婚約拒否のために私は引きこもりになる!

たろ

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第1章

回避したといえるのではないですか!?

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チチチチ…小鳥のさえずりが朝を告げ…あらもう朝なのか。ついついうっかり小説を読みふけっていたら夜を明かしてしまった。まあ初めてではないからそんなに驚くこともないのだが。…それよりも!!!!!ベッドから飛び降りてすっかり床を埋め尽くすほどの量となった本の山を践まぬように気をつけて窓に近寄り日を浴びる。徹夜の目には少し厳しい光の強さ…だけれども!!!

「今日は私の!誕生日!!!」

そう、私シルヴィアは本日9歳になるのだ。本の魅力にとりつかれ引きこもりとなってから1年と半年ぐらい。本当に外に出ることもなくなり社交界にも一歩も踏み入れなくなった。そうなると下がっていくのが評判というもので、以前は活発なことで有名だったクローバット家のご令嬢は顔に大怪我をしたから全く外に出なくなったのだ、などと引きこもって3ヶ月ぐらいの頃からまことしやかに囁かれているらしい。父はそれに憤慨しており、噂を払拭しようと私を外に連れ出そうと熱心だが、私にとっては噂が肉親であり、聞かれたくないであろう父の耳に入るくらい話題になっているということは王家も耳にされている可能性があるので願ったり叶ったりである。

そのためか読書に溺れつつも戦々恐々としていた8歳の誕生日の頃にも王家からの召集がかかることもなく、家でささやかに誕生を祝われただけだった。それでも8歳が終わるまでは油断はできぬと引きこもり続けていたが、今日はそれの終わりを告げる日である。

バンッと部屋の扉を開けて踊りたくなる気持ちを抑えながら階下に向かう。久しぶりに日の出ている時間にでてきたお嬢様に驚いている使用人達を尻目に父の書斎を開けて…

「パパ!今日は何の日でしょー!」

「シルヴィ!お誕生日おめでとう!!!」

きゅっと父は私を抱き上げてくるくると回る。かしゃんっと音がして私の眼鏡が落ちる。

「あっはずすのを忘れてた!」

そう。朝から夜まで、ベッドに入ってからも本を読んでいたら視力が悪くなってしまって、前の人生では体験したことのない眼鏡を装着しはじめた。それでも字が読みにくい程度なので日常生活には眼鏡なしでも支障はない。前の時と変わったところは他にもある。部屋から出ることがなくなって筋肉は落ち、家族と約束したとはいえ食も細くなり、それとともに体重が減ったために9歳にしては明らかに細くなってしまったのだ。

「おお、ごめんよシルヴィ。それにしても軽くなってしまったなぁ…!そうだ!!!プレゼントは王家に仕えていたシェフでも雇おうか?」

眼鏡を拾って傷を確認し、私は振り返る。

「違うでしょ!!!お誕生日には前頼んでた本のセット!!!」

私は婚約を回避したからといって引きこもりをやめるつもりなど毛頭ないのだ。
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