一晩でこんなにも強烈な感情を自分が抱くなどと、考えもしなかった。
私が彼の虜になった、いや、彼も私の虜になったかのように、最後は膝の上で髪を撫でられながら、一度寝てしまったかもしれない。
それは所謂「ちょんの間」でしかなく、しかしまるで、夢に溺れるような時間だった。
迎えが来て外に出れば、月明かりがもの悲しく見えた。
まるで息切れするような、生きた心地のあの…夢のような時間。頭の中で金はいくらあったかと考え浮き足立つ自分。
「み空のことは秘密でお願いします」
ぼんやりと思う。
み空行く 月の光に ただ一目 相見し人の 夢にし見ゆる、かと。
あぁ、あの詩を詠んだのは「安都扉娘子」などという、曖昧な名前の者だったかもしれない。
きっとあの三郎もああして圧倒され……なんだかな。
これが、私がみ空と出会った最初だった。
少し剥がれればわかってはいた、彼に乳房などはなかったけれど、薄い色。
その突起に触ってみれば、み空は伏し目になり、肌の色が薄く桃色に変わっていった。
私はとても不思議な気持ちになった。
み空も不思議な人物で、そうまでしたのにいじらしく、足の付け根あたりの布でさっと、照れたように隠そうとするのだ。
私はまるで当たり前のようにそれを制し、恐る恐るとそれに触れていた。
「…大丈夫だよ」
何も言えず伏し目のまま…切な気な表情のみ空に、私はつい声を掛けていた。
…綺麗だ。
そこは少し熱を帯び、硬くなりかけている。つまり、私を感じてくれているのだ。
伏し目なまま私をちらっと見たみ空も恐る恐る私の熱に触れ、ゆっくり、まるで壊れないようにと丁寧にねっとり扱っていく。
私の調子を、何も言わずにわかってくれているように。
先日の、ぴんと音が鳴り終わったのを思い出した頃、彼はふといじらしく演奏を一度止め、脱げ掛けた着物の袖口から何か…和紙を取り出し口に含んだ。
彼の口の中が動いているのが見える。
私は、先日三郎に精力剤を貰ったのを思い出した。
彼はふっと口の中に指を入れ濡らしたかと思えば、その小さな口に私の増大した熱をぱくりと咥え、垂れ下がった黒髪を邪魔そうに耳へ掛けていた。
「はっ…、」
熱い息や口の中は…どうやら少しヒリヒリもする。まるで内緒話をするようにみ空は丁寧に、舌で私を弄ぶ。
ぴん、と、あの指弾きの音が頭で響く。
やってしまったと「あぁすまん、」と、私の表情は青ざめていたはずだ。
しかしみ空は私を優しく眺め、口から一筋垂れた白濁を指で拭いペロッと舐めた。
私の一線は切れた後だったのだ。
私は本能的にみ空を抱き締め、「美味くなかっただろ」だなんて吐露し、口吸いをしていたり、調子を戻そうとするが、どうも変拍子だ。
どこかで、外れてしまったのだからと自己肯定をしている自分もいる。
逸物にはまだヒリヒリと刺激があり、ただそれだけであっという間にまた痛いほど起立している。
その先を待つ情緒もなく、み空は腰を上げ、ふうと息を吐いてから私の逸物の頭をぐっと一気に押し込めた。
こちらが声をなくす、一気に圧迫されまるで狭くて喉を詰まらせてしまった。
み空も少しだけ薄眉を寄せたので、「だいっ、じょぶか、」と、もう少し自然と言ってやろうかと思ったのだが、やはり喉が詰まる。
生まれて初めての感触だった。
中は、とても暖かい、いや、熱い。溶かされ、溺れそう。
声を掛けた私を見下ろしたみ空は少しだけ苦しそうなまま柔らかく笑い、そして私の頬に触れる。
まるで、「見てて」とでも言いたそうだと思いそこを眺めると、起立しかけたみ空の逸物がある。
私は自然とそれを…弄び、「見てるよ」とみ空の細い腰に手を添えてやった。
徐々に、徐々に食われてゆく私の陰茎もそのうちすっぽり収まり、その頃には互いに笑い合っていた。
主導権を握った彼がするすると事を円滑に進めてくれた。
……熱さが直に来る。そして妙な硬さ。
これほど、人の体内を感じたことがない。言葉などなくても見ればわかる、彼も私と同じ気持ちの熱さだ。
女は少し冷たいからだろうか。
そして何より、彼はここにいるのだと心まで締め付けられるような感覚。
み空に食まれた、舌で触れられた、その場所全てが熱く、私の心に痺れを注ぎ込まれたような気がした。
プチっと、太い糸が切れる音が頭に響いたときには多分、無我夢中だったようだ、始めとは全く違う体位で彼の背中を眺め、苦しくなる程み空の中に私の性を存在させていた。
見上げるように振り向いたみ空は息を小さく吐く。
その吐息すら私には惜しく感じた。側で、感じたいと。
疲れた表情も色っぽい。
み空の髪が掛かる背骨を舐め、口にしようとした言葉は恐らく「愛おしい」か何かで、一晩でこんなにも強烈な感情を自分が抱くなどと、考えもしなかった。
私が彼の虜になった、いや、彼も私の虜になったかのように、最後は膝の上で髪を撫でられながら、一度寝てしまったかもしれない。
それは所謂「ちょんの間」でしかなく、しかしまるで、夢に溺れるような時間だった。
迎えが来て外に出れば、月明かりがもの悲しく見えた。
まるで息切れするような、生きた心地のあの…夢のような時間。頭の中で金はいくらあったかと考え浮き足立つ自分。
「み空のことは秘密でお願いします」
ぼんやりと思う。
み空行く 月の光に ただ一目 相見し人の 夢にし見ゆる、かと。
あぁ、あの詩を詠んだのは「安都扉娘子」などという、曖昧な名前の者だったかもしれない。
きっとあの三郎もああして圧倒され……なんだかな。
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